OCN Cafe移転後にこのサイトの存在を知った方のために説明しよう!(富山敬さんの声でお読みください。)
2001年以降、毎年年末に1年間活躍した日本のマラソン・ランナーたちに対して、僕が独自の基準(「独断と偏見」とも言う)で賞を授けているものである。当然ながら各賞に選ばれた方には、何も差し上げられないことをお許しください。
まあ、言わばマラソンおたくの「お遊び」というか「笑って許して」企画なのだが、競技関係者の方々もご覧になっているという噂を聞いたので、いい加減なものはできないなと思ってはいる。
まずは、各賞の発表から。男女各1名が原則だが、賞によっては複数選出している。(どーせ何もあげないのだからいいんです。)
新人賞
上條記男(愛知製鋼) 長野3位
加納由理(セカンドウインドAC) 大阪2位、北海道優勝
カムバック賞
高橋謙介(トヨタ自動車) 福岡6位
坂本直子(天満屋) ベルリン5位
功労賞
内富恭則(中国電力) '98アジア大会3000mSC金メダル
市橋有里(東京ランナーズ倶楽部) 世界選手権セビリア大会銀メダル、シドニー五輪代表
努力賞
松宮隆行(コニカミノルタ) ロッテルダム2位
大南博美(トヨタ車体) ロッテルダム優勝 東京女子5位
弘山晴美(資生堂) 名古屋2位 北海道3位
優秀外国人賞
ルーク・キベト(ケニア) 世界選手権優勝
サムエル・ワンジル(ケニア・トヨタ自動車九州) 福岡優勝
キャサリン・ヌデレバ(ケニア) 世界選手権優勝
サリナ・コスゲイ(ケニア) 東京女子2位
なかなか男子マラソンの新人が台頭してこないが、上條は、あの中山竹通さんが指導をするチームから、中山さんの故郷での初マラソンで3位入賞、箱根駅伝出場歴のない大卒2年目のランナーにとっては「快挙」と評価したい。加納由理。マラソンについてあまりよく知らないという方に、是非、この名前を覚えておくことをお勧めする。ずばり、北京五輪代表枠の「あと1つ」の最有力候補である!と断言しておく。
順天堂大時代に箱根駅伝優勝を2度経験し、キャプテンも務めた高橋謙介。初マラソンは'99年の学生マラソン選手権で駒沢大のエース、西田隆維を抑えて初優勝。トヨタ入社後は目立った実績もなかったが今年の福岡では先頭集団に30km過ぎまで食らいつき、自己ベストを2分以上も更新した。この辺のランナーがもっともっと活躍して欲しいところだ。アテネ五輪7位入賞以後、なかなか公式レースに出てこなかった坂本だが、ようやく北京の代表選考レースに間に合った。
今年、引退を表明したランナーに与える功労賞だが、3000m障害の第一人者だった内富にとっては、今年の別大は初マラソンにして引退レースだった。しかし、3000m障害という種目においても、現在のトップである岩水嘉孝にとっては「越えるべき壁」として立ちはだかったり、“中距離の女王”である早狩実紀のこの種目の転向にも力を貸したそうである(ちなみに2人は同学年)。いまや、マラソン日本最強集団となった中国電力陸上部の主将として、後輩たちを引っ張ってきた文字通りの功労者は、2時間32分38秒でゴールした後に後輩たちのことを
「アイツら、えらいと思いました。」
と語ったという。
市橋有里というランナーは、果たして幸運だったのか、不運だったのか。シドニー五輪前年の世界選手権で銀メダルを獲得し、いち早く代表内定の座を得たことで、翌年の大阪で激走した弘山が落選し、物議を醸したことをご記憶の方も多いだろう。彼女が世界選手権の代表入りを決めたレースの翌月のアジア大会での高橋尚子の超・破壊的なレースが、全てを変えてしまったのだ。それ以後、マラソンで2時間23分を切ることが五輪代表の必須条件となってしまったのだ。彼女は「女子マラソンの高速化」の流れの影響を受けずに、代表となったが、彼女のベストタイムは、シドニー五輪では7位に相当するタイムであった。(ちなみに、彼女は大阪で弘山を破ったリディア・シモンに、世界選手権で先着している。)シドニー以後、順調に競技を続けられなかったのが惜しまれる。
努力賞は、ロッテルダムで活躍した男女に与えた。松宮隆行、北京五輪はトラックで狙うことを表明したが、早くも、高速レースになると見られている再来年のベルリンでの世界選手権を見据えているのかもしれない。そして、弘山晴美。もはや彼女は日本人の女子ランナーには未踏の境地に達していると言えそうだ。
優秀外国人賞は、ここでは国内の大会で活躍した外国人ランナーに与えることにしている。その点で、世界最高記録保持者のハイレ・ゲブレセラシエは対象外なのだが、今年は大阪で世界選手権が開催されたので、世界選手権の金メダリストを外すわけにはいかないだろう。それにしても、もはや世界の都市マラソン(賞金マラソン)の上位を独占し続けるケニアのランナーから、耐暑マラソンにも強いランナーが続々と出てきていることは、脅威である。今年の国内男子マラソン、東京はダニエル・ジェンガ、北海道はジュリアス・ギタヒ、そして福岡はワンジルと仙台育英高出身の留学生ランナーが優勝をさらった。彼らの活躍を大相撲のモンゴル人横綱のように見る向きもあろうが、少なくともジェンガらはどこかの横綱よりも「品格」を身につけていると思うし、そういう教育を受けている。
第2部以降もお楽しみに。
