今日のシネマ
2021年 アメリカ・フランス・カナダ合作
◆俳優の名前をクリックすると詳細が見れます◆
家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、
家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。
2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。
彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。
幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、
都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、
ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。
家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。
(映画comより)
これは劇場に観に行きたかったのですが
タイミングが合わず もたもたしている間に終わっちゃって
やっと今頃観ることができました
第94回アカデミー賞で、作品賞、助演男優賞、脚色賞の三部門でオスカーを受賞しました
ちょうど今、「Silent」というドラマを見ていて
それにも手話を使った会話シーンが多くあるので
以前よりも関心を持って見ていましたが、
ここに出てくる家族が使う手話は、
あまりに自然で、もう言葉そのものでした
というのは、
実際に聴覚障がいのある俳優たちがルビーの家族を演じているからです
ルビーの父親フランク役を務めた トロイ・コッツァー は、
男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者にもなりました
家族の中で一人だけ聴者のルビーが背負っているものは大きい
でも彼女の中ではそれはずっと当たり前のことだった
それが 合唱クラブで出会った教師によって
自分の夢を考えるようになる・・
自分の人生を生きることは家族を捨てるってことなの?
夢を追うことは我儘?
17歳のルビーは葛藤します
<ここからネタバレを含みます>
両親、お兄ちゃん・・このろう者三人で暮らしてきた中 ルビーが生まれたわけですが、
ルビーには ”障がいが無く、聞こえる” と わかった時、お母さんはそれを、
「嬉しかったのではなく、わかり合えないと思って悲しくなった」 と告白するシーンがあります
びっくり・・というか、ショックなお母さんの発言でしたが、
音が聞こえない、という世界がわからない私には
そのお母さんの想いに寄り添ってあげることができなくて悲しかった・・・
合唱部の発表会
”聞こえない” と いうことが どんなことなのか
否応なしに こちらに投げかけてくるシーンがあります
無音
全くの無音状態
そう、大勢の人がそこにいて、感動している場面なのに
何も聞こえない
ちょっと胸がドキドキしてしまいました
すごい演出だなぁと
それから一番感動したのはルビーのオーディションのシーン
ここでは涙腺が決壊しました
聞こえなくてもそこにいる家族に向かって手話を使って歌うルビー
いつの間にかルビーに頼り切っている両親を見て
ぶっきらぼうだけど、ルビーのことを思っているお兄ちゃんは言います
「家族の犠牲になるな」と・・
そう・・ 子どもの夢を後押しすることって 親の自立にも繋がるんですよね
ルビー役の エミリア・ジョーンズ ・・・歌声がとてもきれいで上手!
思わずサントラ買っちゃいました
お母さんはオスカー女優 マーリー・マトリン
お兄ちゃんは ダニエル・デュラント 他に
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、 エウヘニオ・デルベス など
CODA(コーダ)」とは、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと
そして、音楽用語で楽曲や楽章の終結部を表し、それはまた新たな章の始まり、という意味も持つそうです
とても良い映画ですのでお薦めですが
下ネタ(!?)もけっこう出てくるので親子鑑賞時などはお気をつけください
2022-71