今から6年前の平成29年(2017)に丸山雍成先生が大阪ガスの研究機関誌へ寄稿され、現在はインターネット上にPDFがアップロードされている標記の論説を、初めて読みました。
近世の公用交通路と情報の伝達/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】
江戸時代、全国的に整備された公用の交通路とそれをめぐる情報ネットワークとの関係史につき、一般の人びとにもわかりやすいよう解説されています。商品流通をめぐるネットワークとの関連性にまで言及されています。
タイトルを見て思い出されるのは今から9年前の平成26年(2014)、私が清文堂出版(大阪市)から単著『近世の公用交通路をめぐる情報―瀬戸内海を中心に―』を出版するときのできごとです。推薦文の執筆を丸山先生に直接お願いしたのですが、そのとき「執筆は引き受けますけど、書名にある『公用交通路』とは何ですか?」と、訝しい感じで指摘を受けました。これに対し私は「実は当初『近世の公用通行をめぐる…』にするつもりだったんですけど、そのタイトルだと本が売れないようでして…」と、ただただ恐縮しておりました。
しかしながら、出版から3年後、丸山先生は私に気を遣ってくださったようで、ご自身の発表論文でも「公用交通路」という表現を用いられました。正直、今までまったく存じあげませんでした。