毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
カサブランカ
この写真は、2週間前の母の命日に買ってきた一茎のカサブランカをその日に写したものである。その時は、一輪しか咲いていなくて、あとはつぼみが付いていただけだった。カサブランカは私が好きで、母に花を供えるときは必ずカサブランカを入れてもらうのだが、いつもなら2つ3つ花を咲かせるだけでつぼみのまま終わってしまうことも少なくない。それがこの花は違っていた。次から次につぼみが開花して、とうとう全てつぼみが見事に咲いた。買ってから2週間の間に、7、8輪の花をつけたのだから驚きだ。
「こんなことは今までなかった」と妻は驚いているが、母の命日の7日あたりからずっと雨続きで、気温もカサブランカにはちょうどよかったのかもしれない。カサブランカの大輪の花は見るたびにため息が出る。「ゆりの女王」と呼ばれるようだが、香りの優雅さといい、まさしく女王の名にふさわしい花だ。日本原産のサクユリを改良したもので世界最大のゆりなのだそうだ。私もかつて一度だけ、球根を買って育てたことがあるが、うまく行かなかった。咲くには咲いたが、花屋で買うほど立派なものは咲かなかったので、それ以来育てていない。まあ、ちゃんと世話をしなかった私がいけないのだが。
ゆりといえば、神話や聖書にもよく出てくる花で、聖書や賛美歌では白ユリは聖母の花とされる。アダムの妻イブは、蛇にだまされて禁断の果実を食べ、エデンの楽園を追われて流した涙が地に落ちてユリになったと言われている。
これほど由緒正しくはないが、私が生まれたときにもゆりにまつわる話がある。父方の祖母が山でゆりを一抱えほど集めて私の病室にもって来てくれたそうだが、余りにむせ返るような香りが、生まれたばかりの私に毒ではないかと、父が家に持ち帰ったそうだ。祖母の私を思う気持ちと、父母が私を思う気持ちが現れていて忘れられない。それが理由でもないだろうが、私はゆりの香りが好きである。常々、妻には私が死んだら葬式の祭壇は菊ではなく、ゆりで飾ってくれと頼んである。真っ白なゆりに囲まれてこの世での最後の儀式を終える・・なんだか憧れる。
辞世の句も、漱石の
あるほどの菊なげ入れよ棺の中
をもじって、「あるほどの百合なげ入れよ棺の中」と決めてある。
今は一年中ゆりの花があるから、いつ死んでも心配はない。
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