1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えただけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2333話目】 人がそう動くには、そう動くだけの理由がある。が、例え何があったとしても、やっちゃいかんもんは、やっちゃいかん。

2021-12-09 17:02:47 | 法話
知人看護師が「親の遺体を引取り拒否する子供や、親の遺骨を生ゴミ回収置場に放置など、先日聞いたは、痴呆の親を遠くの街に連れて行き、身元が判明する物は持たせず『ここで待ってなさい』と言って置き去る子供がいるとか。つまり、現代版姥捨山ですよ。よくもまあ、そんな事を思いつくわ。呆れて物が言えん」と。

【追伸】
そんな酷い事をする子供は、ほんの一部ではあろうが、認知症を含む行方不明の身元不明者情報は、各県で開設をされていると。そこには、保護されている方の特徴が事細かく提示を。子供がその気になれば、見つけられるはず、亡くなってなければ、だが。なのに、迎えに行かん。そんな子供を育てたは、その親といえばそれまでだが、寂しい限りにて。反対に、こんな家庭も。わが檀家爺様の葬式の時、15歳の孫(男の子)が送る言葉で「昨夜の通夜で住職さんが『子供は育てただけしか育ってない』との言葉をもらいました。僕は、爺ちゃんが育ててくれたけど、爺ちゃんの期待通りに、しっかりと育ってますか」と、亡き爺ちゃんに向けて。葬式は残った人間の為にするもの。受けた数々の恩への恩返しの場にて。





【住職の法話。考え方を少し変えただけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2332話目】 学生時代にバイト先で縁あった金融業の方が「1度、人を裏切った人間は、何度でも、裏切りよる。人間は恐ろしい生き物」と。

2021-12-09 11:35:23 | 法話
拙僧大学時代、仕事先で縁あった金融業の方が「山本君。プロの銀行が融資するは、返済可能と判断したからだ。それを滞る。その様なお金にルーズな人間がわしらの所へ、そして、借りとる事すら忘れる。借りる時には『神様、仏様』と。返す時には『鬼』と。『踏み倒されりゃせんか』と心配で眠れんはこっちじゃ」と。

【追伸】
これは30年以上前の話。小さな事業をしていた檀家男性がいた。その方と付き合いのあった極道さんが、好意(無利子)で貸してくれた数百万円を踏み倒した。その極道さんから「住職。〇〇はそっちの檀家だろ。隠さずに引き渡せ。人の道を説くが坊主だよな」と怒りの電話が。危ない、と感じた拙僧、泣きついてきた檀家男性に「遠くへ逃げて、自己破産を申請しなさい」と。2年後、その檀家男性から電話があり「自己破産申請が通りました。これで借金も」と。対し拙僧「はっ、何を言っとるんかい。自己破産させたは、法律で守ってもらう為にたい。借りたお金は返す。当たり前の事じゃろうが。何年掛かってでも、必ず返しなさい」と。その数年後、その極道さんから電話が。「住職。わしを覚えてるか。〇〇じゃ。あいつに言って聞かせてくれたんじゃな。毎月コツコツと、額はまちまちだが返済してきて、もう半分返し終わったわい。恐らく、全額返してくるじゃろ。すまんかったな」と。「〇〇さん。もう、北九州に戻してあげても構わんですか。あの人にも老いた親が」「わしはお金さえ返して貰えたらそれでいい。何もせんよ」と。










【住職の法話。考え方を少し変えただけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 真言宗の理趣教では「縁は全て、まずは受け入れよ。それを乗り越えた先に、本当の悟りが得られる」と、その事が経典の中に。

2021-12-09 08:19:22 | 法話
檀家70代奥様が「住職が時々法話で『縁は全て、出会うは運命。出会ってからは努力。最後は感謝』と。これ、非常に難しいですよね」と、横目で主人を見ながら。「難しいよ。夫婦、親子、友人、就職と。縁という縁は全てこれ。が、全てこう出来るは無理。ただ、出来た数だけ、人生が変わってくるは、確かかな」と。

【追伸】
この奥様に「般若心経というお経は、未だに解明されてはおらんのですよね。まあ、簡単に言えば『ギスギス、クヨクヨ、生きるな。大らかい、大らかにに生きよ』と。心経の中に『眼耳鼻舌身意』という言葉が。これは『見たい物だけ見る目なら、そんな目なんていらない。聞きたい事だけ聞く耳なら、そんな耳なんて必要ない。言いたい事だけ言えば、それで事が済むんかい。したい事だけすれば、それで事が済むんかい。世の中、そんなもんじゃなかぞ』と。これも、全ての縁でそれが出来るは、無理。が、そう出来た数だけ、幸せになってるかな」と。その拙僧の言葉を聞きながら奥様、じっとご主人の顔を。ご主人はその間、下を向いたまま。