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茶番

 しかし、なんて無駄な時間を過ごしてしまったんだろう・・。
 昨日の昼、TVを点けたら菅首相がいつものようにダラダラ長い演説をしていた。「見たくない」とすぐにチャンネルを変えたが、他の局も同じ民主党の代議士会を生中継していた。「つまらないな」と思いながら、携帯を開いてみたらNHKから速報メールが1通届いていた。

菅首相 退陣の意向を表明 震災・原発対応にメドの段階で

 ええ!辞めるのか、とうとう諦めたか・・。
 そう思いながら改めてTVを見直したが、辞任について明らかなことは何も言わなかった。「本気かなあ?」と疑う気持ちが強くなったが、「まあ、この期に及んで嘘をつくはずもないだろう、でも、これで不信任案は否決されるだろうな」とTVを切って、塾でワープロ打ちをしばらくした。
 それでもどれくらいの票数で否決されるのか、見てみるのもいいかな、と思って、携帯のワンセグで中継を見始めた。すると、自民党の大島副総裁が、不信任案の提案理由説明をしていたが、その舌鋒の鋭いこと、もう菅直人の全存在を否定せんばかりの勢いで、まくし立てていた。
「こんなこと言われるくらいなら総理大臣なんて辞めてやる!!」
と言いたくならならないものだろうか、TVに映し出される菅首相の顔を見ながらそう思った。さすがに目は充血していたが、それでもじっと耐えている様子で、「何でここまで頑張るんだ」と不思議だった。今思えば、いくら論難されたところで、退陣を示唆した以上、民主党内の造反組を押さえることができた、という自信がそうさせたのかもしれない。
「これで今しばらくは続投できる・・」
と内心ほくそ笑んでいたのかもしれない・・。

 その後、何人かが論壇に立って賛成・反対の意見を述べたが、どれもやたら長くて、「さっさと採決してしまえばいいのに」と我慢できなくなってきた。こんな結果の分かった茶番にいつまでも付き合っているほど暇じゃない、といい加減付き合った後で、ワンセグを切って、またワープロ打ちに専念した。
 3時19分になって再びNHKからメールが届いた。

菅内閣不信任決議案 否決

 当然だよな、あの流れじゃ・・。
 だが、この結果は本当によかったのだろうか?大島副総裁の菅首相に対する糾弾は、どれももっともだと頷けるものばかりだった。いくら退陣をほのめかしたとは言え、否決されたことにより当面は政権を掌握するわけで、今まで同様これからも期待が持てない政治が続くのだと思うと、かなり暗澹としてしまう。かと言って、これ以上の政治混乱を一旦は封じ込めた格好になるのだから、それはそれで評価するべきことかもしれない。う~~ん、どっちに転んでもあまり良い展望は開けなかったような気がする・・。

 夜遅くになって、菅首相が「辞めるつもりはない」などと周辺に述べたというニュースが流れて、思わず唖然としてしまった。「延命するためなら、どんな手でも使うのかよ」と呆れかえるばかりだが、ある程度は予想されたことであり、もう「やっぱりな・・」と苦笑するしかない・・。
 「大山鳴動鼠一匹」という言葉があるが、今度の騒動で慌てて飛び出た「ネズミ」はいったい誰だったのだろう・・。


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