中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第965話 半歩先が最善の道

2020年10月18日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「おい!パソコンに向かってカチャカチャやってないで客回りしてこい!」朝のミーティングが終わって会議室から席に戻った若手社員を課長が怒鳴りつけていました。今から20数年前、ある部品メーカーの営業部でのことです。当時はインターネットがようやく商用化されたので、その社員は取引先の会社の出来たばかりのホームページをMosaic(Internet explorerやGoogle chrome等ブラウザの先祖)を使って調べていました。

その社員はホームページを見た後、取引先の会社を訪問しました。それは大手家電メーカーでした。対応してくれた購買担当者は自社のホームページを見てくれたことをとても喜んでいました。

それから20年後、部品メーカーの若手営業担当者は営業部長になり、大手家電メーカーの購買担当だった社員は事業部長になっていました。2人は、幕張で開催された情報通信系の展示会で20年ぶりに会いました。そして昔を懐かしんで思い出話を始めました。

私は部品メーカーの営業部長とは仕事上の付き合いがあり、たまたま展示会場に居合わせたので2人の「思い出話」を傍らで聞くことができました。

思い出話自体は退屈だったので、ここでは書きません。ただ、2人は社内でも早々と頭角を現し、早い出世を果たしていましたが、2人の話を聞いているとその理由が分かりました。

それは一言で言うと「半歩先を歩いていたということです。もちろん、インターネットのような新しい技術に対応し、それを使いこなす才能が備わっていたのでしょう。

とはいえ、誰よりも新しいものをいち早く使いこなしていたというわけではありません。先頭を走る「新しもの好き」な人間のすぐ後ろ、2番手3番手あたりに付けて色々と教えてもらいながら着実に技術を身に付けていったのです。

今ではビジネス上のコミュニケーションはほとんどがメールになっています。顧客情報も業界動向もブラウザーで検索します。私のような昭和からスタートしたビジネスパーソンにとっては、まさに隔世の感があります。振り返ってみれば「革命」とさえ言える変化の時代でした。

しかし、「革命」は今思えば徐々に進んでいました。昨日までとはまったく違う新しいものに、今日からすべて切り替わる、といったことはほとんどありませんでした。行きつ戻りつを小さく繰り返しながら、大きな変化になって行ったのです。

先の2人は小さな波に対して「先走らず、遅れず」人よりも少しだけ早く乗り越えながら進んできたわけです。

ビジネスパーソンにとって、日々起こる「小さな変化」を積極的に受け入れ「半歩先」を歩んでいくことが生き残る術なのでないでしょうか。

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