◎哲学の認識論と存在論、存在論と価値論の混同
本書では喝采でもってその事績が彩られている感を覚える、戦後の保守主義のプロミネントフィギュアー、レーガン元アメリカ大統領、チャーチルとサッチャーの両元英国首相は(1章3節, 6章1節)は、しかし、18世紀のバークの夜警国家の時代とは異なる時代の指導者です。すなわち、現下の米英両国とも、常備軍も拡充して、かつ、社会福祉予算の肥大の傾向は止まらず、そし . . . 本文を読む
本書、中川八洋『正統の憲法 バークの哲学』(中央叢書・2001年12月)は、社会思想史上の保守主義の源流を主に英米の憲法思想に焦点を当てて紹介するものです。而して、本書は著者の理解する保守主義の憲法思想とフランス流の憲法思想の対比を通奏低音にして、米英の憲法、フランス憲法、日本の新旧の憲法を俎上に載せていきます。
本書のボリュームは序とあとがきを含めて290頁。また、一般向けということもあり、 . . . 本文を読む