シェイエスを俎上に載せつつ中川さんの論は更に進みます。
「国民がたとえどんな意志をもっても、・・・その意志は常に至上至高の法である」(岩波文庫, p.88)・・・
これでは、「国民の意志」というものが憲法の上位にあり、恣意的に憲法を改廃する権力をもつことになる。また、国民は憲法を遵守する義務を負わないことになる。つまり、憲法は単なるある瞬間瞬間の「国民の意志」と名付けられた、祈りでも呪いで . . . 本文を読む
保守派の中には、中川八洋氏の議論に影響を受けてなのか、「国民主権」、否、「主権」概念を批判・否定する向きがあるようです。蓋し、白黒はっきり言えば、「国民がそれを希望するなら、それがどんな内容であれ、ある一時期の国民の感情や気分が国家の意志とされかねない」国民主権論、そして、その前提としての「国家の政治的な意志を最終的に決めることができる権威や実力」としての主権概念に抗して、例えば、天皇制・家族制 . . . 本文を読む