兵庫県尼崎市昭和通4のマンションで15日夜、女性が刺されて死亡する事件があり、県警は16日、事件に関与した疑いがあるとして、30代の元夫の身柄を確保した。
任意で事情聴取を始めており、容疑が固まれば殺人容疑で逮捕する方針。捜査関係者への取材で判明した。元夫は事件後にバイクで逃走したとみられ、県警はこのバイクを県内で押収し、行方を追っていた。
【女性が刺された現場周辺を捜索する捜査員】
県警によると、女性はこのマンションに住む医療系事務員の森本彩加(さやか)さん(28)。15日午後8時20分ごろ、駐輪場前で、森本さんが男に刃物のようなもので背中を刺されているのを配送業者が目撃し、119番した。
森本さんは病院に搬送されたが、背中などに複数の傷があり、約1時間後に死亡が確認された。防犯カメラの映像から、森本さんは普段着でカバンを持っており、外出先から帰宅したばかりだったとみられる。
複数の住民が事件の前後、不審な男がマンション前の歩道にバイクを止めて敷地内に入り、その後戻ってくるのを目撃。上下とも黒っぽい服装で、ヘルメットは着けていなかったという。男は事件後、マンション前を東西に走る国道2号をバイクで西へ逃走した。
県警が16日に押収したバイクには血痕のようなものが付着しており、県警は元夫が逃走に使ったとみて調べている。
現場は阪神尼崎駅から北西へ約300メートルの商業施設やマンションなどが混在する地域。事件当時、119番した別の配送業者の男性は「宅配作業中に『キャー』という声がして振り返ると女性が倒れており、男が道路付近にあったバイクで逃げた。女性に声をかけたが、返答がなかった。毎日配達に訪れているが、気が動転してしまった」と話した。
【韓光勲、村田愛、中村清雅】