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ボランティア

 愛・地球博(愛知万博)が終わって3週間経った。私の周りでは、何一つ変わったことはないが、市内を見回してみると、明らかに人の数が減った。期間中は、人通りは思ったほど大して増えないものだなと思っていたが、いざ閉幕してみると、やはり相当数の人たちが我が市を訪ねていたことが分かった。ならば、市の募集した「おもてなしボランティア」の人たちは、やはり大いに役立っていたのだろう。駅前などで、お揃いの青いシャツに身を包み、観光案内や万博情報の提供、体の不自由な人のサポートなどを手がけていた。新聞によれば、半年間の期間中に2590人が登録し、延べ8034人が活動に参加したという。実は私の娘も登録し、夏休み期間中に活動に参加すると張り切っていたが、イタリア旅行が決まって、旅行費用を捻出するためにバイトに精を出さねばならなくなって、やむなく断念した。こうした登録だけのメンバーも若干いるかもしれないが、登録者の大多数はボランティア活動に、文字通り汗を流したことだろう。
 私は万博が閉幕した翌日に、このブログ上で、ボランティアの人たちの労をねぎらい、折角ボランティア意識が高まったのだから、彼らに今後とも活動する場が与えられないものかと書いた。ボランティアとは、字義の通り自発的な行動であるから、金銭的にも、精神的にも無償であっても仕方ないのかもしれないが、彼らを募った市が、彼らの行為に感謝と畏敬の念くらいは、せめて表すべきだと思ったからである。 すると、10月12日の中日新聞にうれしい記事が載っていた。以下にそれを抜粋する。
 
 市は、16日午後1時半から、半年間にわたって活動したおもてなしボランティアたちの慰労を兼ねた、「再出発」の会を開く。『ありがとう!おもてなしボランティア そして新たな出発』と題した同日の会には、名誉リーダーの俳優藤岡弘さんが訪れて講演。期間中の活動を収めたビデオも見て、今後の活動を話し合う。(中略)市長は「市民の間にはぐくまれたおもてなしの心は大きな財産。今後のまちづくりに必ずつながる」と話し、再出発するおもてなしボランティアの役割に期待をかけている。

 日頃下らぬことばかりにお金をかけ、本当に市民の暮らしを中心に考えているのかと、市政に不満を募らせていた私だが、このニュースには、わが意を得たとばかりに欣喜雀躍した。愛・地球博を、市民参加型の初めての万博だったと誇るのなら、我が市も市民参加型の市政を目指すべきであろう。そのためには、よりよい市政作りに協力するボランティアの存在は欠かせないものとなる。はたして市がそこまで意図したのかどうかは分からないが、とりあえずはそうした出発点としてのこの会は、きっと有意義なものになるだろう。17日の朝刊に会の模様が報道してあったので、これも抜粋しておく。

 登録メンバー約1000人が参加し、名誉リーダーの藤岡弘さんも駆け付けた。藤岡さんは、客席で参加者たちの体験談を聞いて回りながら約1時間講演し、「私の思いと一致する活動を皆さんが繰り広げてくれて、感動した。これからがスタート。活動で得た自信とつながりを取り組みに生かして、日本の、世界のモデルになって」とエールを送った。
 また、82歳と13歳の最年長、最年少者や家族参加者ら7人の発表もあり、「ありがとうと言われ、うれしかった」などとそれぞれの思い出を語った。

 いい会だったようだ。
 今後は登録者へのアンケートを基に活動方針を作り、組織を再編成する予定らしい。これからの彼らの活動に期待したい。

 
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