ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

白猫スマイリーの奇跡の猫背③

2019-06-29 21:29:43 | 小説
そう、アミアンの大聖堂で見かけた、聖母マリアさまが立っていたのです。

目の前のお姿はどうやら怒っているようです。

スマイリーを睨みつけながら、マリア様は言います。

「私はお前が心の清らかで、ピュアな子猫だと思っていました。それがいったいなんですか、みんながお供えのご馳走を持ってくるのをいいことに、欲望の塊となって自堕落に過ごす日々、本当にお前には失望しました。」

「ひえー許してぇ~」スマイリーは丸く縮こまって許しを請います。

「それからね・・・」マリア様は声を低くして続けます。

「お前が太りすぎたおかげで、私の顔も太ってしまっているじゃない!」

スマイリーはどきっとしました。

そうなんです。鏡でそっと背中を見てみると、スマイリーがぶくぶく太ったため、背中の表面積が広くなり、マリア様の細面の顔もでっぷりとしてしまったのです!

「残念ですが、その背中は元に戻します」

と冷たい声で言うと、マリア様からまぶしい光が発せられました。ちょうどアミアンの大聖堂の前でスマイリーが感じたのと同じような光線が・・・。

「ふにー・・・」

背中に熱いものを感じながら、スマイリーは別世界に落ちていくように感じました。もうこれでみんなにあがめられるのも、そして大好きなご馳走ともお別れなのか、と感じながら・・・。

(続く)
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2019-06-29 21:34:33
アハハ、スマイリーが太ると、背中のマリア様も太るんですね!なるほど!あ、でもまだ続くんですね♪

さすがのマリア様もこれには腹が立ったようです(笑)。
それにしても、スマイリーはいいキャラですね。TGVの中でわくわくしている時や、ごちそうをおいしそうに食べている時はもちろん、マリア様に叱られている時でも、どことなくユーモラスで、楽しい存在です。
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