遅れ馳せながら、先月20日に行われた愛媛マラソンの模様を、当日、主催でもある南海放送で生中継されたレースのビデオを見ながら、お伝えしていこう。
冒頭、昨年のアテネ五輪の女子マラソンでの土佐礼子の走りが映し出される。そして、
「原点はここから・・・」
7年前の第36回愛媛マラソンを走る彼女の映像が登場。初マラソン、記録2時間54分47秒。(ちなみに、映像は中間点通過時のものだったが、タイムは1時間27分2秒。)
現在の彼女へのインタビュー
問「7年前、初マラソンを走り終えて・・・」
土佐「あの時は、足フラフラで、ああ、きついなあと思いました。」
問「愛媛マラソンランナーへのメッセージ」
土佐「日頃の練習の成果を発揮して、最後までしっかり走り切ってください。たぶん、走り終わった後はすっきり気持ちがいい汗をかいたなって思えると思います。頑張ってください。」
「土佐礼子の原点となった大会」という、新たなキャッチ・フレーズがついた、愛媛マラソン。
テレビ中継の解説は、土佐の高校時代の指導者である竹本英利氏。
今回の招待選手は、「'90年代のスピード・スター」早田俊幸(埼玉陸協)。2時間8分台のタイムを出しながら、五輪のマラソン代表には届かず、2003年6月に実業団を引退。
「走るというのは、気持ちよくて楽しいものだと、1度走れなくなって初めて分かった。」
と、再び、走り始めた彼。目指すはマラソン初優勝。
愛媛県内の招待選手は村井啓一(NTT西日本愛媛)。2年前のこの大会、7位でゴールした彼を土佐礼子が笑顔で迎え、バスタオルを肩にかけていた映像が流れる。
昨年12月に、2人はタヒチ島で結婚。本邦初公開?の、土佐のウェディング・ドレス姿が流れた!土佐からも応援メッセージ、
「招待選手なんだから、もう、しっかり!しっかりと走らないと!」
開会式が始まるまで、2人は初対面であろうに親しげに話しているのを、僕は見かけた。全盛期の早田は、村井君にとっても憧れの存在だったろう。
開会式後に会った村井君は、
「いやあ、早田さんっていいひとですよ。」
と話してくれた。気さくになんでも話のできる人、というのは意外に思ったようだ。そう言えば、「ランナーズ」にも、
「会場で見かけたら遠慮せずに声をかけてください。僕は恐い印象があるのか、話しかけたそうにしながら見ているだけの人が多いんですよ。」
という彼の言葉が載っていたが、どうやらウソではないようである。
テレビ中継のゲストはもう一人、4月に開幕するプロ野球の独立リーグ、四国アイランド・リーグの愛媛マンダリン・パイレーツの監督に就任した、西田真二氏。彼にインタビューしている間に、ウォーミング・アップしているランナーたちの様子が画面に映ったが、その中には、社会人野球のクラブ・チーム、松山フェニックスの事務局長さんもいたのは、なんという偶然の一致!
話はそれるが、現在、放送局の買収で話題の的となっているIT企業の社長が、昨年、プロ野球への「新規参入」(去年の流行語大賞にも選ばれたが、今年は「想定の範囲内」が選ばれるだろうか?)を表明した際、新球団の名前を「仙台フェニックス」と発表したが、僕はこれで、
「こいつ、野球を知らんな。」
と思った。仙台出身のスポーツ・ライター、武田薫氏は、彼の新規参入プランを
「情報不足、調査なし、展望なし、狙いは別。」
と切り捨てたが、社会人野球連盟に加入しているクラブの名前くらいはチェックしておけよと思ったのだ。
(今思えば、武田氏の指摘は鋭いな。今の放送局買収にも、そのまま当てはまりそうだ。)
話を戻す。注目選手は他には過去2年連続して3位に入賞している村戸雄輝(広島市陸協)、'99年の北海道マラソン2位の鈴木博幸(富士通)、中央学院大時代に、箱根駅伝のアンカーを走った魚崎裕司(愛媛銀行)。
男子772人、女子71人が正午にいっせいに愛媛県総合陸上競技場をスタートした。
かつては、四国電力、カネボウ、安川電機などの、トップクラス(ニュー・イヤー駅伝に出場する)実業団チームのランナーを招待していた愛媛マラソンだが、昨年あたりからそういったチームの選手の出場が見られなくなった。寂しい事だが、ある意味では、
「市民ランナーのための大会になった。」
と言えなくもないか。
競技場を出ると長い下り坂がある。それを利用して、速いペースに入るランナーもいるが、いきなり飛び出したのは、3年前に3位入賞している草場真二(新日鐵大分)。3km地点で早くも第2集団に80mもの差をつける。
天候は晴れ。気温は10℃を切っている。風は強くはないが冷たい。
5kmを草場は16分22秒で通過。2位集団は17分5秒で通過。2位集団には魚崎裕司、村井啓一らがいるが、早田俊幸はさらにそこから離れた第3集団を引っ張っている。2週間前に別大毎日でペース・メイカーを務め、一週間前にも東京国際マラソンを完走、とかなり無茶なスケジュールをこなしての参戦だが、大丈夫か?(あるいは、100kmマラソン挑戦を見据えているのかもしれない。100kmマラソンを走るランナーは月2~3回フルマラソンを完走することも珍しくない。)
