このブログにおいて、この大会について取り上げるのは初めてだと思う。毎年、11月の第一日曜に開催されるこの大会、しばしば、「真の大学駅伝日本一を決める大会」と称される。もっとも、そう言うのは箱根駅伝ばかりが脚光を浴びることに異を唱えたい人ばかりのようである。
箱根駅伝を「関東のローカル大会」というのは。ある意味では正しい。主催は関東学生陸上競技連盟(関東学連)であり、関東地方に所在する大学しか参加資格がない。しかし、現実として、日本の大学駅伝は関東の大学が上位を独占しているのである。今回も駒澤大が四連覇を果たしたし、関東学連から出場した14校中11位が上位を占め、関東勢最下位の城西大が15位。いや、上位15校中14校が関東勢、という言い方をした方が正確かもしれない。関東以外の学校は京都産業大の12位が最高である。大会の歴史を振り返ってみても、関東以外の大学が優勝したのは1986年の京都産業大が最後で、2009年に第一工業大が10位に入ったのを最後に、関東以外の大学はトップ10にも入れなくなってしまった。
箱根駅伝に対する批判的な意見の中に、「卒業後活躍するランナーがいない。」というの意見がある。確かに、戦後の五輪のマラソンメダリスト、円谷幸吉や君原健二、森下広一は皆、高卒のランナーである。宗兄弟や中山竹通も高卒である。しかし、大学卒のランナーで五輪に出場したランナーの中に、関東以外の大学出身者はいないのである。
世界選手権やユニバーシアード、アジア大会まで「日本代表」のカテゴリーを広げると、喜多秀喜(福岡大)、川口孝志郎(中京大)、泉宜広(京都産業大)、佐々勤(京都大)、細川道隆(京都産業大)、そして、今も破られぬマラソン日本最高記録保持者、高岡寿成(龍谷大)。
高岡がマラソン五輪代表になれなかった事が、日本のマラソン界最大の痛恨と言えるのだが、思えば、「日本最高のマラソンランナーが箱根駅伝を走っていない。」という事実が、こうした、「箱根駅伝など所詮ローカル大会」という中傷につながってるのではないだろうか?関東の大学の強さは他地区と比べればけた外れなのである。
今や、関東の大学にとっては「箱根駅伝の前哨戦」でしかなくなった大会に新風を吹き込んだのは京都大学の平井健太郎。夏の全日インカレの10000mで2位に入賞し、京大の42大会ぶりの全日本出場の原動力にもなった。ちょうど野球においても、田中英祐が千葉ロッテマリーンズにドラフト2位に指名されるなどして、注目度が高まった。
村山兄弟ら、関東の強豪校のエースが揃う1区での走りに僕も注目もした。結果は4位。やはり、村山兄弟は強かった。僕も含めて、少し過大評価し過ぎていたか?かつての永田宏一郎(鹿屋体育大)のごとき走りを期待していたかもしれない。
しかし、今大会で関東以外の大学のランナーで区間一桁順位で走ったのは、この平井と、2区で9位の中井脩人のみであった。
それにしても、こんなに地域によって実力に大きな格差のある競技が他にあるのだろうか?高校生の長距離ランナーのほとんどが箱根を目指す中、関東以外の大学はどうすべきか?新たな動きが見えている。かつての名ランナーが、郷里の大学の指導者に就いているのである。今回は中継の解説者を務めた、駒澤大の元エース、揖斐祐治が岐阜経済大の監督に、世界陸上のマラソン銅メダリストの尾方剛が広島経済大の監督に、アジア大会10000m金メダリストの高尾憲司が立命館大のコーチに就任している。彼らの指導の下から、関東勢も一目置くようなランナーが生まれるか、あるいは平井のように独力でのし上がってくるランナーが出現してくるか。
平井はまだ3年生である。来年もまた、伊勢路に戻ってきて欲しいものである。
箱根駅伝を「関東のローカル大会」というのは。ある意味では正しい。主催は関東学生陸上競技連盟(関東学連)であり、関東地方に所在する大学しか参加資格がない。しかし、現実として、日本の大学駅伝は関東の大学が上位を独占しているのである。今回も駒澤大が四連覇を果たしたし、関東学連から出場した14校中11位が上位を占め、関東勢最下位の城西大が15位。いや、上位15校中14校が関東勢、という言い方をした方が正確かもしれない。関東以外の学校は京都産業大の12位が最高である。大会の歴史を振り返ってみても、関東以外の大学が優勝したのは1986年の京都産業大が最後で、2009年に第一工業大が10位に入ったのを最後に、関東以外の大学はトップ10にも入れなくなってしまった。
箱根駅伝に対する批判的な意見の中に、「卒業後活躍するランナーがいない。」というの意見がある。確かに、戦後の五輪のマラソンメダリスト、円谷幸吉や君原健二、森下広一は皆、高卒のランナーである。宗兄弟や中山竹通も高卒である。しかし、大学卒のランナーで五輪に出場したランナーの中に、関東以外の大学出身者はいないのである。
世界選手権やユニバーシアード、アジア大会まで「日本代表」のカテゴリーを広げると、喜多秀喜(福岡大)、川口孝志郎(中京大)、泉宜広(京都産業大)、佐々勤(京都大)、細川道隆(京都産業大)、そして、今も破られぬマラソン日本最高記録保持者、高岡寿成(龍谷大)。
高岡がマラソン五輪代表になれなかった事が、日本のマラソン界最大の痛恨と言えるのだが、思えば、「日本最高のマラソンランナーが箱根駅伝を走っていない。」という事実が、こうした、「箱根駅伝など所詮ローカル大会」という中傷につながってるのではないだろうか?関東の大学の強さは他地区と比べればけた外れなのである。
今や、関東の大学にとっては「箱根駅伝の前哨戦」でしかなくなった大会に新風を吹き込んだのは京都大学の平井健太郎。夏の全日インカレの10000mで2位に入賞し、京大の42大会ぶりの全日本出場の原動力にもなった。ちょうど野球においても、田中英祐が千葉ロッテマリーンズにドラフト2位に指名されるなどして、注目度が高まった。
村山兄弟ら、関東の強豪校のエースが揃う1区での走りに僕も注目もした。結果は4位。やはり、村山兄弟は強かった。僕も含めて、少し過大評価し過ぎていたか?かつての永田宏一郎(鹿屋体育大)のごとき走りを期待していたかもしれない。
しかし、今大会で関東以外の大学のランナーで区間一桁順位で走ったのは、この平井と、2区で9位の中井脩人のみであった。
それにしても、こんなに地域によって実力に大きな格差のある競技が他にあるのだろうか?高校生の長距離ランナーのほとんどが箱根を目指す中、関東以外の大学はどうすべきか?新たな動きが見えている。かつての名ランナーが、郷里の大学の指導者に就いているのである。今回は中継の解説者を務めた、駒澤大の元エース、揖斐祐治が岐阜経済大の監督に、世界陸上のマラソン銅メダリストの尾方剛が広島経済大の監督に、アジア大会10000m金メダリストの高尾憲司が立命館大のコーチに就任している。彼らの指導の下から、関東勢も一目置くようなランナーが生まれるか、あるいは平井のように独力でのし上がってくるランナーが出現してくるか。
平井はまだ3年生である。来年もまた、伊勢路に戻ってきて欲しいものである。
今後、地方(関東以外の地区という意味です)の大学は、箱根に変わる大きな目標を掲げるべきでしょう。新しい土俵を作るのもいいかもしれません。