続いてまたまた 森絵都さん。
今回読んだ(妹から借りた)森4作品の中では 私はこれが一番好きでした。
「おめでとうございます! あなたは抽選に当たりました。」
こんな言葉で始まる物語。
宝くじに当たって人生カラフル三昧の話かと思いきや
なんと当てたのは、大きな過ちを犯して死んだ魂が
再び下界に戻ってやり直すチャンス!
つまり天使業界の抽選に当たった・・・!?
って、こんな奇想天外な序章にビックリしながらも
どんどん惹き込まれてあっという間に読めちゃいました。
抽選を当てた「ぼく」は その時ちょうど息を引き取った「小林真」という見知らぬ少年の身体に戻され
真の身体を借りて「ホームステイ」しながら修行を積むことになります。
大半の人が中盤で話の「落ち」に気づくはず。
そのままラストにつながっていきますが
「なぁ~んだ、やっぱりそうだったのか」ってガッカリするんじゃなくて
「ああ、良かった。予想通りで」って私はすごく安堵しました。
『みんなそうだよ。いろんな絵具を持っているんだ。
きれいな色も、汚い色も。
人は自分でも気づかないところで
誰かを救ったり苦しめたりしてるんだ。
この世があまりにカラフルだから
僕らはいつも迷っている。
どれがほんとの色だかわからなくて。
どれが自分の色だかわからなくて。』
大好きな一冊になりました。