ランナーは県道から国道11号線に入る。この大会の中継は先頭争いばかりでなく、後方を走る市民ランナーにもマメにカメラを向け、プロフィールを紹介する。選手の寄せ書きの入ったシャツを着て走る高校教師、カメラに向かって手を振りながら走る4児のママ、ガンの手術を克服したランナー。その中に、11年前の優勝者、新城薫さんの姿もあった。当時は九州国際大付属高校の教員だったが、その後四国電力に入社し、陸上部のコーチも務めていた。現在も高松に住み、3年前に僕も参加した、「金哲彦のサブ・スリー道場」を高松でも開催するのにも携わった。実は金哲彦氏とは、高校時代、陸上部の同期だったのだそうである。11年前の大会というのは、僕が初めてフルマラソンに挑戦した大会である。
10kmの折り返し地点を草場は32分59秒で通過する。足に不安があるとかで、ロング・タイツ姿だ。2位集団は1分以上の差をつけられている。早田、鈴木博幸らを含む第3集団は35分で10kmを通過する。ここから、国道11号線を中間点まで東に向けて走る。今年は風が追い風となっている。
2位集団に松山工業の渡邊隆之がついている。村戸雄輝、2週間前の丸亀ハーフで1時間6分台を出している福本将太(クラレ西条)もついている。27年ぶりの愛媛県人優勝の期待もかかる村井啓一、今日は妻である土佐礼子から借りたサングラスをかけているという。土佐から贈られた、彼女の座右の銘である「大丈夫」という言葉を書いた手袋に目をやりながら走っている。
草場は15kmを49分55秒で通過。ここまでほとんど水を採らずに走っている。
2位集団から魚崎が脱落し、山梨学院大陸上部出身という、徳島の藤原康至(板野郡陸協)が前に出た。
16.5km過ぎて、先頭の草場が立ち止まる。それまでにも1度立ち止まり、足を伸ばしていたという(カメラは向けていなかった。)なんと、履いていたロングタイツを脱ぎ、それを腰に巻きつけて再び走り始めた。陸上競技場で待つ、西村義弘監督も心配そうな顔でインタビューに応える。
大阪国際女子マラソンに倣って、レースの中盤に、テーマ・ソングが流れる。今年の曲は松山大学出身の4人組、ジャパハリネットの「光明」。ボーカルの城戸けんじろからのメッセージも紹介されている。
2位集団から藤原が飛び出した。先頭との差は300m。3位には村井。
冒頭、昨年のアテネ五輪の女子マラソンでの土佐礼子の走りが映し出される。そして、
「原点はここから・・・」
7年前の第36回愛媛マラソンを走る彼女の映像が登場。初マラソン、記録2時間54分47秒。(ちなみに、映像は中間点通過時のものだったが、タイムは1時間27分2秒。)
現在の彼女へのインタビュー
問「7年前、初マラソンを走り終えて・・・」
土佐「あの時は、足フラフラで、ああ、きついなあと思いました。」
問「愛媛マラソンランナーへのメッセージ」
土佐「日頃の練習の成果を発揮して、最後までしっかり走り切ってください。たぶん、走り終わった後はすっきり気持ちがいい汗をかいたなって思えると思います。頑張ってください。」
「土佐礼子の原点となった大会」という、新たなキャッチ・フレーズがついた、愛媛マラソン。
テレビ中継の解説は、土佐の高校時代の指導者である竹本英利氏。
今回の招待選手は、「'90年代のスピード・スター」早田俊幸(埼玉陸協)。2時間8分台のタイムを出しながら、五輪のマラソン代表には届かず、2003年6月に実業団を引退。
「走るというのは、気持ちよくて楽しいものだと、1度走れなくなって初めて分かった。」
と、再び、走り始めた彼。目指すはマラソン初優勝。
愛媛県内の招待選手は村井啓一(NTT西日本愛媛)。2年前のこの大会、7位でゴールした彼を土佐礼子が笑顔で迎え、バスタオルを肩にかけていた映像が流れる。
昨年12月に、2人はタヒチ島で結婚。本邦初公開?の、土佐のウェディング・ドレス姿が流れた!土佐からも応援メッセージ、
「招待選手なんだから、もう、しっかり!しっかりと走らないと!」
開会式が始まるまで、2人は初対面であろうに親しげに話しているのを、僕は見かけた。全盛期の早田は、村井君にとっても憧れの存在だったろう。
開会式後に会った村井君は、
「いやあ、早田さんっていいひとですよ。」
と話してくれた。気さくになんでも話のできる人、というのは意外に思ったようだ。そう言えば、「ランナーズ」にも、
「会場で見かけたら遠慮せずに声をかけてください。僕は恐い印象があるのか、話しかけたそうにしながら見ているだけの人が多いんですよ。」
という彼の言葉が載っていたが、どうやらウソではないようである。
テレビ中継のゲストはもう一人、4月に開幕するプロ野球の独立リーグ、四国アイランド・リーグの愛媛マンダリン・パイレーツの監督に就任した、西田真二氏。彼にインタビューしている間に、ウォーミング・アップしているランナーたちの様子が画面に映ったが、その中には、社会人野球のクラブ・チーム、松山フェニックスの事務局長さんもいたのは、なんという偶然の一致!
