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KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

年末恒例!日本マラソン大賞2007第2部

2007年12月29日 | 日本マラソン大賞
各賞の発表を続けよう。

ブライテスト・ホープ賞
瀬戸智弘(カネボウ) ベルリン9位
高見澤 勝(日清食品) 北海道2位
新谷仁美(豊田自動織機) 東京優勝
大平美樹(三井住友海上) 名古屋4位

この賞は、マラソン経験3回以内の若手から飛躍が期待できるランナーに与える賞のつもりだったのだが、瀬戸以外は全て今年初マラソンを走ったランナーばかり。藤田敦史や油谷繁、諏訪利成に大崎悟史ら「'76年組」の瀬戸を選ぶことに迷いもあったが、3度目のマラソンでやっとそれなりの結果を出した彼の「次のマラソン」に注目している。諏訪や大崎らとの五輪代表に参戦して欲しいが、東京マラソンに初マラソンで初優勝したものの北京のマラソン代表選考レースは回避を表明した新谷のように、再来年の世界選手権の方が本領を発揮できるだろうか?高見澤の名前は高校駅伝ファンにはおなじみだろう。あの、中距離の「スーパー高校生」とは佐久長聖高の同学年で、3年の時は「花の1区」を走ったランナーだ。山梨学院大時代に、箱根駅伝でタスキを受け取ったこともある、一学年後輩のオンベチェ・モカンバとの2位争いは見応えがあったが、高見澤を4位になった川頭健一郎と混同していたアナウンサーの大失態が惜しまれた(例のボクシングの世界戦の中継アナよりもひどいと僕は思う。)

吉田町(現・宇和島市)のみかん農家の五人姉妹の次女で増田明美さんに「和製ラドクリフ」と命名された大平の初マラソンは、まずまずの出来だったが、この日、僕は地元の駅伝に出場し、閉会式会場のロビーでレースを見ていた。「土佐礼子の松山商業の後輩」の力走にロビーのテレビの周囲は大いに賑わった。今は取り壊されてしまった、堀の内の陸上競技場で土佐が大平たちと練習している姿を見ていた人たちはさぞや感慨深かったことだろう。土佐ともども北京に行って欲しいが、なかなか厳しそうだ。

ベスト・サポート賞
立石慎士(安川電機)
木村泰人(ラフィネRC)

ペースメイカーの存在がマラソン・ファン以外にも広く知られるようになったのは、'01年のベルリンあたりからだと思うが、日本人のマラソン観には相容れぬものなのか、「不要論」が根強い。彼らの「仕事」を評価する声があまり聞かれない。僕自身、ペースメイカーというものを積極的に肯定も否定もしない。ただ、彼らの存在は、その大会の主催者の意志そのものであるべきだと思う。主催者がどのような大会を目指しているのかで、彼らの役割は決まってくる。今年の福岡では初めて、日本人のペースメイカーとして、立石が起用されたが、彼の役割は、30kmを1時間30分で引っ張る外国人ペースメイカーの入りを安定させることだった。彼は見事に役割を果たし、これがサムエル・ワンジルのコースレコード更新につながった。ちなみに、立石は今年の延岡西日本マラソンの優勝者である。次は自らのためのレースで見事な走りを見せる番だ。
英国のロック・バンド、10ccに「2度目の最後の晩さん」という曲があるが、今年2月の東京マラソンは、さしずめ有森裕子さんの「2度目のラストラン」と言ったところだった(笑)。テレビ中継も有森さんの走りを追いかけていたが彼女のガード・ランナーを務めていたのが、木村泰人さん。途中で転倒というアクシデントもあったというが、当初の予想を上回るタイムでゴールして、大会の盛り上げに一役買ったが、彼女の走りを陰で支え、走りながら中継スタッフに通過タイムなどの情報も連絡していたのだそうである。

ベストカップル賞
大坪隆誠(大阪府警)&小まり(ノーリツ)
石毛豊志(ヤクルト)&尾崎朱美(セカンドウインドAC)

マラソンに限らず、日本の女性アスリートにとって、結婚や出産が必ずしも競技生活の終着駅ではなくなってきた。特に尾崎は昨年の東京女子が「ラスト」のつもりで走って、2位。結婚後の今年の東京女子でも自己ベストを更新。翌月のホノルルでも2位と好調ぶりを見せた。
夫の石毛は10000mでは28分24秒の記録を残しているが、マラソンでは結果を出してなくて、ベストは2時間24分19秒。おいおい、嫁さんに抜かれるぞ。ちなみに、ホノルルの公式サイトでは尾崎の名前は“Akemi Ozaki Ishige"と表記されていた。土佐礼子も“Reiko Tosa Murai”なのだろう。

ベスト市民ランナー賞
吉村豊和(大阪陸協) 泉州2位、ゴールドコースト優勝、防府3位
星野芳美(eA静岡) ポズナー6位、大田原優勝

星野さんには、ほとんど毎年この賞を与えているみたい(苦笑)だが、今年は日本陸連の海外派遣ランナーにも選ばれ、大田原では5連勝。ランニングの普及に貢献した個人や団体に授けられる「ランナーズ賞」も授与された。今後も故障に気をつけて頑張って欲しい。私信になるが、またいつか同じレースを走りたい。大阪で治療院に勤務しながら、職場にランニングで通勤しつつトレーニングしている吉村だが、泉州の入賞で派遣されたゴールドコーストでは優勝
。防府でもカネボウや中国電力のランナーたちに後塵を浴びせる走りを見せて解説の中国電力の坂口監督を驚嘆させた。

いよいよ佳境に入ったマラソン大賞。次回をお楽しみに。



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