KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
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第43回愛媛マラソン vol.3

2005年03月30日 | 愛媛マラソン
中間点を僕は1時間47分15秒で通過した。12年前の初めてのハーフマラソンの記録が1時間48分8秒。初心者だった頃に戻ったのだな。折り返して、国道11号を西に。いきなり冷たい向かい風。昨年もそうだったが、今年も風は西から吹いている。この風が、かすかに残っていた戦意も吹き飛ばした。もう、29km地点の関門ももたない。スタートから2時間を越え、23km地点の標識の前で僕は立ち止まり、ナンバーカードをはがした。

収容バスはなかなか来なかった。風が冷たく肌身にしみた。ようやくやって来たバスの中には、鈴木も福本もいた。バスの中のテレビで後半のレースを見た。

30.2kmで藤原が村井の前に立った。村井もぴったりと後ろについた。しかし、藤原が引き離す。

女子のトップは中間点を1時間27分28秒で通過した、神奈川から来た46歳の市民ランナー、松井一葉(三浦郡陸協)。2位は三瓶高校の毛利文香。

市民ランナーにスポットを当てるのも、愛媛マラソンの中継の特徴だが、50km競歩で活躍した、健康運動指導士、忠政良文も今回は「ランナー」として出場している。日本選手権の優勝歴もある、松山大学時代は土佐と同期にあたる人だ。

藤原と村井との差が広がった。山学大出身の中学校の臨時講師、藤原。実は先週高知マラソンを走り、4位に入賞しているのだという。

33km過ぎて、小坂交差点を左折し、跨線橋を越え、さらに左折し、国道11号線に入る。ここからはなだらかな上り坂である。

藤原は1km3分20秒のペースをきっちり刻んでいる。35kmを1時間58分35秒で通過。

視覚障害者だという、山崎宙計も、愛媛銀行陸場部の真鍋監督の伴走で、24kmを約2時間で通過している。

3位争いは勝木彰(三協産業)に、2人の國學院大生。中継アナがどうしても、「村井応援実況」となるのもしかたないか。

38.6kmで國學院の佐々木健一と、勝木に村井が抜かれる。佐々木は福山出身で、広島の如水館高校の都大路初出場時のメンバー。三協産業は福山市にある企業のチーム。2位争いは同郷対決である。

重信大橋を越えて、砥部町内へ。先頭の藤原は40kmは2時間16分9秒で通過。2位の佐々木も勝木を振りきる。

左折して、総合運動公園へ。ここからは「心臓破りの坂道」だ。しかし、過去、この坂で逆転されたランナーはいない。この数年、終盤で先頭のランナーが逆転されるレースが多かった。
しかし、今回はもう、誰も藤原を捕らえられないだろう。藤原康至、2時間24分21秒で優勝。一般参加選手の優勝は10年ぶり。山学大時代は、箱根駅伝の出場歴はなかったという。前週の高知マラソン4位の時と、大差無いタイムだった。

2位は佐々木健一。3位は勝木彰。4位は広島市陸協の村戸雄輝。あの伊藤健太郎のように、特徴のある腕振りをするランナーだ。5位は國學院大に望月義治。

バスで競技場に戻ってきた僕は真っ先にトイレに駆け込んだ。内臓も弱りきっていた。レース途中で飲んだドリンクを戻した。

愛媛県人トップは6位の魚崎裕司(愛媛銀行)。
村井は10位で戻ってきた。翌日の朝刊に載ったコメントは
「彼女の走りを思い出して、粘りたかった。」

5km17分30秒のペースをきっちりと守っていた早田俊幸も36kmで棄権していたようだった。疲労がたまっていたようだったし、左太腿の古傷も肉離れ寸前だったようである。

前半独走した草場真二は28位でゴール。

女子は毛利文香が逆転優勝。大会史上初の、高校生優勝となった。

僕の愛媛マラソン連続完走は10でストップした。過去最低の結果に終わったが、まるで、貯金を全て使い果たした後のような気分だった。

マラソン・ランナーとしてのキャリアがリセットされたみたいだ。また、新しい絵を書き始めなくては。

レース後、10日間は練習を再開できなかった。3月に入ってようやく再開。その矢先に左手首を骨折してしまった。復帰の日はまだ遠い。




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