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あんびるやすこ「いじわる魔女とルビーの秘密」に教わった<本物と偽物>と大切なものの違い

2023年05月31日 20時59分29秒 | 書評のコーナー

商品価値【=交換価値】の商品体から貨幣への飛躍は、商品の「命がけの飛躍」である

「商品は貨幣を愛する。が、「誠の恋が平かに進んだ例がない」ことをわれわれは知っている・・・

金と銀は生まれながらにしての貨幣ではないが、貨幣は生まれながらにして金と銀である

(『資本論』第1巻1篇1章, 岩波文庫 pp.188-191;『資本論』第1巻1篇2章・岩波文庫, p.160)

読まずにすませたい保守派のための<マルクス>要点便覧-あるいは、マルクスの可能性の残余(参)
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/384e93ad2849b24469aef6e3429fc690

 

 

KABUおきにいりの愛読書シリーズ(↖️かぶってます?)

あんびるやすこ先生の最新作⤵️ 大満足の出来栄え♥️

今回も楽しく読ませていただきました♥️

 

ムーンヒルズ魔法宝石店6 いじわる魔女とルビーの秘密
作・絵:あんびる やすこ 

http://www.ambiru-yasuko.com/

 

あんびるやすこファンの皆さんには余計なお世話しますと👕💦

本シリーズのヒロインはジュエリー魔女修行中のパール。

パールはニンゲンでいったら、まだ中学生にもなっていないような姿に

見えました。でも、魔女の世界では、もうじゅうぶん一人ではたらいて、

世の中の役に立てるねんれいです」(「魔女パールと幸運の8つの宝石」p.5)

毎日、宝石が大好きで宝石鑑定が得意な親友魔女マイカや、わけありの、

でも、伝説的ジュエリー魔女セレニティスお師匠の下で元気に修行中。

 

ところで、奥様は魔女だったのです❗️ じゃなかった、

パールは「宝石の声が聞こえる」宝石とお話ができるという、魔女の世界でも

百年に一人しか生まれないと言われる、ーーちなみに、パールのわけあり師匠魔女も

そうだったのですけれどーー特別な能力を持っている魔女

>ジュエルリスナー

*jewellry:(集合的に)宝石類↖️不可算名詞

*jewel:(個々の)宝石↖️可算名詞

 

本書「いじわる魔女とルビーの秘密」の内容はご興味があれば各自ご自分で確認していただきたい。それが、本来あるべき「書評記事」の一つのスタイルだと思います。こっちもその方が楽だし でも、本記事の要点が伝わりやすいようにさわりだけ書いときます。

マイカとそのおばあちゃん宝石魔女がパールのつとめるムーンヒルズ魔法宝石店にきている。今からパールと三人で「宝石のまちベルコート」に遊びに行くのです。ベルコートでは年に一度の宝石フェスティバルの最中。だからマイカとパールのお勉強もかねてのホリディ in ベルコート(holiday ≒ vacation)😌🌸💕

ベルコートについて早々に一行はマイカの憧れの魔女リビアと、ベルコート魔法宝石協会理事長にして当代ナンバーワンの宝石鑑定魔女リビアと遭遇します。そして、なんと❗️ リビアはマイカのおばあちゃんグラニットと知り合いだったことが判明。実は、ちびっ子魔女のころから今のパールやマイカの歳になるくらいまでリビアはグラニットが主催していた夏の三日間「魔法宝石教室」に毎年通っていたのです。

而して、フェスティバルの呼び物(a feature)「宝石鑑定会」の最終日に「王妃のルビーネックレス」を鑑定するとリビアが言う。

「セレニティスが【王妃のこのネックレスを修理したときに】ネックレスのルビーをにせものと入れ替えたといわれているの。わたしは、セレニティスの五百年まえの悪事を、鑑定で見ぬいてやるつもりなのだけれど・・・」(いじわる魔女とルビーの秘密, pp. 24 - 25)とも。・・・・・

 

 

パールへ

ほんものを見分ける力だって? 生意気をおいいでないよ。パール。そもそも、「ほんもの以上のほんものがある」ってことを、おまえはわかっているのかねえ。鑑定会でほんものかどうかを人に聞くなんて、おろかもののすることさ。

セレニティスさまより

(ibid,  pp. 66 - 67)

 

>ほんものとにせもの

本書「いじわる魔女とルビーの秘密」はこの違いについて清々しいほど理詰めでストーリーは進んでいきます。そして、「大切なもの」とほんものとにせものとの関係に読者は自然と誘われる。正に、ほんもののあんびるワールド。いつもながら宝石のような(like a jewel)作品でした。

 

 

畢竟、ほんものとにせもの。これは「ほんものの標準」がきまっていればーー実際には、様々な障害が立ちはだかるケースもあるのでしょうがーー理屈の上からは見分けるのは可能ですよね?

