宮下奈都 著。
初めての作家さんを読む前は 期待でかなりドキドキします。
これはパパから回ってきました。
パパは本を選ぶ際、「本屋大賞」を参考にしているらしく、
これも2012年にノミネートされた作品です。
読み始めてすぐにはググッとこなかったのですが
ページをめくる度に ゆっくりと惹き込まれていく自分がいました。
予約を取るのが難しい「ハライ」というレストラン。
10月31日の午後6時にその店に集うお客さんたちの
そこに行き着くまでのそれぞれのエピソードが綴られています。
面白いストーリーの作り方だなぁ。
考えてみれば 日頃何気なく入っているレストラン・・・
テーブルに付く人それぞれに物語と経緯があって、その瞬間、偶然にも同じ場所でご飯食べてる。
普段はそんなこと考えたこともなかったけど、
次に行ったら各テーブルのお客さんのこと、じろじろ見ちゃいそう。
どこかの国の言葉で「晴れ」という意味だという「ハライ」
お店の詳しい説明はほとんどない。
だから読み手の頭の中にはハライのイメージが広がります。
そして、それぞれのエピソードも しっかりと完結させる、というよりは
読者の想像を引き出す形になっています。
だから「ハライ」でこの人たちはどんな会話をするんだろう、どんな時間を過ごすんだろう・・って
読み終わった後も余情が漂う感じ。
面白かったです。