KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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2007年が終わらない~マラソン大賞番外篇&ランナー生活総括

2008年01月02日 | 日本マラソン大賞
皆様、2008年あけましておめでとうございます。本年も拙サイトをよろしくお願いします。

と言った矢先であるが、大晦日と元旦にパソコンを開ける時間がなかったために、旧年中にアップするつもりの記事を今年に持ち越してしまった。まずはマラソン大賞、いくつかの「特別賞」を。

ベスト・ブック賞
「走ることについて語るときに僕の語ること」
村上春樹 文藝春秋社

著者については説明不要だろう。現代日本文学を代表する作家である著者は走歴25年、100kmマラソンやトライアスロンの完走歴も持っていた。ランニングについての書き下ろしエッセイだが、いずれは詳細に紹介しよう。僕にとっては待望の一冊であり、今後いつも手元に置いておきたい本である。

話題賞
東国原英夫宮崎県知事

これまた説明不要の人だろう。2007年日本の「マン・オブ・ザ・イヤー」とも言うべき人である。実は彼が10年以上前に、ランニング情報誌に連載していた自らのランニング生活を綴ったエッセイを愛読していて、ランニングそのものに真摯な姿勢で取り組む様には好感を持っていたのだ。(その連載自体は、例の不祥事で連載が中止させられたのであるが。)なんといっても、「日本一マラソンを速く走った知事(自己ベスト記録3時間6分58秒)」である。もともと、マニフェストにスポーツによる地域活性化として、ハンカチ王子や卓球の愛ちゃんを宮崎に呼ぶと提唱していた(早稲田大の運動部の合宿を誘致する)くらいなのだが、今後はマラソン関係のイベントにも動き回って欲しいと思う。宮崎も愛媛とは海を隔てた隣県なのだから1度は行ってみたいものである。

ベスト週刊誌賞
週刊女性

病院のロビーの女性週刊誌を読むのはけっこう好きなのである(笑)が、今年、生まれて初めて女性週刊誌を金を払って買った。世界選手権の女子マラソンの翌週、土佐礼子の特集記事を掲載したのは、男性週刊誌を含めてもこの週刊女性9月25日号のみだったからだ。
「世界陸上・銅メダル感動秘話 土佐礼子選手独占インタビュー」
と題した3ページの記事だったが、松山を訪れての取材で、松山大学の写真や彼女の実家の近所のランニング・コース(当然、僕も走ったことがあります。)の写真や、夫の村井啓一さんがレース前日に差し入れた松山三越の4色おこわ弁当の写真、さらには土佐のウェデング・ドレス姿の写真まで掲載されている。

ところで、この週刊女性、7年前にはシドニー五輪金メダル獲得後、多忙な日々の中でブクブクに太ってしまった高橋尚子について「アンタは何様?」と題した悪意の込められた記事を掲載し、僕もそれを猛批判したのだった。

最後に土佐を陰で支えた、村井啓一さんの献身的な努力にも賞を贈るべきであろう。宗兄弟の兄、茂さんの座右の銘は「苦労を楽しむ」なのだそうだが、東京と松山の間を月に何度も往復する村井さんを端から見ていて、この言葉が浮かんできた。昨年の世界選手権のPR番組の中で、東京国際女子マラソンを走る土佐の応援のために先回りして電車で移動する際に、車内で大声で携帯電話で連絡を取った後、周囲のお客さんに
「すみません、嫁さんが土佐礼子なもので。」
と詫びる姿が印象的だった。電車を降りる際にはお客さんも
「頑張れよ!」
と声をかけていて、村井さんの人間性がよく現われた名場面だったし、この一言に「名セリフ賞」を贈りたいと思う。

そして、僕自身のランニングについて。

2007年1年間に走った総距離は1901km。記録を取り始めた1993年より4番目に少ない数字だ。一番多かった年(1999年)には3800km以上走っていたのだから、全盛期の半分しか走っていないことになる。

「走った距離は裏切らない。」
と言ったのは野口みずきだが、マラソンは練習量がそのまま結果に表われる。2月に愛媛マラソンは30km過ぎて足が止まった。ハーフマラソンは3度出場したが、1時間40分を切ったのは1度だけ。4年前には1時間30分を切っていたのだが。

一方で、表彰される機会に恵まれた。県内でも長い伝統のある駅伝大会で10回出場の表彰を受けたし、高知と愛媛の県境で行なわれる四国カルスト高原マラソンの20kmレースに15年連続完走したことで表彰された。ランニング生活の1つの区切りになった。

もう、やめてしまおうか、と思ったこともある。と言うよりも、走り続けることができるのだろうかという不安が尽きないのが今の僕の正直な気持ちなのだ。今年から僕の生活環境が大きく変化することが避けられないのだ。この先、どれだけ日常生活の中で、ランニングのために費やす時間を作り出すことができるだろうか?

不安な気持ちを消してくれたのが、先述の村上春樹の著書の一節だった。

「もし忙しいからというだけで走るのをやめたら、間違いなく一生走れなくなってしまう。走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その『ほんの少しの理由』をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。」

そうなのだ。忙しいことを走らない理由にしてはいけないのだ。今まではそうしてきた。今年はこのことを肝に銘じようと思う。

他人の走りから感動を得ようとするのではなく、自らの走りで感動を体験したいから。「マラソン大賞」に選んだランナーたちの10分の1くらいは努力をしなければ、と思うのである。




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