アジア大会のマラソンの総括記事を書くつもりが、例によってずるずると先延ばしになってしまい、12月の第一日曜が来てしまった。
12月の第一日曜は、マラソンを愛する者にとっては、特別な日である。福岡国際マラソンの開催日である。
アジア大会について、手短に言うならば、5年前のヘルシンキでの世界選手権以来、国際大会で男子のトップの成績が女子を上回った。男子がメダルを獲得し、女子は連続メダル獲得が途絶えた。
女子はやはり「惨敗」と言うほかない結果だった。嶋原清子も加納由理も世界選手権では入賞歴があったが、世界選手権で入賞しているからアジア大会ではメダルが当然、とは言い切れない。女子はそれだけアジアのレベルが高いのだ。
男子の場合、アジア大会のマラソンでメダルを獲得しながら五輪や世界選手権では入賞にも届かなかった、というランナーは少なくない。と言うと、銀メダリストとなった北岡幸浩を貶しているように受け取られそうだが、そんなことはない。老舗実業団ではあるが過去にマラソンの日本代表を輩出していない、中・長距離の名門チームから2回目のマラソンで初の代表となったのは、やはり快挙である。これは他チームのライバルたちにも何らかの影響を与えるだろう。その影響が最初に現われるチャンスが今回の福岡だが、エントリー・リストを見て唖然とした。
ケニアのランナーが一人もいない!
正確に言えば、ペースメイカーに一人いるのみである。現在のマラソン最強国のランナーが参加しないとは、正式大会名に“Championship”をつけることを許された世界唯一の大会にはふさわしくないではないか。日本人ランナーが全く振るわなかった昨年の反省?からか、今年は日本人ランナーの対決をメインに据えるつもりなのだろうか?
昨年2位のテケステ・ケベデ(エチオピア)、3位で過去には優勝歴もあるドミトロ・バラノスキー(ウクライナ)、北京五輪銀メダリストで世界選手権も2度優勝しているジャウアド・ガリブ(モロッコ)など、強豪が参加するとはいえ、柔道の国際大会に日本が不参加するようなものではないかと思ってしまう。
さて、日本の招待選手だが、7年前のこの大会で優勝して、アテネ五輪代表に選ばれた国近友昭、2位で代表に選ばれた諏訪利成、そして5年前の世界選手権で銅メダルを獲得した尾方剛、とベテランがずらり。そして昨年の世界選手権マラソン代表の入船敏。同大会のマラソン代表、清水将也の双子の弟の智也、さらには、北京五輪長距離代表の松宮隆行、今年の別大で初マラソンながら2時間11分4秒で4位に入賞した井川重史、そして一般参加として、箱根駅伝5区の驚異的な走りで「山の神」と呼ばれた今井正人がエントリーしている。
もし、今回上位に入賞したのが全て、国近、諏訪、尾方、入船ら'70年代生まれのランナーだったとしたら、喜ぶべきか、それとも若手の不甲斐無さを嘆くべきか。思えば、アジア大会は前回のドーハに続いて、女子の代表ランナーの平均年齢が男子を上回った。
既に北岡が内定している来年の大邸での世界選手権の代表選考レースであるが、'70年代組にとっては、2年後のロンドン五輪までの道が開けるか閉ざされるかが賭けられたレースだと思う。ここで結果を残せなければ、シューズを脱ぐことを覚悟して明日、平和台のスタートラインに立つランナーもいるだろう。
井川や今井のような今回が2度目のマラソンである若手や、東京マラソンで4位に入賞した“公務員ランナー”川内優輝、元日本記録保持者の児玉泰介氏が監督に就任した愛知製鋼のエース格である上條記男あたりが自己記録を大幅に更新して、2時間10分を切って上位に食い込んで欲しいと期待している。松宮も2時間7~8分は出しておかしくないと思う。
ベテラン勢の中では入船の好調ぶりが報じられているが、やはり個人的に長い間応援してきた尾方に「もうひと花」を期待したい。
外国人招待選手からは2時間5~6分を狙うという声もある。うまくその流れに乗って好記録が生まれて欲しい今年、日本人で2時間10分を切ったのは5月のオタワで優勝した藤原新のみである。その時のタイム、2時間9分33秒を切るランナーが何人出現するか、要注目である。
