1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 親は自分の事を棚の上にあげないと、子育てなど出来はしない。が、自分にも未熟だった時代があった事を、忘れない事が大事かな。

2022-10-14 20:00:39 | 法話
昨夕、本堂から大声が。50代の父と15歳息子が大喧嘩を。そこへ拙僧「おうおう、仏の前で喧嘩ば、おっ始めたか」と。すると息子が本堂から外へ。「どうしたんや」と父親に。「反抗期で昨夜、殴り合いの喧嘩を」「ほう、君に向かってきたんか。そりゃ、根性が座っとるな。血は争えんで。喧嘩の原因は、何や」と。

【追伸】
この父親が「喧嘩の原因は、基本は反抗期ですが、息子が『パソコンが欲しい』と。対し『お前には感謝がない』とそれが大喧嘩に。父親に拙僧「反抗期の話なら、君の方が1枚も、2枚も上だったろ。JR 〇〇線の〇〇言うたら、その名を知らんもんがおらん程、有名じゃったろうもん。何か、面白いな。警察まで名が知れ渡っとった君が、子供の反抗期で悩んどるとは」と。そこで外にいる15歳息子に拙僧「本堂に上がってこい」と。「いや、いい」と息子。「上がってこんかい」と再び。すると渋々。「高校はどこ受けるんだ」「〇〇です」「ほう、優秀校じゃないか。勉強は」「23時までやってます」と。すると父親が「こいつ、夜中2時までゲームを」「父さんは、勉強してる俺を見てないだろ」と。「成績はどうなんだ」「キープしてるようです」と父親が。「みんなが来春の入試に向けて猛勉強してるこの時期に、成績をキープ出来てるという事は、やってるって事だろ。それに、寝不足で辛くなるは、自分が辛くなるだけだから、パソコンも自分で考えるよ。ところで、寝不足で学校を休む事はあるんかい」「いや、それはないです」と父親が。「パソコン、そんなに欲しいか」と息子に。「はい。1年も待たされて」「勉強に支障をきたす事はせんか」「はい」「おいちゃんに約束せい。男が1度、口に出した事は破っちゃならんぞ」「はい」「じゃ、外で待ってなさい」と。父親に「なあ、信じてやれ。親が否定から入ったら、子供は辛いぞ。お前さんも母親が信じ続けてくれたから、今があるんじゃろ」「わかりました。今からパソコン、買いに行ってきます」と。帰り際、この息子を側に呼んで「君の父さんは、朝4時に仕事に出かけ、帰ってくるは、夜10時。毎日4時間ほどの睡眠で仕事を。これを15年以上も。体を酷使して家族の為に働いてんだ。おいちゃんに言われなくても知ってるだろ。ちょっとでいいから、父さん(親)が君を心配する心もわかってやれ」と。








【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2425話目】 子供は親の言う通りには動かない。子供は親のする通りに動く。しつけはするもんじゃない。しつけは見せるもの、にて。

2022-10-14 17:07:16 | 法話
信仰とはなんぞや、と偶に聞かれる事が。対し、拙僧「鶯が鳴かずとも、草花や、虫、風、陽気などで、容易に春の訪れは、知る事が出来る。が、そこに鶯が鳴いてくれたなら、春に彩りを添えてもらえる。『人生に信仰は絶対に必要か』と問われたら『絶対に、とは言えない。が、信仰があれば、何かしらの心の支えにはなるかな、受け取り方次第では。信仰とは、鶯の鳴き声の様な存在かな』と答えております。何度でも言いますが、信仰は特別な物じゃない。特別な物にしている者がいるだけ。が、勘違いしたらあかんは、先祖の供養は信仰ではない。命を繋いでくれた方々(先祖達)に、感謝の心を向けるは、当たり前の事にて。

読者中学生が「住職。もう溜まり兼ねて両親に『ペットの犬の大小便の世話は出来ても、老いた親の大小便の世話は出来んのか。産んで育ててもらった恩より、犬の方が上か』と非難すると『それは犬に対する差別だぞ』と親が、呆れた意味不明の返しを。『犬同様に、自分の親も大事にしろ』と言ってるだけなのに。全く話にならん。これで、信仰もどっぷり浸かってんだよ、うちの両親は。信仰って、何なんだよ。何の説得力もないわ」と怒りを爆発。

