一般社団法人協同総合研究所が発行する『協同の発見』にて弊社金野を取材していただきました。
ワーカーズコープ(労働者協同組合)は、働く人びとや市民がみんなで出資し、経営にみんなで参加し民主的に事業を運営し、責任を分かち合って、人と地域に役立つ仕事を自分たちでつくる協同組合です。2020年12月に、「労働者協同組合法」が成立しており、2022年10月1日より施行され、「NPO」「株式会社」などと並ぶ組織体となります。
そこで行われる、【出資】・【経営】・【労働】を“三位一体”で組合員全員が担い合い、「ともに生き、ともに働く」社会をつくる働き方を協同労働といいます。
「弊社が掲げるES(人間性尊重)経営と協同労働にはどんな共通点があるのか」
「協同労働というあり方が、この先中小企業でどんなふうに活用されていくのか」
などについてお話しさせていただきましたので、こちらではその要点をお伝えします。
■ES経営と協同労働との共通点
ES経営も協同労働も、人がいて、それぞれの心や自分の特性があり、お互いを活かしあいながら地域・社会課題に対して向き合う働き方だと思っています。
一人の人間には、仕事場でのつながりだけではなく、地域社会とのつながりもあります。仕事と暮らしがつながるような働き方という意味で、協同労働とES経営は親和性が高いものだと考えています。
一人ひとりの特性を認識しながらそれを活かしあうかたちで組織をつくり運営していく時代が来ていることを受けとめ、企業経営においてもその視点を持つことが必要だと思うのです。
■中小企業において協同労働はどう活用されていくか
現在の日本社会では、本来分断されていなかった仕事と暮らし、地域と会社が分断されがちですが、協同労働の実践から、これらを融合させるあり方を学ぶことができると考えています。具体的に、企業のなかでの協同労働の活用方法としては以下のようなかたちをイメージしています。
- 企業がワーカーズコープと連携し、シニアの方々が協同労働で働く場をつくる
- 社内起業として協同労働で起業し、ワーカーズコープと連携して企業全体にその実践と学びを還元していく
これらをすると、自組織にいながらも地域社会と融合した自分のキャリアを歩むことができ、Z世代の若い社員にも求めらる会社になる可能性があります。シニアの姿を見て、すでに企業で働いている若い世代も、生き生きと協同労働をするシニアの姿から新たなキャリアのあり方を学ぶこともできると思います。
また、企業だけでなく、個人事業主(フリーランス)にも協同労働は活用できると考えます。
フリーランスにも、困ったときに相談できるような、ゆるやかにつながるコミュニティがあることは大切だと思いますので、そうしたコミュニティそのものを協同労働で運営していくことも可能だと考えています。
■これからの“はたらく”を伝えていく
まだこのような考え方を持っている会社はとても少なく、すぐには理解されないこともあります。ですが未来のあり方としてES経営と共通するところが多い協同労働の働き方を、自社からはたらく個々に伝えていければと考えています。
取材終了後は、協同総研のお二人に、田心カフェでランチを召し上がっていただきました。
ワーカーズコープの準会員として加盟させていただいている田心カフェ。
“ともにつくり、ともに働く”の場で、本格インドカレーを食べながら、これからの“はたらく”についてにぎやかに語らうひとときとなりました。
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