盛り上がらない&格差も広がる「夏休みの海外旅行」…GWに引き続き「キャンセル待ち」の行き先とは?(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
盛り上がらない&格差も広がる「夏休みの海外旅行」…GWに引き続き「キャンセル待ち」の行き先とは?
7/22(土) 11:00配信
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コメント15件
FRIDAY
海外旅行はコロナ前の半分以下
’23年大型連休時の羽田空港国際線ターミナル。多くの日本人が海外旅行のために久々に出国した(PHOTO:アフロ)
コロナ禍が明けた最初の夏休みで、旅行を計画している人も多いだろう。国内旅行は全国旅行支援などの影響で引き続き人気が高い。しかし、海外旅行はコロナ前のまだ半分以下に止まったままである。
【画像】国力の差か、国民性の違いか…いま海外の人気観光地が「韓国人だらけ」になっている「実態と理由」
日本人の海外旅行、その回復が遅れている理由として、当初は感染症への不安や航空運賃の高騰、現在は円安および現地の物価高などがよく挙げられる。また、国内で生活必需品や光熱費などの値上げラッシュで「余暇をぜいたくに楽しむ余裕がない」という声も少なからず聞かれる。
一方、お金と時間に余裕がある中高年を中心に海外ツアーが人気で、一部の行き先ではキャンセル待ちも。「今の海外は高くて行けない」という若者や働き世代らとの“格差”も広がっている。
◆日本発着便、乗客9割以上が外国人のことも…
日本の水際対策がほぼ撤廃された’22年9月以降、海外旅行は事実上解禁されたと言っていい。昨年末や今年の大型連休時には「久々に海外旅行する日本人の出国ラッシュ」がテレビなどで大々的に報道された。
その際、空港でインタビューを受けた旅行者から「タイ旅行に夫婦で100万円かかった」「ハワイへ家族旅行で250万円」といった声があった。非常に高額に思えるが、「コロナ禍で我慢した分、多少お金がかかっても海外へ行きたい」という熱意は伝わってきたものだった。
しかし今も、多くの日本人が次々海外へ行っているわけではない。筆者はコロナ後すでに10回以上、’23年は毎月渡航した中、どこでも「日本人旅行者の少なさ」を実感する。日本発着の多くの便で、ざっと乗客9割以上が外国人。空港での日本人向け出入国の自動化ゲートはいつも空いている。
◆あえて「行かない」理由…
JTBが先日、’23年夏休みの旅行動向(7月15日~8月31日)を発表した。旅行人数の推計値として、海外は120万人。303万人だった’19年の約4割程度にとどまるとした。
その理由を「意欲の高まりは見られるものの、物価高や円安、久しぶりの海外に対する不安などから短期で比較的日本から近い行先が人気」「ゆるやかではあるものの回復基調」とする。JTBの海外企画商品では、ハワイ、韓国、台湾、グアム、シンガポールが人気といい、今後について1位ハワイに続き、2位ヨーロッパ、3位オーストラリア・ニュージーランド、さらに6位に米国本土などが行きたい先として挙がっていた。
なぜ今、海外へ行こうと思わないのか。これに関し
7/22(土) 11:00配信
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FRIDAY
海外旅行はコロナ前の半分以下
’23年大型連休時の羽田空港国際線ターミナル。多くの日本人が海外旅行のために久々に出国した(PHOTO:アフロ)
コロナ禍が明けた最初の夏休みで、旅行を計画している人も多いだろう。国内旅行は全国旅行支援などの影響で引き続き人気が高い。しかし、海外旅行はコロナ前のまだ半分以下に止まったままである。
【画像】国力の差か、国民性の違いか…いま海外の人気観光地が「韓国人だらけ」になっている「実態と理由」
