★ ドラマ「ホットスポット」が人気だという。富士山麓のビジネスホテルに勤める女性、清美。ある夜、彼女は車にはねられたが無傷に済んだ。ホテルの先輩スタッフ、高橋が救ってくれたようだ。でも、どうやって。高橋は内緒にすることを条件に、清美に自分が宇宙人(正確には宇宙人の父親と地球人の母親とのハーフ)であると告白する。とはいえ、清美は幼なじみにこのことを話してしまう。
★ 大きな事件は起こらないが、じわじわと笑いがこみあげてくる。脚本はバカリズムさん。自然なせりふ回しと演技が良い。
★ さて、富士山ということで、今日は田口ランディさんの「富士山」(文春文庫)から「樹海」を読んだ。
★ 小中一貫校の同級生3人が、卒業旅行として、富士山の樹海に入る。高校はみんな離れ離れになる。この場限りのこととして、それぞれが秘密の話を暴露する。
★ 話の途中で、首をくくろうとして失敗した男を見つける。大量の向精神薬も飲んだようだ。このまま放置すれば死に至る。死を決意した人を救うかどうかで躊躇する3人だったが、結局、樹海の外に運び出そうとする。ところが・・・。
★ 自分が自分であるということはどういうことなのか。この世界っていったい何。深く考えれば心の迷宮に迷い込みそうだ。まるで樹海のように。