いよいよ、MVP(大賞)を含めた主要な賞の発表だ。彼らが、今年の日本マラソン界の「顔」と言えるだろう。
敢闘賞
藤田敦史(富士通) 別大優勝、福岡8位
橋本康子(セガサミー) 名古屋優勝、世界選手権23位
今になって気づいたが、この2人は同じ高校(清陵情報高校」の出身だった。橋本が1学年先輩にあたるのだ。藤田というランナー、現役ランナーで最も「マラソンの勝ち方」を知っている男だと思う。それだけに今年の別大や5年前の東亜ソウルのようなレースを今回の福岡のような高速ペースでやって欲しいという期待をずっと持っていた。海外マラソンを走るなら、ロンドンやシカゴよりもニューヨークの方が向いていそうだ。橋本は今年の名古屋で弘山を負かした必殺スパートが見事だった。所属企業が来年3月で廃部を発表したが、名古屋では4月以降も競技を継続できるような結果を残して欲しい。
殊勲賞
渡邊真一(山陽特殊製鋼)
櫻井教美(東京陸協)
昨年は24時間走の世界選手権優勝コンビを選出した。実は今年も男子は関家良一が2連勝をしたのであるが、今回は100kmマラソンの世界選手権であるAIU(世界ウルトラマラソン協会)100kmワールド・チャレンジの優勝者コンビを選出した。特に渡邊は2時間9分32秒のマラソン記録を持つ現役の実業団ランナーの100kmチャレンジという点を評価した。かつては、同じ兵庫県で競技を続けていた100kmマラソンの世界記録保持者の砂田貴裕さんのように、100km完走後にマラソンのベスト記録を更新してみせて欲しい。櫻井の優勝タイム、7時間0分27秒は、'00年にサロマ湖で安部友恵さんが記録した6時間33分11秒に次ぐ、世界歴代2位である。
優秀選手賞
尾方 剛(中国電力)世界選手権5位
大崎悟史(NTT西日本)世界選手権6位
諏訪利成(日清食品)世界選手権7位
佐藤敦之(中国電力)別大2位、福岡3位
嶋原清子(セカンドウインドAC)世界選手権6位、上海2位
原裕美子(京セラ)大阪優勝、世界選手権18位
最優秀選手賞(MVP)
土佐礼子(三井住友海上)世界選手権3位
野口みずき(シスメックス)東京女子優勝
今回も迷った。昨年も最優秀選手は土佐と弘山、2人を選出したが、今回も土佐と野口、どちらか一人に絞りきれなかった。基本的に僕は、世界選手権の結果はその年のマラソン大賞の選考においては、かなり重要視してきた。今回も、土佐の単独でMVP、野口は優秀選手賞ということも考えたが、それをためらわせるほど東京での野口の走りが素晴らし過ぎた。彼女はこれで東京、名古屋、大阪の国内3大女子マラソンを全て制したことになる。
4人の世界選手権入賞者は全て優秀選手賞に選出した。今回の世界選手権、期待の高かった選手の多くが「地元の利」を生かしきれず、メディアに「惨敗」と断じられる中、マラソン代表陣は、高温多湿の夏の大阪を戦い抜いた。この事は評価されていい。あるいは、これまでの大会ほどマラソンに対する注目度が高くなかったことが良かったのだろうか?