日本人の海外旅行、その回復が遅れている理由として、当初は感染症への不安や航空運賃の高騰、現在は円安および現地の物価高などがよく挙げられる。また、国内で生活必需品や光熱費などの値上げラッシュで「余暇をぜいたくに楽しむ余裕がない」という声も少なからず聞かれる。
一方、お金と時間に余裕がある中高年を中心に海外ツアーが人気で、一部の行き先ではキャンセル待ちも。「今の海外は高くて行けない」という若者や働き世代らとの“格差”も広がっている。
◆日本発着便、乗客9割以上が外国人のことも…
日本の水際対策がほぼ撤廃された’22年9月以降、海外旅行は事実上解禁されたと言っていい。昨年末や今年の大型連休時には「久々に海外旅行する日本人の出国ラッシュ」がテレビなどで大々的に報道された。
その際、空港でインタビューを受けた旅行者から「タイ旅行に夫婦で100万円かかった」「ハワイへ家族旅行で250万円」といった声があった。非常に高額に思えるが、「コロナ禍で我慢した分、多少お金がかかっても海外へ行きたい」という熱意は伝わってきたものだった。
しかし今も、多くの日本人が次々海外へ行っているわけではない。筆者はコロナ後すでに10回以上、’23年は毎月渡航した中、どこでも「日本人旅行者の少なさ」を実感する。日本発着の多くの便で、ざっと乗客9割以上が外国人。空港での日本人向け出入国の自動化ゲートはいつも空いている。
◆あえて「行かない」理由…
JTBが先日、’23年夏休みの旅行動向(7月15日~8月31日)を発表した。旅行人数の推計値として、海外は120万人。303万人だった’19年の約4割程度にとどまるとした。
その理由を「意欲の高まりは見られるものの、物価高や円安、久しぶりの海外に対する不安などから短期で比較的日本から近い行先が人気」「ゆるやかではあるものの回復基調」とする。JTBの海外企画商品では、ハワイ、韓国、台湾、グアム、シンガポールが人気といい、今後について1位ハワイに続き、2位ヨーロッパ、3位オーストラリア・ニュージーランド、さらに6位に米国本土などが行きたい先として挙がっていた。
なぜ今、海外へ行こうと思わないのか。これに関し
「治安や(感染症などの)健康面でまだ安心できない」
「出入国手続きが面倒」「円安や物価高」がトップ3となった
パスポートの期限切れ、国内旅行の魅力を再発見したという声もあった。
「完全回復」が程遠い理由は…
フランス・パリの空港リムジンバス「ロワシーバス」。片道16.20ユーロ(約2600円)とコロナ前より値上げし、円安も加わって割高感が大きくなった
日本人の「海外旅行へ行きたい」という意欲は低下していない。しかし、“完全回復”への「ハードル」は現状、限りなく高いと言える。
コロナ後に海外旅行し、誰もが真っ先に口をそろえて言うのが「現地の物価高」である。しかも、1ドル=150円にも迫る円安が追い打ちをかける。コロナが明け、「今回は奮発してでも海外旅行する」と高い旅費でも目をつぶって行ったものの、現地滞在費で痛い目に遭い、「円安も続きそうだし、今夏はもう無理せず国内旅行で我慢」という声も実際少なくない。
加えて、国内での値上げラッシュ、さらなる増税の気配もちらつく。給料は大半の働き世代で大幅に上がっておらず、将来への不安も消えない。
また、コロナ禍で「海外旅行は控えるように」と社会全体でまん延したのがいまだ尾を引くケースも散見される。例えば、社内で自ら先陣を切る勇気がなくて「誰か先に行ってくれれば」といまだ様子見し、「現地でコロナに罹ると帰国が遅れて会社に迷惑がかかる」といかにも日本人らしい発想で二の足を踏む人も少なからずいる。
◆中高年リタイヤ組に人気の「キャンセル待ち状態」行き先とは…
一方、ある旅行代理店から「ずっと人気でキャンセル待ち状態」と聞いた行き先がある。どこかと聞くと「エジプト」だった。