話はそれるが、現在、放送局の買収で話題の的となっているIT企業の社長が、昨年、プロ野球への「新規参入」(去年の流行語大賞にも選ばれたが、今年は「想定の範囲内」が選ばれるだろうか?)を表明した際、新球団の名前を「仙台フェニックス」と発表したが、僕はこれで、
「こいつ、野球を知らんな。」
と思った。仙台出身のスポーツ・ライター、武田薫氏は、彼の新規参入プランを
「情報不足、調査なし、展望なし、狙いは別。」
と切り捨てたが、社会人野球連盟に加入しているクラブの名前くらいはチェックしておけよと思ったのだ。
(今思えば、武田氏の指摘は鋭いな。今の放送局買収にも、そのまま当てはまりそうだ。)
話を戻す。注目選手は他には過去2年連続して3位に入賞している村戸雄輝(広島市陸協)、'99年の北海道マラソン2位の鈴木博幸(富士通)、中央学院大時代に、箱根駅伝のアンカーを走った魚崎裕司(愛媛銀行)。
男子772人、女子71人が正午にいっせいに愛媛県総合陸上競技場をスタートした。
かつては、四国電力、カネボウ、安川電機などの、トップクラス(ニュー・イヤー駅伝に出場する)実業団チームのランナーを招待していた愛媛マラソンだが、昨年あたりからそういったチームの選手の出場が見られなくなった。寂しい事だが、ある意味では、
「市民ランナーのための大会になった。」
と言えなくもないか。
競技場を出ると長い下り坂がある。それを利用して、速いペースに入るランナーもいるが、いきなり飛び出したのは、3年前に3位入賞している草場真二(新日鐵大分)。3km地点で早くも第2集団に80mもの差をつける。
天候は晴れ。気温は10℃を切っている。風は強くはないが冷たい。
5kmを草場は16分22秒で通過。2位集団は17分5秒で通過。2位集団には魚崎裕司、村井啓一らがいるが、早田俊幸はさらにそこから離れた第3集団を引っ張っている。2週間前に別大毎日でペース・メイカーを務め、一週間前にも東京国際マラソンを完走、とかなり無茶なスケジュールをこなしての参戦だが、大丈夫か?(あるいは、100kmマラソン挑戦を見据えているのかもしれない。100kmマラソンを走るランナーは月2~3回フルマラソンを完走することも珍しくない。)
ランナーは県道から国道11号線に入る。この大会の中継は先頭争いばかりでなく、後方を走る市民ランナーにもマメにカメラを向け、プロフィールを紹介する。選手の寄せ書きの入ったシャツを着て走る高校教師、カメラに向かって手を振りながら走る4児のママ、ガンの手術を克服したランナー。その中に、11年前の優勝者、新城薫さんの姿もあった。当時は九州国際大付属高校の教員だったが、その後四国電力に入社し、陸上部のコーチも務めていた。現在も高松に住み、3年前に僕も参加した、「金哲彦のサブ・スリー道場」を高松でも開催するのにも携わった。実は金哲彦氏とは、高校時代、陸上部の同期だったのだそうである。11年前の大会というのは、僕が初めてフルマラソンに挑戦した大会である。
10kmの折り返し地点を草場は32分59秒で通過する。足に不安があるとかで、ロング・タイツ姿だ。2位集団は1分以上の差をつけられている。早田、鈴木博幸らを含む第3集団は35分で10kmを通過する。ここから、国道11号線を中間点まで東に向けて走る。今年は風が追い風となっている。
2位集団に松山工業の渡邊隆之がついている。村戸雄輝、2週間前の丸亀ハーフで1時間6分台を出している福本将太(クラレ西条)もついている。27年ぶりの愛媛県人優勝の期待もかかる村井啓一、今日は妻である土佐礼子から借りたサングラスをかけているという。土佐から贈られた、彼女の座右の銘である「大丈夫」という言葉を書いた手袋に目をやりながら走っている。
草場は15kmを49分55秒で通過。ここまでほとんど水を採らずに走っている。
2位集団から魚崎が脱落し、山梨学院大陸上部出身という、徳島の藤原康至(板野郡陸協)が前に出た。
16.5km過ぎて、先頭の草場が立ち止まる。それまでにも1度立ち止まり、足を伸ばしていたという(カメラは向けていなかった。)なんと、履いていたロングタイツを脱ぎ、それを腰に巻きつけて再び走り始めた。陸上競技場で待つ、西村義弘監督も心配そうな顔でインタビューに応える。
大阪国際女子マラソンに倣って、レースの中盤に、テーマ・ソングが流れる。今年の曲は松山大学出身の4人組、ジャパハリネットの「光明」。ボーカルの城戸けんじろからのメッセージも紹介されている。
2位集団から藤原が飛び出した。先頭との差は300m。3位には村井。
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