2012年1月15日
思えば昔、ある資料記事をアップロードしました。
よろしければご訪問ください。以下、当該記事の解題の引用です。
尚、この資料記事の画像は、旧憲法が(現行憲法の解釈に際しては、少なくとも、資料としてはそれほど参考にはならないとしても)近代の「主権国家=国民国家」としての日本を成立させた記念碑的な作品であることに鑑み、弊ブログでは神功皇后と同一神格であるキムヨナ姫の画像を投入することにしました。
・日本人の英語力がもう少し向上すれば朝日新聞は倒産する、間違いなく (^_^)v
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/5e2b0b025af0738758245db34c1213a9
・海馬之斬鉄剣:朝日新聞の素人憲法論批判
――改憲のための改憲、所謂「改憲の自己目的化」は立憲主義と矛盾するか(余滴)
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/fd238dd718305d091de43c72383b86ce
・浅田真央は「ルール」を理解できなかった愚者か
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/52ebd16456cd3397453fa66f24f5e9d9
旧憲法、「大日本帝国憲法」のテクストを収録します。英文は、憲法起草プロジェクトの中心、伊藤博文の著書『憲法義解』(1889)の英訳本『Commentaries on the constitution of the empire of Japan』(1889)のものです。翻訳者は、これまた、井上毅・金子堅太郎の両氏とともに旧憲法の起草者の一人とされる伊東巳代治。旧憲法の英文は下記サイトに搭載されています。
・Hanover Historical Texts Project
(Scanned by Jonathan Dresner, Harvard University)
http://history.hanover.edu/texts/1889con.html
・Project Gutenberg
http://www.gutenberg.org/catalog/world/readfile?fk_files=1443010
この英文に関しては、上記Project Gutenbergに「The above is the semi-official translation, which appeared in H.Ito, Commentaries on the Constitution of the Empire of Japan, trans. M. Ito, 1889.」と述べられている通り、本書『憲法義解: Commentaries on the constitution of the empire of Japan』は伊藤博文の私著の体裁を取ってはいるものの(当時の日本にとって所謂「不平等条約」の改正が最大級の懸案事項だったこともあり)、明治政府は、この「旧憲法の準公式英文テクスト」を欧米の憲法学・国家論の主要な研究者に寄贈しており、加之、明治政府中枢の意向を受けた、ハーバード大学の卒業生でもある金子堅太郎はこの「準公式英文テクスト」を携えて欧米に赴き近代化する日本の姿をアピールして廻った由。
すなわち、この英文も、
б(≧◇≦)ノ ・・・「坂の上の雲」してるじゃん!
б(≧◇≦)ノ ・・・大日本帝国憲法の制定は憲法の日本海海戦だぁー!
б(≧◇≦)ノ ・・・大日本帝国憲法の制定は国家論の奉天決戦だぁー!
と、そう私は考えます。
而して、現行の「日本国憲法」に対しては、その制定に至る経緯からか、些か皮肉も込めて、日本国憲法はGHQの草案を元に、というか、その和訳としてできたのだから「日本語テクストではなく英文テクストの方が、寧ろ、正本である」という声を聞くことがあります。実際、私は現行憲法の解釈に関しては日本語本文は不要とか邪魔とまでは言いませんが、基本的には英文テクストを元に議論した方が生産的、鴨。と、思わないではありません。それが、憲法を作ってくださったマッカーサー元帥に対する礼儀だろう、とも。
けれども、この「大日本帝国憲法」の英文テクストを紐解くとき、1889年、明治22年の段階で、結果から言えば、そう、日清戦争を5年後、日露戦争を15年後に控えていたこの時代の日本で、和文にせよ英文にせよこのテクストを理解できた人士が国民の何%程いたかを想起するとき、換言すれば、この憲法典が取りあえずどんなタイプの読者を念頭に置いて書かれたかに思いを馳せるとき、「日本語テクストではなく英文テクストの方が、寧ろ、正本である」という事情は、現行憲法だけではなく旧憲法についても同様だったの、鴨。
と、そう感じないではありません。間違いなく、1889年時点で起草者が想定していた読者の過半は欧米の研究者や外交官、すなわち、欧米列強の指導者とそのブレーンだったと私は考えますから。
以下、「大日本帝国憲法」の英文テクストの紹介。但し、読者の便宜とこのエントリー記事の利用方法の幅を広げるため、日英対訳形式で(かつ、資料としての価値を保つために和文は旧字旧仮名遣いの原典のままで)紹介させていただくことにしました。而して、その代わりに、本最終記事④の末尾に、付録として「告文・憲法発布勅語・上諭」の現代語訳を収めさせていただきました。ご了承ください。
と、記事(↓)へどうぞ~♪
・資料:英文対訳「大日本帝国憲法」①(告文・発布勅語・上諭)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/7b7946ec12aed29b5a6fed7258d5e89e
・資料:英文対訳「大日本帝国憲法」②(天皇・臣民の権利義務)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/81cd53ec30e3e9fa454e18326c32aec5
・資料:英文対訳「大日本帝国憲法」③(議会・執行および諮問の機関・司法の機関)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/f637d9dbcd8a5d135ee8eadc6421f419
・資料:英文対訳「大日本帝国憲法」④(予算と会計・改正・皇室典範・旧法の効力に関する経過規定)
+付録:現代語訳「大日本帝国憲法-告文・憲法発布勅語・上諭」
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4c63ca32fd799cf93f7db27a1da08d75
神功皇后