Japan defends annual dolphin hunt
(the guardian, 20 January 2014)
Stung by rare criticism from the US ambassador, the Japanese government has defended a controversial annual dolphin hunt as international criticism of the practice gathered pace.
A government spokesman said on Monday that dolphin fishing in western Japan, which has come under the spotlight in the wake of an Oscar-winning documentary, was carried out appropriately in accordance with the law.
"Dolphin fishing is a form of traditional fishing in our country," said chief cabinet secretary, Yoshihide Suga, responding to a news conference question about criticism from Caroline Kennedy, the US ambassador to Japan.・・・
例年通り実施されるイルカ漁を日本政府擁護
アメリカの大使からの前代未聞の批判を受けて、毎年強まる国際的な批判の対象たる毎年恒例のイルカ漁を日本政府が擁護した。
月曜日【2014年1月20日】、日本政府の広報責任者が、日本の西部で行われているイルカ漁は法に則り適切に実施されているものだと述べたのだ。このイルカ漁はあるドキュメンタリー作品がアカデミー賞を受賞したことによって一躍有名になったのだけれども。
菅義偉官房長官は、アメリカのキャロライン・ケネディ駐日大使からの批判に対して「イルカ漁は日本の伝統的な漁法の一つなのです」と記者会見で語った。・・・
The hunt in the fishing village of Taiji in western Japan has come under international criticism and was the subject of the Academy award-winning 2009 film The Cove.
The fishermen in Taiji say the hunt is part of their village tradition and call foreign critics who eat other kinds of meat hypocritical.
日本西部の漁村、太地町で行われているイルカ漁は2009年にアカデミー賞を獲得した「The Cove」の主題となり、今では国際的な批判を浴びている。
太地町の漁師は、しかし、イルカ漁は太地町の伝統の一つであり、イルカ以外の肉を食べている外国人からの批判を偽善的だと考えている。
Yoko Ono, the Japanese artist and peace activist, has added her voice to calls for an end to the practice, publishing an open letter to the people of Taiji on Monday in which she urged them to halt the cull for the "future of Japan."
"I understand how you must feel about the one-sidedness of the West to be angry at your traditional capture and slaughter of dolphins," she wrote.
Ono called on the locals in the area to "think of this situation from the point-of-view of the big picture" and claimed that the hunt was damaging the reputation of Japan and "will give an excuse for big countries and their children in China, India and Russia to speak ill of Japan."
She called on the people of Taiji to consider the future of Japan: "I am sure that it is not easy, but please consider the safety of the future of Japan, surrounded by many powerful countries which are always looking for the chance to weaken the power of our country. The future of Japan and its safety depends on many situations, but what you do with dolphins now can create a very bad relationship with the whole world."・・・
歌手であり平和活動家でもある日本人のオノ・ヨーコ氏は太地町の人々に向けて月曜日に発信した公開書簡の中でイルカ漁の中止を呼びかけている。「日本の将来」のためにイルカのは止めるべきだ、そう太地町の人々に彼女は強く訴えたのだ。
「伝統的なイルカ漁とイルカのについて一方的に怒っている西欧の不公平さについて、あなた方が感じていないはずはないこと、すなわち、どう感じておられるかということを私は理解しています」、とも。
而して、この地域の人々に対して、「太地のイルカ漁を取り巻く現下の状況をより広い視点から考えて欲しい」と訴え、更に、オノ氏はイルカ漁によって日本の評価が下がり続けていると主張した上で、イルカ漁は「支那、インド、そして、ロシアといった大国とその国の子供達に日本の悪口を言う口実を与えることになるのです」と述べている。
オノ氏は太地町の人々に対して日本の将来のことを考えて欲しいと求め、加之、「それが簡単なことではないことは承知しているけれども、日本の将来の安全のことを熟慮して欲しい。隙あらば常に日本の力を弱体化させようと虎視眈々と狙っている日本の周辺国はけして少なくはないのだから。確かに、日本の将来と安全を決定する要素は多岐にわたるものではありましょう。しかし、あなた方が現在イルカを巡って行っていることは、日本と世界との関係を悪化させるに十分なものなのです」、とも述べている。・・・
(Guardian記事紹介終了)
★雑感:
文化帝国主義からの批判に迎合して自国の<文化>を譲ることは、けっして、日本の評価を上げることにはならない。と、そう私は考えます。蓋し、そのようにして得た「将来や安全」などは、また、いつかかならず他の理不尽な--かつ、実定国際法と確立した国際政治の慣習と益々齟齬をきたす--批判や要求によって危うくなるだろうから。
畢竟、外交を含む異文化コミュニケーションは可能であるが、そのためには、忍耐と覚悟とスキルが肝要である。今まで1000人近い欧米の同僚と一緒に働いてきた私の経験からはそう断言できる。而して、その成功した異文化コミュニケーションも結局の所、「どこまでがわかり合えるのか/どこからは相互理解不可能なのか」の境界の輪郭が明確になるだけであろうということも。
例えば、韓国ではお椀を手に持って食事をする日本人の所作は「乞食喰い」と呼ばれ粗野で下品な振る舞いと感じられ、日本ではお椀を手に持たずに食事をする韓国人の所作は「犬喰い」と見て下品で粗野な振る舞いと感じられる。この評価の基準はこれ文化と伝統に根ざした感性であり、お互いの評価基準の違いは、あるいは、忍耐と覚悟とスキルによって理解はできるけれど、日韓が韓日の評価基準を取り入れることはおそらく極めて困難なことでしょう。まして国益のかかった外交交渉においてはこの経緯はなおさら、鴨。
ことほど左様に、ならば、冒頭にも書きましたが、グローバル化の昂進著しい現在の、国際関係においては互いに--異なる文化や価値観に起因する--ある程度の不愉快さを我慢するのが<礼儀>であり、間違っても、文化の差違を外交イシューと絡めるべきではない。そのような文化の差を内蔵した外交イシューにおいては日本は一歩も譲るべきではない。と、そう私は考えます。ケネディ大使、さようなら。
(ノ-_-)ノ ~┻━┻・..。