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政権奪還の順路☆自民党に期待すること/期待すべきではないこと

2011年11月24日 19時28分01秒 | 雑記帳



畢竟、「皇室と自衛隊」という<最後の頼みの綱>があるにせよ、取りあえずは自民党に頼るしかない日本。ありていに言えば、これがこの国の<乏しい時代>の政治の現実、鴨。では、日本と日本国民は具体的にはどうすればよいのでしょうか。

そんな<乏しい時代>の日本を肌で感じられたからでしょうか、
あるブログ友はこう述べておられた。

3次補正予算が通過して、復興の目途が取り敢えず形の上ではついたとして、野党自民党が戦闘モードに切り変えると言う。もっと早くから戦闘モードに切り替えていれば、政権交代で復興が早まったかもしれないのに、マスメディアが主導する世論を恐れて民主党に擦り寄った自民党。いったい政権を奪還したら何をしたいのか国民にはますます分からなくなった。自民党は頭を挿げ替えて立党の精神に立ち返って政権奪回を目指すべきである。  



・浮足立つ民主、立てない自民
 http://blogs.yahoo.co.jp/nipponko2007/38401821.html


実は、この記事のコメント欄の冒頭に、別のブログ友がコメントしておられた。日頃から、好みのアニメキャラは少しずれるものの、政治の状況認識をほぼ共有する方のもの。その方、曰く、

世界不況と周辺情勢を見れば分かる通り、誰が総理でも、どこが与党でも、
団栗の背くらべにしかならない。

それを理解して自民党支持と言っているのかどうかが大問題だ。
物理的に不可能な問題までも軽々に解決可能と妄想し、政権批判を早晩始める輩共が政治への関心を持っていると誤解している現状では、政権交代など無意味だろう。

またぞろ数年でミンスゾンビを復活させるヤラセ劇場など真っ平御免だ。

2011/11/22(火)



私は、このコメントに深く共鳴します。
同意はしないけれど。

要は、現在の、

①グローバル化の進む状況下の、②福祉国家における、③大衆民主主義社会において、「政策的にも思想的にも合格点」(ノルディック複合に喩えれば、ジャンプもスキーもTOP3位以内!)の政党など望むべくもないということ。   


だって、どの政党も、例えば、自民党も右はもちろん、中央から少し左よりの層(しかし、国益と日本の文化伝統に価値を認める層)までの支持がなければ、単独過半数など取れるはずはないのですから。

ならば、政策と思想のどちらかが合格点でどちらかが及第点であれば「御の字」というもの。もちろん、皇室の崇敬・自衛隊の賞賛・日米同盟の堅持・反排外主義と日本の伝統の尊重のバランス・自己責任の原則の堅持と敗者復活可能な社会の維持、等々の「ノックアウトファクター」をクリアした上でのことではありますけれども。

ならば、ぬくぬくさんの主張は「もう戦争が始まっているのに、完全な武器が出来上がるまでは前線に兵器を供給すべきでない」という主張に連なる議論なの、鴨。そう私は思わないでもないです。







畢竟、民主党が駄目なのは「ガバナンス能力の欠如」であり、それが、おそらく次の選挙で敗北するのは、不愉快なことながら、それが「反日」や「左翼」だからではない。他方、自民党が、次の選挙でおそらく辛勝するのは「ガバナンス能力が民主党よりもまし」だからであって、残念ながら、それがより「保守」的だからではないでしょう。と、そう私は考えます。

尚、「民主党政権とは何だったのか」を巡る私の認識に
関しては下記拙稿をご参照ください。

・政治主導の意味と限界
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/667c6ba4a092a16e5f746fec1ad1cdd7

・政党政治が機能するための共通の前提
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2a72d3c23ffe5df01e494d21460d0114

・「事業仕分け」は善で「天下り」と「箱物」は悪か
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/44d9945d8782c40071e473ca1ef0cf81







而して、誰からも評判の悪い谷垣禎一総裁。しかし、知り合いの(谷垣氏を全く支持していない方ばかりですよ!)自民党議員や県連の自民党役員の方に聞けば、ほとんど異口同音に「彼は自民党史上、それなりの役目を果たした総裁だったとの評価を与えられるだろう」と言う。なぜか? 

蓋し、それは、<8・30>直後の逆風と嘲笑の中で、(与謝野氏や舛添氏に円満にお引き取りいただいた等々)なんとか党の統制を取りつつ党勢を持ちこたえたこと。而して、政治に対して、国際経済の変動を予定調和的と看做した上で、かつ、公共投資の乗数効果が利子率よりも高いはずという暗黙の想定上でなされていたケインズ政策的な55年体制からの最終的離脱を迫る日本社会の動向の中で、漢方薬的に、あるいは、なし崩し的に、しかし、そのような新しい局面、新しい政治環境に自民党を慣らしたからではないか。

他方、(自民党とは違い、その政党の圧倒的多数の衆参の国会議員ご本人が、「自分がもう二度と次の選挙では当選することはないだろう」と自覚している。要は、「ならば、一日でも長く国会議員のバッチをつけていたい」と冷静に自己分析しているだろう、そんなさもしい国会議員に担がれた)民主党の首相や政権の幹部が、たとえ、民主党議員も巻き込んだ形での「内閣不信任案」が衆議院で可決されようとも、政界再々編が同時に起きない限り、任期を一年以上残した段階で衆議院の解散など絶対にするはずもないことは子供でもわかること。