土佐にとっては、6年前のエドモントン大会の銀メダルに次いで2個目のメダル獲得であるが今回の銅メダルの方が日本人の獲得した唯一のメダルということで評価が高いようだ。エドモントン大会の翌月、月刊陸上競技誌の表紙を飾ったのは、400mハードルで銅メダルを獲得した為末大だった。まさしく、「金と同じと書いて銅」と言うが如しであった。
3年前の名古屋国際女子での逆転優勝。あのようなレースは、そう何度もできるものではないと誰もが思っていたに違いない。それをまた、酷暑の大阪でやってみせたことが、多くの人を感動させたのだと思う。望月次朗氏が撮影した、長居競技場の芝生の緑をバックに日の丸の旗を広げて立つ姿の写真も秀逸だった。
陸連が今年から制定した「アスリート・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれたが、やはり、来年も
「土佐礼子はやはり土佐礼子」
であることを、祈りつつ、今回の選考を終えたいと思う。最強のライバルは?もちろん、もう一人のMVP受賞者だ。
敢闘賞
藤田敦史(富士通) 別大優勝、福岡8位
橋本康子(セガサミー) 名古屋優勝、世界選手権23位
今になって気づいたが、この2人は同じ高校(清陵情報高校」の出身だった。橋本が1学年先輩にあたるのだ。藤田というランナー、現役ランナーで最も「マラソンの勝ち方」を知っている男だと思う。それだけに今年の別大や5年前の東亜ソウルのようなレースを今回の福岡のような高速ペースでやって欲しいという期待をずっと持っていた。海外マラソンを走るなら、ロンドンやシカゴよりもニューヨークの方が向いていそうだ。橋本は今年の名古屋で弘山を負かした必殺スパートが見事だった。所属企業が来年3月で廃部を発表したが、名古屋では4月以降も競技を継続できるような結果を残して欲しい。
殊勲賞
渡邊真一(山陽特殊製鋼)
櫻井教美(東京陸協)
昨年は24時間走の世界選手権優勝コンビを選出した。実は今年も男子は関家良一が2連勝をしたのであるが、今回は100kmマラソンの世界選手権であるAIU(世界ウルトラマラソン協会)100kmワールド・チャレンジの優勝者コンビを選出した。特に渡邊は2時間9分32秒のマラソン記録を持つ現役の実業団ランナーの100kmチャレンジという点を評価した。かつては、同じ兵庫県で競技を続けていた100kmマラソンの世界記録保持者の砂田貴裕さんのように、100km完走後にマラソンのベスト記録を更新してみせて欲しい。櫻井の優勝タイム、7時間0分27秒は、'00年にサロマ湖で安部友恵さんが記録した6時間33分11秒に次ぐ、世界歴代2位である。
優秀選手賞
尾方 剛(中国電力)世界選手権5位
大崎悟史(NTT西日本)世界選手権6位
諏訪利成(日清食品)世界選手権7位
佐藤敦之(中国電力)別大2位、福岡3位
嶋原清子(セカンドウインドAC)世界選手権6位、上海2位
原裕美子(京セラ)大阪優勝、世界選手権18位
最優秀選手賞(MVP)
土佐礼子(三井住友海上)世界選手権3位
野口みずき(シスメックス)東京女子優勝
今回も迷った。昨年も最優秀選手は土佐と弘山、2人を選出したが、今回も土佐と野口、どちらか一人に絞りきれなかった。基本的に僕は、世界選手権の結果はその年のマラソン大賞の選考においては、かなり重要視してきた。今回も、土佐の単独でMVP、野口は優秀選手賞ということも考えたが、それをためらわせるほど東京での野口の走りが素晴らし過ぎた。彼女はこれで東京、名古屋、大阪の国内3大女子マラソンを全て制したことになる。
4人の世界選手権入賞者は全て優秀選手賞に選出した。今回の世界選手権、期待の高かった選手の多くが「地元の利」を生かしきれず、メディアに「惨敗」と断じられる中、マラソン代表陣は、高温多湿の夏の大阪を戦い抜いた。この事は評価されていい。あるいは、これまでの大会ほどマラソンに対する注目度が高くなかったことが良かったのだろうか?
土佐にとっては、6年前のエドモントン大会の銀メダルに次いで2個目のメダル獲得であるが今回の銅メダルの方が日本人の獲得した唯一のメダルということで評価が高いようだ。エドモントン大会の翌月、月刊陸上競技誌の表紙を飾ったのは、400mハードルで銅メダルを獲得した為末大だった。まさしく、「金と同じと書いて銅」と言うが如しであった。
3年前の名古屋国際女子での逆転優勝。あのようなレースは、そう何度もできるものではないと誰もが思っていたに違いない。それをまた、酷暑の大阪でやってみせたことが、多くの人を感動させたのだと思う。望月次朗氏が撮影した、長居競技場の芝生の緑をバックに日の丸の旗を広げて立つ姿の写真も秀逸だった。
陸連が今年から制定した「アスリート・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれたが、やはり、来年も
「土佐礼子はやはり土佐礼子」
であることを、祈りつつ、今回の選考を終えたいと思う。最強のライバルは?もちろん、もう一人のMVP受賞者だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます