アミアンの大聖堂の西正面には、前回の中央扉口の左右両側にも扉口があります。
それぞれ同じような構図でも、登場人物は異なります。
まず右側の扉口から。
こちらは中央が聖母子像となっています。
そして左右に並ぶ像は、旧約聖書に登場するソロモン王やシバの女王の像とのことです。
こちらは左側の扉口です。
こちらの中央の像は聖フィルマンという、アミアンの初代大司教の像であるとのことです。
それゆえこの扉口は「聖フィルマンの扉口」とも呼ばれています。
左側に並ぶ像は別の聖人とかでしょうか。自分の首が斬られた後、その首を持って歩いたとの伝説を有する聖人の像も見受けられます。
これらの像の下には四つ葉型の浮彫が刻まれています。
この浮彫の上段は12か月の星座が表現されているそうです。そして画像には入っていませんが、その下にはその月の労働の様子が描かれているとのことです。
大聖堂の入り口に一般人の労働の様子が描かれることは珍しいそうですが、それはこの地の農民が昔から農業技術に長けていたことに由来するのではないか、とのことです。
(週刊ユネスコ世界遺産 第82号 講談社 を参考にしました)