1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2342話目】 藁をも掴む思いの人に、本当に藁を掴ませ、溺れさせ、ギリギリで助けて信じさせる信仰も。皆々、気を付けようね。

2021-12-28 13:53:28 | 法話
5年以上も拘る心から抜け出せず、働いているご主人に家事一切をさせ、布団から出ようとしない奥様が「私、前からこんなんでしたか、ご住職」と泣きながら。「いや、拝み屋さんとの縁があってからだよ。先祖が祟っとるとか、便所、風呂の位置(家相)が悪いとか、そんな事をねじ込まれてから、そうなったかな」と。

【追伸】
その奥さんが「私、治るんでしょうか。主治医の精神科医から『もう、あなたには、耳にタコが出来るほど説明した。私にはお手上げ、ギブアップ」と言われたと毎日、泣きながらお寺に電話が。対し、拙僧「治るんでしょうか、じゃない。自分で治すんですよ。果報は寝て待っていても来んよ。5年前までは、お寺に上ってきて、人のお世話をされていた頃は、元気だったろうもん。『有難う。助かるよ』と檀家さん達から笑い顔と感謝を向けられていた頃は」「そうでした」「なら、今度はご主人の為にそれをやってあげたらどうね。仕事から帰ってきて、疲れているのに、貴女の為に料理、掃除と、これが5年以上も。疲労困憊で早死にさせるよ、ご主人を。甘えるのもいい加減にせにゃ。お金の心配もなく、自由に生きて来れたから、ワガママが言えるが当たり前になってるでしょ。何でもがそうだが『当たり前』になったら、感謝がなくなるよ」「主人が『別れたい』と、私に」「そりゃ、そうなるよ。これが死ぬまで続くと思ったら」「じゃ、どうすれば」「ご主人は、本気で別れる気などないよ。30年以上も連れ添ってるんだから。だからといって、このままズルズルは、ご主人があまりにも不憫。ご主人の為に料理くらい、してあげたらどうね。『有難う』と、ご主人から笑顔を向けられるが、あなたにとっては何よりの薬だよ。お寺の世話をしていた頃を思い出してごらん」と。「努力してみます」と。