1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2398話目】 檀家娘さん達が「結婚生活に料理が出来るって、大事ですか」と。「大事だと思うよ。奥さんだけでなく、旦那さんも」と。

2022-07-13 12:59:52 | 法話
檀家の奥様が法要後に「住職は、外食は多いの」と。「月1くらいかな」「何が、好きなの」と。「これって、ないのよね」「外食理由は」「偶には、気分転換も必要かな、と。家内は料理を苦にしない人だから、外食をあまり必要とはしてないが、家内にも少しは楽をしてもらいから、拙僧の方から誘う事が多いかな」と。

【追伸】
法要でお寺の裏方(弁当作り)の手伝いをしてくれる檀家の娘さん達が「住職さん。奥様は料理が上手ですよね。100個程の弁当をあっという間に。的確な判断と指示を」と。「家内が結婚してお寺に入ってきたは、21歳の時でね。それこそ、何も出来なかったんだよ。祖母や女性僧侶、檀家の奥様達いぶし銀に鍛えられて、知らず知らずのうちに力を。まあ、センスはあったみたいだけど。料理に限らず、やらなければ、いつまで経っても、出来ないままだよ。家内はその日の夜に、今日、ミスった事、今日、教えてもらった事を、ノートに書き出していた。『思い出せない、書き出せない、という事は、しっかりと理解していない、という事』と言ってね。経験を積んでいるのに、しっかりと身に付かないという事は、ミスを、教えられた事を、そのままにしているからだと思うよ」と。







【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】仕事が身に付かん、と嘆く若者に「今日、ミスった事、教えられた事、家で書き出してごらん。書けないというは、理解してないという事」と。

2022-07-13 11:05:43 | 法話
日本は長寿企業大国。百年を超える会社が3万社。千年を超える会社が6社も。その中でも世界最古企業が、1400年続く金剛組。創業は飛鳥時代、宮大工集団と。それが現在、日本企業の平均寿命は24年に。数多新規参入との競争が要因の1つではあるが、それだけでは。自分の仕事に対する誇りの欠如も大きいかと。

【追伸】
この話は「会社を持続する為には」と、若い後継者からよく質問される内容にて。「転職すればいいや」の心が「その仕事を熟練させよう」の心にストップを、かな。「伝統を繋ごう」を社員が持ってるから、100年以上も持続を。「伝統など繋ぐ気のど、さらさらない。。飽きたら転職すればいい」から、平均寿命が24年に。
 
 世界最古の企業『金剛組』は、聖徳太子から四天王寺建立を依頼されてより続く企業。四天王寺には、大工の始祖として曲尺(かねじゃく)を持った聖徳太子の像が。1400年の間には何度も倒産の危機が。その最大が90年前、廃仏毀釈、37代当主の自殺(勝ち気な気性、好きな仕事だけ、驕り、が要因)も重なって。これを救ったが、37代当主の妻、金剛よしえさん。四天王寺さんに「正大工を私に任せてほしい」と申し出て、歴代初の38代目の女棟梁に。が、よしえさんは、宮大工の経験も、建築の知識もなし。おまけに職場は男性ばかり。そこで自分が出来る仕事は何か、と、営業と経営に着手。ある時、現場に遅れてきた棟梁を烈火の如く叱咤したと。仕事には口は出さんが、仕事に取り組む姿勢には厳しかったとの事。若い宮大工(独身)の為に食事の用意、風呂の準備と、社員が働き易い組織作りを徹底し、社員の心を鷲掴みに。
 
 四天王寺は過去に、信長公と石山本願寺の戦いで炎上を。大坂冬の陣の戦いで炎上を。江戸後期には落雷で炎上を。その都度、金剛組が伝統と誇りを掛けて、再興を。そして、金剛よしえさんの時代には、室戸台風が関西を襲い、四天王寺は大損害を。倒壊した五重塔を金剛組が会社の命運を掛けて、再興を。が、昭和20年、大阪大空襲でその五重塔が炎上。が、その後、屈辱的出来事が昭和32年に。五重塔の再興が他社の手に。理由は、鉄筋コンクリート工法で再建、と決定。ところが、金剛組、ただでは引き下がらず、時代の波に乗り遅れまいと、その工法を取り入れ、四天王寺金堂や、京都大覚寺多宝塔、那智山青岸渡寺(西国三十三ヶ所第1番)の三重塔などを。が、神社仏閣以外に手を伸ばし、他社との価格競争に負け、またも、2000年頃、倒産の危機に。こうした危機の時、教訓として残っていた32代金剛喜定(1802年、四天王寺金堂設計を手掛けた名棟梁)の遺言が立ち直るきっかけに。
「何事も、他人と争うな。身分に過ぎた事はするな」など。この教訓で「そうか。聖徳太子から頼まれた我々の役目は、四天王寺のメンテナンスだった」と初心の心を。
 「古い物は失くなすと、2度と取り戻す事は出来ない」と、宮大工の職人技を潰してしまうを勿体ないと考えた周囲(他社建設業者)が力添えを。で、本業に徹する事に転換し、回帰。

 時代と共に変化は必要。だが、自分の強み、所謂『本業、本道、技術』を忘れぬ事が大事と。