エジプトツアーは基本7日間で、コロナ明け当初は70~80万円、現在も乗継便で30~40万円、今秋再開予定の直行便だと60~70万円ほどする。これに燃油サーチャージ、空港諸税、現地ビザ代などが加わり、1人参加だとさらに割高に。参加者は主に中高年のリタイヤ組もしくは新婚旅行。エジプトツアーの数がまだコロナ前より少ないのもあるが、エジプト観光に最適なシーズンに入る秋から初冬にかけてキャンセル待ちもしくは催行決定がすでに多い。
ハワイの人気も根強い。現地で日本語が通じやすく、過ごしやすい気候でストレスも少なく、リピーターも多い。だが実際、現地の物価高はかなり厳しい。日本-ハワイ線は、ANAやJALが往復しかも総額10万円以下でセール販売するほど値崩れしているのも、訪日客を取り込めない路線なのに加え、物価高と無関係ではないだろう。コロナ後に一度は行けても、その後はお金に余裕がないと直近で再訪する気にならないのではないか。
「いずれ行きたい」と人気のヨーロッパは、ウクライナ情勢で飛行時間がかかるようになったのがネック。日ごろから長期休暇が取りづらい働き世代にはさらに厳しくなった。
フランス・パリの空港リムジンバス「ロワシーバス」。片道16.20ユーロ(約2600円)とコロナ前より値上げし、円安も加わって割高感が大きくなった
日本人の「海外旅行へ行きたい」という意欲は低下していない。しかし、“完全回復”への「ハードル」は現状、限りなく高いと言える。
コロナ後に海外旅行し、誰もが真っ先に口をそろえて言うのが「現地の物価高」である。しかも、1ドル=150円にも迫る円安が追い打ちをかける。コロナが明け、「今回は奮発してでも海外旅行する」と高い旅費でも目をつぶって行ったものの、現地滞在費で痛い目に遭い、「円安も続きそうだし、今夏はもう無理せず国内旅行で我慢」という声も実際少なくない。
加えて、国内での値上げラッシュ、さらなる増税の気配もちらつく。給料は大半の働き世代で大幅に上がっておらず、将来への不安も消えない。
また、コロナ禍で「海外旅行は控えるように」と社会全体でまん延したのがいまだ尾を引くケースも散見される。例えば、社内で自ら先陣を切る勇気がなくて「誰か先に行ってくれれば」といまだ様子見し、「現地でコロナに罹ると帰国が遅れて会社に迷惑がかかる」といかにも日本人らしい発想で二の足を踏む人も少なからずいる。
◆中高年リタイヤ組に人気の「キャンセル待ち状態」行き先とは…
一方、ある旅行代理店から「ずっと人気でキャンセル待ち状態」と聞いた行き先がある。どこかと聞くと「エジプト」だった。
エジプトツアーは基本7日間で、コロナ明け当初は70~80万円、現在も乗継便で30~40万円、今秋再開予定の直行便だと60~70万円ほどする。これに燃油サーチャージ、空港諸税、現地ビザ代などが加わり、1人参加だとさらに割高に。参加者は主に中高年のリタイヤ組もしくは新婚旅行。エジプトツアーの数がまだコロナ前より少ないのもあるが、エジプト観光に最適なシーズンに入る秋から初冬にかけてキャンセル待ちもしくは催行決定がすでに多い。
ハワイの人気も根強い。現地で日本語が通じやすく、過ごしやすい気候でストレスも少なく、リピーターも多い。だが実際、現地の物価高はかなり厳しい。日本-ハワイ線は、ANAやJALが往復しかも総額10万円以下でセール販売するほど値崩れしているのも、訪日客を取り込めない路線なのに加え、物価高と無関係ではないだろう。コロナ後に一度は行けても、その後はお金に余裕がないと直近で再訪する気にならないのではないか。
「いずれ行きたい」と人気のヨーロッパは、ウクライナ情勢で飛行時間がかかるようになったのがネック。日ごろから長期休暇が取りづらい働き世代にはさらに厳しくなった。
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