1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2423話目】 萩本欽一さんが「石の上にも三年、というが、人より頭1つ出たいなら、石の上にも五年だよ」と。所詮、人並みは、人並み。

2022-10-13 12:00:16 | 法話
大学卒業後に就職した会社の対応に「学生時代のバイト先は、和気藹々だったのに」と若者が愚痴を。対し拙僧「当時、君は学生だから、多少の失敗も許してくれてたんじゃないのかい。正社員として、その学生時代のバイト先に入社したら、その頃の対応とは違ってくると思うがな。会社の名前を背負う立場になるからね。そこがプロとアマの違いという事かな」と。拙僧周囲に限っての事だが、印象として、男性よりも女性の方が、根性が座っとる様な気がする。

数年前、転職する度に、3年持たずに転職する30代息子を連れて、母親が相談にお寺へ。この息子に聞くと、就職して1、2年は、平社員だから何となく居心地が良いと。が、3年を過ぎてくると、責任と結果が要求されてくると。そうなると、嫌気が差してきて、会社を辞めると。転職する度に給料が安くなると、文句だけは1人前。そりゃ、転職の度に初任給になるから、給料も安くなるわな。履歴書見れば『根性なし』も一目瞭然。拙僧に相談中、本人はずっと、母親の方を向いたまま、拙僧に話を。ずっと、守られてきたんだろうね、母親から。

20年程前には、どうした事か、1ヶ月間で10人以上の30代男性が、母親に連れられて「仕事が長続きしない。どうしたらいいですか」とお寺へ相談に。本人に「どうして、そうなるの」と尋ねると、必ず横から母親達が口出しを。「お母さん、息子さんに聞いているからね、少し口出しは」と注意して、また、息子さんに尋ねると、また、母親達がすぐ横から口を。これが何回か繰り返して堪り兼ね、拙僧「少しは黙っとらんですか。息子さんがこうなった理由がよくわかる」と母親達に。息子さん達は皆、大卒、中には有名大卒も。『この子は、勉強だけは、出来るんだが』の典型。「その気があるなら、今度は1人でお寺に来なさい」と息子さん達に。その後、その内の2人がお寺に。その2人は今でも、定期的にお寺に来て、拙僧と馬鹿話を。仕事が長続きした状態で。

萩本欽一さんが「辛いなあ、というのは、大きなチャンスを掴む予兆だと思う。そこを逃げずに、踏ん張る事が大事なんだ」と。確かにそうだと思う。人の手を借りなければ、何も出来ない状態(新生児)で生まれてきて、立ち上がる努力をし、歩く努力をし、言葉を話せる努力をし、箸を使える努力をし、と。いつ、どこに、その努力する事を、置き忘れてきたんだろうか。今、努力をしていない人達は。


昨日、生目神社への
御礼報謝の後、鹿児島へ仕事に。
錦江湾を回って、桜島へ。