中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,005話 新人研修ともう1つの大事な研修

2021年03月14日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

昨年から今年にかけて、コロナ禍の影響で収益力が低下し、財政的に苦しい会社が多くなってきました。とはいえ会社は人で成り立っていますから、採用は必要です。かくして4月になると職場に新入社員がやってきます。

そして4月は新人研修が日本中で行われ、当社も繁忙期を迎えます。言うまでもなく、新人教育の大切さは多くの経営者が理解しています。しかし、もう一つの大事な教育に気づいている経営者はほとんどいません。それは「上司・先輩」に対する教育です。

新入社員研修を受けた新人が職場に配属されたとき、上司・先輩が正しく新人を指導できるかどうか、実はとても大きな問題なのです。まず職場の先輩が、新人研修の内容と矛盾するような行為を行ってはいけません。たとえば朝の挨拶ですが、仮にテレワークであっても「大きな声で、はっきりと」しなければなりません。

また、配属された新人については職場の上司・先輩が教育・指導を行うわけですが、指導が「正しく」できるかどうか、経営者は確認しておく必要があります。私の経験から言わせていただくならば、しっかりと新人を指導できる上司・先輩はめったにいません。

「いや、うちの社員は、新人の指導くらいはしっかりできるよ!」と思われた経営者の方は、要注意です。試しに次の質問を職場のOJT担当者(あるいはそれに該当する人)に投げかけてみてください。

(問題)職場に新入社員が配属されてきました。あなたは上司から「新人に仕事を教えてやってくれ」と言われました。次の選択肢のうち、あなたから見て正しくないと思われるものに×を付けなさい。

(1) 新人のうちは、具体的に仕事のやり方だけを教えればよい。
(2) いきなり無理な仕事をやらせてみて、仕事の辛さを味わってもらう。
(3) 細かい点を伝える時以外は、特にメモを取らせる必要はない。
(4) 新人のミスはその場で指摘せず、後でOJT担当者に知らせる。
(5) 他部署の新人を育てるのは他部署の責任であり、口を出すべきではない。

・・・以上、答えは言うまでもなく、全て×です。ところが私の知る限り、(1)~(5)を「実践で」行うことができる社員はほとんど見たことがありません。

新入社員研修が終わったら、後は上司・先輩が日々の仕事のなかで教育・指導することになります。それまでには(1)~(5)のような間違いを犯さない上司・先輩」になっていなければなりません。

それを実現するためには「上司・先輩」だけでなく、すべての社員が部下育成研修を受けることです。それが新入社員研修を無駄にせず、将来の人材を育成するために必要なことです。

今からでも遅くありません。とりあえずは「上司・先輩」に該当する社員を対象に、部下育成研修を実施してみませんか? 

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