よって、私は「衆議院解散に追い込めないでいる自民党の現執行部は仕事をしていない」という自民党批判は<書生論:お子様のないものねだり>であり、寧ろ、贔屓の引き倒しの類のものだ。自己の政権延命だけが政権の目的であった菅直人政権下で、<2011年3月11日午後2時46分>の復興が停滞していたのだから尚更そう言える。と、そう私は考えます。

要は、第三次補正予算が成立する以前に限れば、谷垣自民党の振る舞いは(国民へのその正当性のアピールにはもう数段の工夫が欲しかったとは思うものの)、功の方が罪よりも優っていただろう、とも。



でもね、それはあくまでも、自民党が劣勢にある過渡期の功績。要は、谷垣氏は「そこそこやったが、そこそこしかやれなかった」ということではないか。みんなの党との距離、他方、平沼新党との距離を縮められなかった/その傘下の議員を引き抜けないでいるのはその証左、鴨。

ならば、ある意味、谷垣氏は、現下、「消去法的に最も不向きな総裁」。同様に、ネガティブイメージが払拭できていない、(「麻生総理断固支持!」の私にとっては極めて残念なことではありますが)安倍氏や麻生総理は圏外。町村・額賀の両氏は論外、古賀氏は問題外の外。

確かに、<8・30>マニフェストの見直しの指針さえいまだに出せてない民主党に比べれば、もちろん遙かにましではあるけれど(でもね、「民主党に比べれば」って、民主党よりましは当たり前でしょうが!)、自民党は(しかも、おそらく政権奪還まではという条件付きで党内の不満を抑え)党の経済政策・社会政策をとりまとめました。けれども、それは、むしろ党内向けであり、国民が求める水準、すなわち、小泉改革の断行と地方再生の両立の具体的ビジョンとタイムテーブルの提示にはほど遠い。と、そう私は考えます。

しかし、ファウスト博士の台詞とは裏腹に「時間は止まらない」。要は、自民党の党内調整が終わるのを時代は待ってはくれない。そして、今正に、政権奪還の序章は幕を開けている。自民党の置かれている状況はそんな状況、鴨。要は、アメフトではないけれど、これからはオフェンスの局面。

では、どうする自民党? どうなる日本?
ならば、どうする日本、どうなる自民党?






蓋し、政策の旗幟鮮明化と具体化と、それができる総裁の擁立。その総裁を党員・コア支持者が(小異を捨てて)遍く翼賛すること。(幸か不幸か)クーデターなどはまず起きないだろう日本の場合、このような政党の「必須科目」、否、(昔のフィギュア-スケートよろしき)「規定演技」で自民党はベストを尽くすのみではないでしょうか。

くどいですが、その際、政策と思想のどちらかが合格点でどちらかが及第点であれば「御の字」という認識を、つまり、大山将棋やサッカーイタリア代表のスタイルも我慢する、そのような「戦闘的な大人の諦観」を日本国民は持つべきであろうとも思いますけれどもね。為念。

而して、麻生太郎総理が、<8・30>で、2009年の衆議院選挙で敗北した理由の一つが、「政党の呈をなしていない民主党も凄まじいけれど、その民主党に対して、それどころか、組織の呈をなしていない自民党のどうしようもなさ」という自民党内での組織原則の破綻であったことを想起すれば、その愚は間違っても繰り返してはならないでしょう。

ならば、(イ)場外乱闘的党内抗争ではなく、党則に則り、粛々と総裁選を5月もしくは6月、あるいは、4月もしくは3月(の来年の通常国会の期末または来年度予算の成立直後)に前倒しすること。(ロ)「経済政策・社会政策」と「イデオロギー的イシュー」の双方で、対立軸を明らかにした総裁選の中で、新しい総裁を選び、新執行部を構成して、解散総選挙に臨むべきである。  


蓋し、言葉狩り的な、55年体制下の野党のような<政権攻撃>だけではなく、経済政策・財政政策、社会政策・産業政策、そして、外交政策と東日本大震災の復興政策に関して、具体的な対案を示しつつ、かつ、それら各々を巡る鳩山政権と菅政権の凄まじい無能有害ぶりを批判すること。週刊誌の「ネガティブキャンペーン」頼みではない、そんな愚直な<政権攻撃>こそ肝要ではないでしょうか。

而して、例えば、小池百合子総裁-稲田朋美幹事長(もしくはその逆)-丸川珠代政調会長、小泉進次郎国体委員長の体制で、民主党政権打倒を突き抜け、小泉改革の再始動と地方再生の両正面作戦に臨むべきである。小泉純一郎氏の再登場が無理ならば、これがベストオブベターズである。と、そう私は考えます。

尚、<8・30>の政権交代を契機とした「野党・自民党」に関する私の評価の時系列的な変遷(リバースクロノジカルオーダーですよ。)に関しては下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。


・書評☆稲田朋美「私は日本を守りたい」
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/65361546.html

・桶狭間で勝負できない自民党総裁は速やかに職を辞せ
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/d4750bb5b86d6ddf89b78a7f0cbc8490/?img=7e06f736cd63b7cf1c7d7eb9e3980879

・民主党政権存続こそが「最大不幸社会」-海馬之玄関は自民党現執行部支持に舵をきります
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4e43aff2db9bc840311e5eb224ce011e

・<改訂版>自民党再生の<切り札>はハートのロイヤル・フラッシュ!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/8bd5772b8bc62b1363e0f9ba165a5721







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