更に、この中学生が「子供の言う事など『偉そうに』と聞く耳がないので、住職の以前の法話『昨今、時折思う事が。初めて我が子を授かった時、我が子が初めて言葉を発した時、我が子が初めて歩いた時、我が子が初めて反抗してきた時、我が子が挫折する姿を見た時、我が子が結婚した時、我が子に子供が授かった時、親はどんな思いだったんだろ。1つ1つ経験して、少しは親の心が分かった様な気がする』の法話を突き付けてやった」と。「ご両親の当たりは」「何て事ないみたい。要は、僕の両親は、爺ちゃん、婆ちゃんの世話をしたくないんだよ。だけど僕は、親と同じ様な事はしない。親みたいな人間にはなりたくないから。住職の法話の『人は人、自分は自分』は、正しい考え方と思うから」と。

900回以上も葬儀をしてくると、様々な家庭に出会う。子供が何人いても親の世話をするは限られた子供。他は、外野から無責任な事を言いたい放題。実際に世話をしてないから、世話をしてる人に、的外れの綺麗事ばかりを。なのに「遺産だけは均等に分けろ」と。その言動の答えが間違いなく将来、我が子の姿に現れてくる。孤独死というは、独居老人、天涯孤独の人に限ったことではない。大勢の会葬者がいても、その故人の死を偲ぶ人が誰1人もいなかったら、それもまた、孤独死かな。そんな葬式を拙僧、何人も勤めてきた。なんか、寂しいね。

【追伸】
数日前の体調不良の時「法話の投稿は、3日に1度に変更させてください」と申し上げましたが、めまいと耳鳴りの方が芳しくないので、更に期間を空けて、毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日の、月6回の投稿に変更させて頂きたく存じます。もし、他の法話のご希望がありますれば、これまで約10年間、毎日投稿させてもらった3千話がありますので、お手数ですが、ツイッター、Facebook、Instagramの方で、ググって下さいませ。または、法話の本を3冊、出版させて頂いておりますので、そちらの方も。体調が良い時には、突然臨時で投稿させてもらう場合もあります。大変申し訳ございません。
次回の法話の投稿は、1月20日になります。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2424話目】 昔から「馬には乗ってみよ。人には添うてみよ」と。馬は実際に乗ってみないと馬の性質は分からん。人もまた、その如し、と。

2022-10-14 14:43:47 | 法話
読者50代女性が「2千以上ある住職のツイッター法話を読み返していると『30年以上、夫婦の間で会話のなかった奥様が四国巡拝中に、明日、戻ります。不自由をさせてすいません、と旦那さんにメールを。すると翌日、了解、とメールの返信が。帰宅すると、旦那さんの態度に変化が。冷めた夫婦になったは、何が原因だったのかな』なる話が。非常に考えさせれました」と。対し、拙僧「因みに、こんな話が。四書の中の1つ『大学』の中に『修身、斉家、治国、平天下』という言葉が。『天下を平定したいと思うなら、まずはわが国を治めよ。わが国を治めたいと思うなら、まずはわが家庭を円満に。わが家庭を円満にしたいと思うなら、まずはわが身の修養が大事』と。『自分を修める事も出来ない人間が、何で家庭が円満になど。家庭も円満にする事が出来ない人間が、何で国が治められよう。わが国も治める事が出来ない人間が、天下平定など出来ようものか』と。拙僧はこの言葉に12歳の時に出会って、基本的な考え方が変わったかな 」と。

その後、その読者女性から「夫との距離が前とは違って、随分と近くなりました。有難うございました」との連絡が。対し、この女性に拙僧「檀家の夫婦の中にも、様々ありますよ。何かしらの理由で亀裂が生じた夫婦に拙僧『真言宗に、理趣経、という経典があってね。お経の内容を簡単に説明すると、縁という縁は、先ずは全て受け入れよ。その縁を乗り越えて初めて、何故にその縁に出会わなければならなかったのか、に、気付かされる。相手を受け入れる事で、修復の道も開かれる。天に順う者は在し、天に逆らう者は亡ぶ、という言葉も』と。あなたの参考になればいいですが」と、この読者女性にお話を。

最後にこの女性に「こんな話があります。信仰指導者で絶対的立場の祖師がいた。大勢の信者達の前である時、遥か彼方の山を指差し『あの山を神通力で、こちらへ動かす』と言って、念力を。1度目、山は動かず。信者達も『如何に祖師でもそう簡単には』と。が、2度目も山は動かず。すると、信者の中には祖師の力を疑い出す者も。そして、3度目。これまた、山は動かず。とうとう多くの信者が祖師の事を疑い出した。すると祖師が『山がこちらへ動いて来ないのなら、私が山の方へ、歩いて行こう』と。この話、どうですか」「私にはこの心が、欠如していたんですよね。人を動かそうとするから、無理が生じるんですよね。自分が動けばいいだけですもんね」と、この女性が。