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中間試験(中学校編)

 10月は中間試験の月だ。あと1週間もすれば、多くの中学校で試験が始まる。夏休み明けに課題テストや中間テストはあったが、定期テストとしては3~4ヶ月ぶりになる。内申書のつけ方が、相対評価から絶対評価に変わって、普段の小テストなどによって学習目標の到達度が重視されるようになったため、定期テストの成績評価に占める割合は、以前よりは小さくなったとは言え、やはり中学生にとっては決して侮ることのできない一大行事である。
 しかし、この恒例のイベントも、週休二日制が導入されて以来ずいぶん様変わりしてきた。まず第一に、1学期の中間試験を実施しない中学校が増えてきた。今年、私の市内の中学校の約半数が実施しなかった。それは、考えてみれば無理もない話である。4月の7日に入学式・始業式を行った後、すぐに授業が始まるわけではない。年間の授業計画の説明や、授業に興味を持たせるための導入、いわば予告編のようなもので1週間ぐらいは過ぎてしまう。それでもう4月も半ばだ。その辺りから授業を始めていくのだが、今の公立中学の進度は驚くほど遅い。私立中と比べたら、スロウモーションのようにしか進まない。ならば、生徒がちゃんと理解しているかと言えば、その割合は昔と大差ないというのが私の印象だ。逆に、できる子が待ちくたびれて授業が面白くないという声をよく耳にする。どのレベルを基準にして授業を行うかは大きな問題だが、習熟度別にクラス分けしたほうが、かえって教育の平等を守ることができるように思う。
 そうこうしている内にゴールデンウィークがやって来る。ただでさえ週休2日で授業時間が少ないうえに、この間はまるまる1週間授業がない。したがって、この休みが終わった後、例えば2週間後の5月20日頃に中間試験を設定したとしても、始業式から実質3週間弱くらいしか授業を行っていないことになる。週に4時間ある科目でも11回、3時間の科目など8回くらいしか授業を行っていない計算になる。これでは、問題を作ろうにも、まともな問題ができるわけがない。特に1年生などは、学校に慣れるのが主眼で、授業など大して進んでいない状態だろうから、中間試験が見送られるのは仕方ないかもしれない。しかし、高校受験を控えた3年生にとっては事情が異なる。彼らには、内申点が高校の合否に直結するという意識が深く浸透しているため、定期試験の結果には当然敏感になる。その大事な定期試験が一回減らされて次の期末試験と合体すれば、それだけ範囲が広くなって試験勉強が大変になるという思いと、試験が一回減れば内申点を上げるチャンスが一回減ることになる残念な思いとで、中間試験を望む声が彼らの間では多い。
 第二には、試験の行われる期日が以前と比べるとかなり早くなった。私の古い感覚で言えば、2学期の中間試験は10月の下旬だと思うのが普通だが、10月に入ってすぐに実施した学校もあるし、一番早かった学校などは9月の末に終わってしまった。昔ながらの日程で、20日過ぎに試験が始まる学校もあるので、その差が3週間もあることになる。各学校で、行事など色々な事情があるからだろうが、塾のようにいくつかの学校の生徒が集まってくるところでは、非常にやりにくい。試験が終わった生徒と、まだこれからという生徒では、当然のことながら、勉強に対する意気込みが違うため、一つにまとめて集中して勉強させるのに、神経をとがらせなければならないから大変だ。また、試験直前の日曜日には、定期試験対策として、一日中生徒に塾を開放して、試験勉強をさせているため、およそ1ヶ月近く次から次に行われる試験に対応していかなければならないので、疲れてしまう。
 そうは言っても、生徒一人一人の学力を伸ばし、成績を向上させることが、我が塾のモットーだから、大事で可愛い生徒達のため、不惜身命、骨身を惜しまず頑張ろう。
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