昨日は陽射しもあり暖かい日でしたが、今日は一転して雪雲が垂れ込め
気温も上がらず外に出るのが億劫な日でした。暦では寒の入りです。
午前中Tさんと少しのウォーキングを済ませ、家でコーヒーのひとときを持ち
午後は読書となりました。明日ライブラリーへの返却の日なので、一気に読み
終わってない1冊を読みました。
「花紋」 山崎豊子さんの初期作品です。
新潮社文庫
作家山崎豊子氏と言えば「白い巨塔」や「沈まぬ太陽」「大地の子」など
社会派の大作を著していますが、「花紋」は山崎氏の初期(昭和39年)の
作品です。
明治女流歌人・石上露子(本名 杉山タカ)に題材を求め、小説化された
ものです。
莫大な領地と財産を 持つ大地主の跡取り娘であり、美貌とたぐい
まれな才を宿し歌人・御室みやじとして歌壇から高い評価を受けていま
した。
しかし、大地主の総領娘であるがため、国文学者荻原秀玲との宿命
の恋にも叶わぬ想いと意にそぐわぬ結婚生活に苦悩し続けた一生でした。
生涯御寮人(葛城郁子ー御室みやじ)に仕えた老婢(侍女よし)のなぞと
きのような語りで読み応えがありました。