12月の第一日曜は、マラソンを愛する者にとっては、特別な日である。福岡国際マラソンの開催日である。
アジア大会について、手短に言うならば、5年前のヘルシンキでの世界選手権以来、国際大会で男子のトップの成績が女子を上回った。男子がメダルを獲得し、女子は連続メダル獲得が途絶えた。
女子はやはり「惨敗」と言うほかない結果だった。嶋原清子も加納由理も世界選手権では入賞歴があったが、世界選手権で入賞しているからアジア大会ではメダルが当然、とは言い切れない。女子はそれだけアジアのレベルが高いのだ。
男子の場合、アジア大会のマラソンでメダルを獲得しながら五輪や世界選手権では入賞にも届かなかった、というランナーは少なくない。と言うと、銀メダリストとなった北岡幸浩を貶しているように受け取られそうだが、そんなことはない。老舗実業団ではあるが過去にマラソンの日本代表を輩出していない、中・長距離の名門チームから2回目のマラソンで初の代表となったのは、やはり快挙である。これは他チームのライバルたちにも何らかの影響を与えるだろう。その影響が最初に現われるチャンスが今回の福岡だが、エントリー・リストを見て唖然とした。
ケニアのランナーが一人もいない!
正確に言えば、ペースメイカーに一人いるのみである。現在のマラソン最強国のランナーが参加しないとは、正式大会名に“Championship”をつけることを許された世界唯一の大会にはふさわしくないではないか。日本人ランナーが全く振るわなかった昨年の反省?からか、今年は日本人ランナーの対決をメインに据えるつもりなのだろうか?
昨年2位のテケステ・ケベデ(エチオピア)、3位で過去には優勝歴もあるドミトロ・バラノスキー(ウクライナ)、北京五輪銀メダリストで世界選手権も2度優勝しているジャウアド・ガリブ(モロッコ)など、強豪が参加するとはいえ、柔道の国際大会に日本が不参加するようなものではないかと思ってしまう。
さて、日本の招待選手だが、7年前のこの大会で優勝して、アテネ五輪代表に選ばれた国近友昭、2位で代表に選ばれた諏訪利成、そして5年前の世界選手権で銅メダルを獲得した尾方剛、とベテランがずらり。そして昨年の世界選手権マラソン代表の入船敏。同大会のマラソン代表、清水将也の双子の弟の智也、さらには、北京五輪長距離代表の松宮隆行、今年の別大で初マラソンながら2時間11分4秒で4位に入賞した井川重史、そして一般参加として、箱根駅伝5区の驚異的な走りで「山の神」と呼ばれた今井正人がエントリーしている。
もし、今回上位に入賞したのが全て、国近、諏訪、尾方、入船ら'70年代生まれのランナーだったとしたら、喜ぶべきか、それとも若手の不甲斐無さを嘆くべきか。思えば、アジア大会は前回のドーハに続いて、女子の代表ランナーの平均年齢が男子を上回った。
既に北岡が内定している来年の大邸での世界選手権の代表選考レースであるが、'70年代組にとっては、2年後のロンドン五輪までの道が開けるか閉ざされるかが賭けられたレースだと思う。ここで結果を残せなければ、シューズを脱ぐことを覚悟して明日、平和台のスタートラインに立つランナーもいるだろう。
井川や今井のような今回が2度目のマラソンである若手や、東京マラソンで4位に入賞した“公務員ランナー”川内優輝、元日本記録保持者の児玉泰介氏が監督に就任した愛知製鋼のエース格である上條記男あたりが自己記録を大幅に更新して、2時間10分を切って上位に食い込んで欲しいと期待している。松宮も2時間7~8分は出しておかしくないと思う。
ベテラン勢の中では入船の好調ぶりが報じられているが、やはり個人的に長い間応援してきた尾方に「もうひと花」を期待したい。
外国人招待選手からは2時間5~6分を狙うという声もある。うまくその流れに乗って好記録が生まれて欲しい今年、日本人で2時間10分を切ったのは5月のオタワで優勝した藤原新のみである。その時のタイム、2時間9分33秒を切るランナーが何人出現するか、要注目である。
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