Libya distinguished efficiently a genuine Louis Vuitton from a fake, beautifully.

(リビアはほんもののルイヴィトンとにせものを手際よく見分けていたものだ、見事なものだった❗️)

 

ただ、「ほんもの vs にせもの」も事情が変わるとそう簡単ではないの、鴨。

Pearl went with a group of people, few of whom were correctly equipped for such a climb.

(連れだって山登りに出かけた中で用途に合うきちんとした装備を着ている人は希だった)

 

Which page should I turn to in the manual, sir?

Wait, that's the wrong manual.

(なんページをあければいいんですか?)

(あちゃ、まってください。別のマニュアルが配布されたようですから)

 

I hear you're going to the HKT48 Theatre this weekend. Is that true

(今週末、HKT48劇場に行くって聞きましたけど、本当ですか?)

 

要は、宝石という石はーー個人的にせよ世間的にせよ社会的にせよ

ーーある物語の中に置かれてはじめて価値ある<宝石>になる。

ならば、ほんものとにせものの区別は判定されるそれが置かれている

具体的な状況、大きく言えば歴史的な場面によって決まる類いの

事柄かもしれませんね。そんなことも、本書でセレニティスさま

に教わった気がします🍎

 

貨幣価値:「あしながおじさん」に出てくる$35は今の**万円なのかしらね🐙

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/76196a7e22147ac8b22bf51986dfdf8e

福岡県大牟田市:松屋デパート「洋風かつ丼」復活が孕む思想的意味

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9ffb70a94181ada4d3527ae2bc548d25

 

本書お薦めさせていただきます。

 

 

 

🍎おまけの宣伝🍎
「魔女」好きとしては、あんびるやすこさんの『なんでも魔女商会』シリーズもお薦めです。

尚、『なんでも魔女商会』は「人間以外なら、だれでも知っている由緒ただしい【timehonored】魔女の店」のお話。これ、設定がユニークなのにリアル(!)。また、18巻目までは、目次の次にある見開きの<絵>がストーリーの内容を貫いていて素晴らしい(特に、9・13・14・15巻のそれは見事!)。

而して、どうでしょうか? わが家的には本シリーズは、あの Ursula M. Williamsの世界的な名作『魔女のこねこ ゴブリーノ』(Gobbolino the Witch's Cat, 1942)をゆったりまったり凌駕するかもしれない秀作、鴨と思っています。

・ちいさなしっぽ協会(絵本作家・児童書作家-あんびるやすこさんのオフィシャルサイト)
 http://www.ambiru-yasuko.com/?page_id=135

 

最後に脱線しますが、わが家の場合、

英語の絵本は趣味と実益を兼ねてはずせません。

例えば、こんな(↘)

・海馬之玄関推奨図書:だいすきなパパへ
 
・英語の絵本--マイブーム紹介--
 
・作品紹介:めいちゃんの500円玉(なかがわちひろ)
 
 
 

⬛️冒頭テキスト補足

生産者が自信をもって市場に出した商品も売れ残る可能性が常にあるということ。この経緯をマルクスは「商品価値【交換価値】の商品体から金体【貨幣】への飛躍は、商品の「命がけの飛躍」である」「商品は貨幣を愛する。が、「誠の恋が平かに進んだ例がない」ことをわれわれは知っている」(『資本論』第1巻1篇1章, 岩波文庫 pp.188-191;cf. 『経済学批判』第2章, 岩波文庫, p.110)とシェークスピアの名句を借りて記しています。

価値論の要諦は、ある商品の交換価値は他の商品の使用価値でしか示され得ないということ。そして、あらゆる商品の交換価値を表示することをその効用(=使用価値)とする商品が貨幣に他ならず、「歴史的-論理的」に貨幣になりうる商品は金銀の貴金属に漸次収斂した。よって、「金と銀は生まれながらにしての貨幣ではないが、貨幣は生まれながらにして金と銀である」、と(『資本論』第1巻1篇2章・岩波文庫, p.160;『経済学批判』・岩波文庫, p.204)。而して、この金銀に対するマルクスの認識も間違いであったことは「不兌換制度-変動相場制」が支配的な現在明らかだと思います。

読まずにすませたい保守派のための<マルクス>要点便覧-あるいは、マルクスの可能性の残余(参)
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/384e93ad2849b24469aef6e3429fc690

 



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