うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

この温もりは、あなたのためだけに

2024年12月23日 19時59分39秒 | ノベルズ
――『今夜、会いに行きます』―――

カガリは用意された貴賓室のベッドの上に置いてあった、一枚のカードを手にすると、訝し気にそれを眺める。

C.E.75年12月―――
未だファウンデーションとの戦いの傷跡が疼く世界情勢を鑑み、各国代表がここ、スカンジナビア王国に集い、今後に向けてのサミットが開催されていた。
初日は各国代表同士が対談を行い、翌日はいよいよサミット本番。
歴戦の政治家たちの中にあって、ただ一人、若干20歳にしてオーブ首長国代表のカガリ・ユラ・アスハは、現時点での発言権を一番に有していた。
何しろ、あのアコードたちが向けたレクイエムの砲口。それをオーブは幾度となく防ぎきり、それすなわち、他国に一切その砲口を向けさせなかったのだ。
ユーラシアはともかく、かつて一度、あの攻撃を受けた経験のあるプラントの議長・ラメントも、世界の盾となってくれたオーブ、カガリに対し、異論をはさむことすら憚れた。
確かに度重なる紛争とファウンデーションショックにより世界が弱体したことで、カガリの発言力が増してきたと言えなくもない。しかし、今回の戦いで、彼女のとった采配は全て、あのアコードたちのお株を奪う、的確な判断だったと認めざるを得ない。
しかしながら、カガリが取る路線はあくまで「協調と対話」。それがコーディネーターであろうと、ナチュラルであろうと変わりない。
世界を守った地の女神。改めて彼女は長引く紛争への対策としての『コンパス』の必要性。そして未だディステニープランを信望する国への対応など、議題を消化する策を講じた。

「はぁ~~~、疲れた・・・」
夕食を兼ねた会談を終えて、ようやくカガリは解放された。
用意された部屋に戻り、このままベッドに倒れ込もう―――としたところで、この不可思議なカードを目にしたのだ。
「一体誰だ?レセプションも会談も、一通りこなしたし…」

大体、こんな秘密裏な誘い方をする代表など、府警の輩としか思えない。
考えられるのは、今回のサミットと全く関係ない方向性。つまりは「個人的な話がしたい」ということだろう。
「となると、狙いはアレか・・・」
カガリは眉を顰める。
一番の目的は、キラの作ったMSのOSだろう。なにせ弟の組み上げたプログラム一つで、マスドライバーを丸ごと一つ建設できたくらいだ。
あるいは、幾つも張り巡らせた包囲網を突破し、キラとラクスの所在を知ったことで、その情報を人質に取引を狙っているのか。
「・・・うん、あり得る。」
カガリは部屋の装飾品の一部となっている、豪華な作り時計を見れば、長針が午後8時を回ったところだった。
カガリがこの貴賓室にいない間を縫ってカードを置き、更に『今夜』と指定がある以上、カガリの動きは相手も予測できている、ということに他ならない。
(さぁ、いつでも来い!)
カードをサイドボードに放り投げ、ベッドに腰掛けつつ腕を組みながら、カガリはひたすら敵(?)を迎え撃とうと、臨戦態勢でドアを睨みつけていた。その時だった。
<コンコン!>
「ひっ!」
カガリが一瞬、ビクンと身を震わせた。
音がしたのがドアとは正反対の、テラスに面した窓の方だったのだ。
「まさか、不意を突いてくるとはな!」
急いでベッドから飛び降り、そのままサイドボードの一番上の引き出しに隠してあったトカレフを取り出し、セフティーを外す。
身を隠しながら、ソロソロとテラスの方を窺えば
<コンコン!>
再度ノック音。
「・・・」
銃を構えながら、カガリは目を細めて窓の外の気配に集中する。
襲撃にしてはおかしい。わざわざ手紙やノックまでする、そんな懇切丁寧な凶行犯がいたら、むしろお目にかかりたいくらいだ。
それに、この迎賓館には高度なセキュリティーが幾重にも張られているという。それを突破できる人間は、カガリの記憶では3人しか知らない。
一人はキラ。同じくハッキングのプロフェッショナルであるメイリン。そしてもう一人は・・・


―――続きはこちらから。


***


インフルエンザ以降、家族の看護と介護が続いてしまい(現在も)、なかなか作品を書く時間もない中、それでもクリスマスっぽい作品を一つ書き下ろしてみました。
去年はR指定のイチャイチャ(笑)をさせましたが、果たして今年は―――?

キララクはきっとイチャイチャしてますね!まぁヤマトさんご夫婦も同居ですから、なかなかに気を使いそうですけれど(でも「貴方たち、ご飯よ」とカリダさんに声を掛けられるまで堂々とイチャこいてましたから、大丈夫かw)
この二人は物凄く進展しましたけど、一方のアスカガは正直現状、前年と変わりないと思います。
二人とも互いの時間を合わせてって、きっと偶然が無い限り難しい気がするんですよね。そして、周りがそのように気遣っても、ストイックすぎる二人なので、多分断ると思う^^; 普通だったら会えない恋人に対して不安を抱くことも多いと思いますが、アスカガには不思議とそれはない。
アスランはカガリの動きは十分見えている(笑)と思うので、多分心配はしていない。で、カガリの方はといえば、こっちも心配していない。隠密のアスランですから、彼が今何をしているのかは判らないけれど、彼の性格まで知り尽くしているカガリにとっては不安要素は持たなそう。勿論、子飼いのメイリン(笑)が逐一彼の「しでかしたこと」レポートを送っているので、そのせいもあると思います。
何より劇場版で、あれだけの絆を見せつけてくれましたから!今思い出しても凄いですよ・・・だって本編中、二人が会話したシーンは一つもないんですよ!(※エピカ特別編第2弾と、特典小説と、アスターストーリーと、SEEDグランプリ2024を除く)なのに、あのズゴック&インジャとルージュのリモート操作という、たった一つの、しかも数秒の出来事だけで、二人の揺るぎない絆を見せつけられたんですから。後、ハウメア&指輪を見せ合うことも。運命の終わり方が終わり方だっただけに、カガリ様の女傑ルート✨一直線かと思いきや、ちゃんと互いの想いは温め合っていたんですね♥(*´艸`*)
「カガリは今、泣いているんだ!」で、アスランがデバフかかりまくるほどどえらいショックを受けたことが、改めて劇場版で分かりましたが、そのダメージを受けた分、二人が乗り越えた先は揺るぎないものだったと、殊の外安堵いたしました。
なのでこのクリスマスも、二人が結ばれたらいいんですけど、互いを尊重する二人ですから、ギリギリのラインで耐えるかな。耐えてこそのアスラン・ザラなんですがw
マトリョーシカの様に、カガリを全部抱きしめて、温めてやってください♥破廉恥じゃない方向で。

そんな明後日には待ちに待った劇場版のBlu-rayが届く予定。勿論ヨドバシで購入したのでアスカガセットが届くはず。
さてしも、先ずはCDドラマから聞きますか!(≧▽≦)ノシ 是非「ミニスカート、ヒラリ♥」で、アスランが赤面する破廉恥シーンを耳からの売りに焼き付けたいと思います!


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