JSP_Blog

IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

思い出ダイバー 四(前編)

2011-11-14 08:30:25 | 日記
JSPに就職することが決まった後、私には大きく分けて2つのタスクが積まれることになった。

1つは引越しだ。札幌から横浜に戻ることになったため、借りているアパートから荷物を運び出さなければならない。

一番混むと言われる3月の引越し。しかも入社日まで1ヶ月を切っている状態である。見積もりなんて取っている暇もなく、電話帳に載っている広告の上から順番に電話をかけ、「1週間以内に横浜に引っ越したい」という面倒くさい条件をクリアした引越し業者を選ぶことに成功した。

後は荷造りをするだけだが、これまたヒドイ。

最初に札幌にやって来た時に比べて、笑ってしまうくらい増量した荷物が作業の行く手を阻む。残すもの(売るもしくは捨てる)と持っていくものとを選定して、業者からもらったダンボールに片っ端から詰めていく。TVや洗濯機や冷蔵庫などの家電は、横浜に戻ってからアパートを借りる予定だったので、そこで第二の人生を送ってもらうことにした。

荷造りの最初のほうで「あ、これ、自分だけじゃ間に合いそうにない」と気付いたのは、この引越し作業の中で最大のファインプレーだった。彼女(現:嫁)に手伝ってもらうと、まるで角のついた赤い何かに乗っているかのごとく、自分の3倍のスピードで作業を進めていた。むしろ、彼女しか働いていない状態だったかもしれない。

無事に荷造りが終わると、今度は彼女の引越しだ。ま、引越しと言っても、既にまとめられた状態の彼女の荷物を、彼女の実家に運ぶ作業であるため、これは簡単だと考えていた。

宅急便で送れるものは予め送っておき、それ以外のものはレンタカーを借りて運ぶことにしていた。札幌~横浜間に比べれば、札幌から彼女の実家まで、冬道を考慮しても3時間半かからない程度の道のりだ。
しかし、「簡単だった」ではなく、「簡単だと考えていた」と書く時点で、実際は「簡単ではなかった」のであるが。

朝早くに彼女の家から出発して、途中の吉野家で朝定食を食べた。ここまでは予定通り、順調だ。あとは慎重に運転して行けば昼頃には到着するはず。久々の遠出で若干緊張はしていたが、運転には何も問題なかった。

その時である。

後方から『パンッ』と何かが破裂したような音がした。

『誰かがゴミか何かを踏んづけたんだろうな。』位の、『まったく、注意して運転しなきゃ危ないでしょうが。』更には、『鉄砲?かな?』『地元の人間じゃないな?これだから内地(本州のこと)から来た観光客は・・・ブツブツ』なんて、自分も地元の人間ではない事を棚に上げ、文字にすると相当カンジの悪いことを心の中で呟いていた。

しばらくすると、後方の車がハザードランプをつけたり、ライトを点灯したりしているのをルームミラーで確認できた。

『道を譲ってもらったのかな?』なんて単純なことを考えていたら、その後方の車が急にクラクションを鳴らし始めるではないか!

と同時に、私が運転するレンタカーの挙動が怪しくなってきた。

『?????』

何が起こったのか全く理解できない状態で、赤信号のために車を一時停止させると、後方の車から運転手が降りてきて、私のレンタカーの運転席側の窓をノックした。

『何かしたっけ?喧嘩か?』とビクビクしながら窓を開けると、後方の車の運転手が言った。

「大丈夫?早くガソリンスタンドとかに行ったほうがいいよ」

『はい?何でですか?』

「やっぱり気付いてなかったの?お宅の車の右後ろのタイヤ、パンクしてるよ。危ないと思って、さっきからライト点けたりクラクション鳴らしたりしたんだけどね」

『エーーーーー!?パ、パンクーーーーーーー????』


---続く

(照)


monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

期待に応える

2011-11-14 08:28:52 | 日記
 ラニーニャで寒くなると見せかけて、いきなりまた夏のような陽気の日曜日を持ってきたりして、この秋はちょっと性格が悪い。コートにブーツのお姉さんもこう温かいと格好いいんだか悪いんだかわからない。ゴルフ練習場に行ったらおじさん方は皆さん半袖だ。近所の公園も日が暮れて暗くなっても温かいので遊び足りない子供たちが走り回ってにぎやかなこと。
 犬の散歩の途中、子供たちの声を聞きながら夕陽に染まる雲と灯りがつき始めた街並みを見ていると、なんと平和な美しい風景だろうと感動してしまう。性格の悪い秋ではあるが、こんなちょっと温かい夕暮れを用意してくれたことに、感謝したい気持ちになる。
 
 子供たちと遊ぶ父親母親を見ていると、どんなことを考えているんだろう、何を願っているんだろう、などと親の気持を想像したりする。
 
 親が子供たちの将来に願うことと言えば、昔はどうだったのかよくわからないが、自分の好きなことをやってもらいたい、やりたいことに向かって頑張って欲しい、とそんなことだろうと思う。
 
 ところが自分がそういう願いをかけられた子供だったらどうだろうかと考えてみると、好きな事を好きなようにやっていい、と言われるとかなり困る、ということに気づく。こんなにわがままな人間であるのに、生きる方向性として「自分の好きなこと」が何なのかこの年になってもよくわからない。が、よくよく考えてみると人の「期待に応える」のが好きなのだ、ということに思い至る。
 
 もしかすると多くの人が実は「期待に応える」ことが好きなのではないか?と思ったりする。人間の本能のようなものなのではないか、とも思う。
 
 NHKで「プロフェッショナル」という番組をやっている。三谷幸喜が特集されている回があり、彼の自分を追い込む姿をカメラが追い続けた後、番組の最後でプロフェッショナルとはという問に「期待に応える」人だと答えていたのを見た。人は期待に応えようとするが応えられず苦しむ。その中で本当に期待に応えることが出来る人がプロフェッショナルだと言いたいのだろう。
 
 親や兄弟家族の期待、先生の期待、友達の期待、彼女や彼氏の期待、学生時代にも応えたい期待はずいぶんたくさんあり、そのどれにも100%応えようとすればかなり疲れるだろう。だが本能が「期待に応え」たいと人を駆り立てる。好きな事をしろ、という親の期待は実はかなり重い。子供の好きな事は「期待の応える」ことなのだから、本当は親の期待に応えたいのだ。にもかかわらず親は子に具体的な期待を寄せず、いい親であるために子供の「期待に応える」ことばかり考えている。もちろん、エスカレータ式に進学できる私立の学園に入って欲しいと超具体的な期待を寄せる親もいないわけではない。
 
 社会人になっても同じ。親や家族の期待、同僚の期待、上司の期待、お客様の期待、そのどれにも応えたいと誰もが考える。ところが世の中思ったとおりにはいかない。良い父、良い母、良い夫、良い妻であろうと期待に応えようとするとお客様の期待に応えられない場合が出てきたり、その逆だったり。
 
 人は「期待に応える」ことが好きであるために、あらゆる期待に応えようとして、つらいことになってしまう。心の健康が損なわれたりもする。好きなことをやるのもほどほどにしておく、ということが必要なのだろう。しかし、「期待に応える」のが好きで仕方がない人は、ほどほどであることをよしとしない。とことん「期待に応え」ないと気が済まないのだ。そういう人は、健康のためにも、応える期待を限定すべきだろう。すべての期待に100%応えていたら身がもたない。とはいえ今応えるべき期待を取捨選択できる人はすごい。出家でもして日夜念仏でも唱え続けないとそんな力は付かないかもしれない。(三)
 

monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする