年齢を重ねて、いわゆる”おっさん”から”爺さん”へと変わらんとする時期、
勤め人だと職場での立場や役回りが変わる時期でもあり、そろそろ職場を去る時期でもある。
そういう時期を迎えるのは人生初めての経験なのでいろいろと悩むことが多かったりする。
沢山ありすぎるのでいちいち取り上げる訳にも行かないが、まったく意識しないうちに尊大になりがち、というのがある。
面の皮が厚くなったこともあり、立場的に弱くなっていく恐れもあるせいか、必要以上に強く出たがるようになる様だ。
よく言われる「不機嫌な老人」って奴に、うっかりするとなりそうで怖い。
夕方の混雑した電車に乗って、外の景色を眺めながら考えた。
自分は、出来たこともいくつかあったけれど、その何倍も出来なかったことがあった。
出来なかったことは忘れて見ないふりをして、出来たことを認めてもらいたい気持ちがそれらの根にある原因なんだろう。
昔の成功体験にしがみ付いて安心感を安易に得ようと、本能的に自己防衛してしまうわけだ。
過去に出来たことはほかっておこう。いまさら話題にするものでもない。
出来なかったことは、今からでもやる価値あるものは出来るまでやろう。
そんなことを考えていたら最寄りの駅に着いた。
さあ、家帰ってビールを飲もう。
飲めば明日の夢を見たくなる。