2001年以降、毎年年末に1年間活躍した日本のマラソン・ランナーたちに対して、僕が独自の基準(「独断と偏見」とも言う)で賞を授けているものである。当然ながら各賞に選ばれた方には、何も差し上げられないことをお許しください。
まあ、言わばマラソンおたくの「お遊び」というか「笑って許して」企画なのだが、競技関係者の方々もご覧になっているという噂を聞いたので、いい加減なものはできないなと思ってはいる。
まずは、各賞の発表から。男女各1名が原則だが、賞によっては複数選出している。(どーせ何もあげないのだからいいんです。)
新人賞
上條記男(愛知製鋼) 長野3位
加納由理(セカンドウインドAC) 大阪2位、北海道優勝
カムバック賞
高橋謙介(トヨタ自動車) 福岡6位
坂本直子(天満屋) ベルリン5位
功労賞
内富恭則(中国電力) '98アジア大会3000mSC金メダル
市橋有里(東京ランナーズ倶楽部) 世界選手権セビリア大会銀メダル、シドニー五輪代表
努力賞
松宮隆行(コニカミノルタ) ロッテルダム2位
大南博美(トヨタ車体) ロッテルダム優勝 東京女子5位
弘山晴美(資生堂) 名古屋2位 北海道3位
優秀外国人賞
ルーク・キベト(ケニア) 世界選手権優勝
サムエル・ワンジル(ケニア・トヨタ自動車九州) 福岡優勝
キャサリン・ヌデレバ(ケニア) 世界選手権優勝
サリナ・コスゲイ(ケニア) 東京女子2位
なかなか男子マラソンの新人が台頭してこないが、上條は、あの中山竹通さんが指導をするチームから、中山さんの故郷での初マラソンで3位入賞、箱根駅伝出場歴のない大卒2年目のランナーにとっては「快挙」と評価したい。加納由理。マラソンについてあまりよく知らないという方に、是非、この名前を覚えておくことをお勧めする。ずばり、北京五輪代表枠の「あと1つ」の最有力候補である!と断言しておく。
順天堂大時代に箱根駅伝優勝を2度経験し、キャプテンも務めた高橋謙介。初マラソンは'99年の学生マラソン選手権で駒沢大のエース、西田隆維を抑えて初優勝。トヨタ入社後は目立った実績もなかったが今年の福岡では先頭集団に30km過ぎまで食らいつき、自己ベストを2分以上も更新した。この辺のランナーがもっともっと活躍して欲しいところだ。アテネ五輪7位入賞以後、なかなか公式レースに出てこなかった坂本だが、ようやく北京の代表選考レースに間に合った。
今年、引退を表明したランナーに与える功労賞だが、3000m障害の第一人者だった内富にとっては、今年の別大は初マラソンにして引退レースだった。しかし、3000m障害という種目においても、現在のトップである岩水嘉孝にとっては「越えるべき壁」として立ちはだかったり、“中距離の女王”である早狩実紀のこの種目の転向にも力を貸したそうである(ちなみに2人は同学年)。いまや、マラソン日本最強集団となった中国電力陸上部の主将として、後輩たちを引っ張ってきた文字通りの功労者は、2時間32分38秒でゴールした後に後輩たちのことを
「アイツら、えらいと思いました。」
と語ったという。
市橋有里というランナーは、果たして幸運だったのか、不運だったのか。シドニー五輪前年の世界選手権で銀メダルを獲得し、いち早く代表内定の座を得たことで、翌年の大阪で激走した弘山が落選し、物議を醸したことをご記憶の方も多いだろう。彼女が世界選手権の代表入りを決めたレースの翌月のアジア大会での高橋尚子の超・破壊的なレースが、全てを変えてしまったのだ。それ以後、マラソンで2時間23分を切ることが五輪代表の必須条件となってしまったのだ。彼女は「女子マラソンの高速化」の流れの影響を受けずに、代表となったが、彼女のベストタイムは、シドニー五輪では7位に相当するタイムであった。(ちなみに、彼女は大阪で弘山を破ったリディア・シモンに、世界選手権で先着している。)シドニー以後、順調に競技を続けられなかったのが惜しまれる。
努力賞は、ロッテルダムで活躍した男女に与えた。松宮隆行、北京五輪はトラックで狙うことを表明したが、早くも、高速レースになると見られている再来年のベルリンでの世界選手権を見据えているのかもしれない。そして、弘山晴美。もはや彼女は日本人の女子ランナーには未踏の境地に達していると言えそうだ。
優秀外国人賞は、ここでは国内の大会で活躍した外国人ランナーに与えることにしている。その点で、世界最高記録保持者のハイレ・ゲブレセラシエは対象外なのだが、今年は大阪で世界選手権が開催されたので、世界選手権の金メダリストを外すわけにはいかないだろう。それにしても、もはや世界の都市マラソン(賞金マラソン)の上位を独占し続けるケニアのランナーから、耐暑マラソンにも強いランナーが続々と出てきていることは、脅威である。今年の国内男子マラソン、東京はダニエル・ジェンガ、北海道はジュリアス・ギタヒ、そして福岡はワンジルと仙台育英高出身の留学生ランナーが優勝をさらった。彼らの活躍を大相撲のモンゴル人横綱のように見る向きもあろうが、少なくともジェンガらはどこかの横綱よりも「品格」を身につけていると思うし、そういう教育を受けている。
第2部以降もお楽しみに。
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