KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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東京国際女子マラソン雑感vol.2

2004年11月30日 | マラソン観戦記
先頭集団は四人。千葉真子、孫英傑、ゲテ・ワミ、エルフィネシュ・アレム。全て五輪ないし世界選手権でメダルを獲得するか、入賞しているランナーばかりだ。久しぶりに、「国際マラソン」の名にふさわしい顔ぶれによる優勝争いとなった。

ワミは初マラソンとなった昨年のアムステルダムで、いきなりエチオピア最高記録をマークしたランナーだ。しかし。マラソン経験という点ではアレムの方が一日の長があるようだ。集団の先頭に立ち、レースを動かす。孫が脱落する。先月の北京の頃より体調を崩したようだ。

日本人2位に嶋原清子が浮上した。イタリアのジェノベーゼ、リトアニアのバルシュナイテと集団を形成している。ジェノベーゼ、かなり向こう意気の強そうな表情をしているな、とその時には思った。

30km過ぎて、トップのゴール予想タイムは2時間24分台。ワミが遅れた。おそらくは、最も予想をする人が多かったであろう、千葉とアレムのマッチレースとなった。昨年の世界選手権では千葉が銅メダル、アレムは6位。そのアレムが、去年の東京では高橋尚子を破って優勝。ここで、千葉が「高橋に勝った」アレムに勝てば・・・。

嶋原、ジェノベーゼ、バルシュナイテの3人が孫を捕らえる。ジェノベーゼがペースを上げてきた。

千葉とアレム、どちらが先に勝負を仕掛けるか?坂道が近づいている。ジェノベーゼが3位に浮上。嶋原も孫、ワミを捕らえて4位に浮上する。千葉とアレムのペースが落ちた。それでも、35km地点でジェノベーゼとトップの差は50秒、嶋原は1分の差。

「嶋原は昆明で見た、土佐礼子の練習を見習いたいと言ってました。」
とアナウンサーがコメント。実は土佐と嶋原と千葉は皆1976年生まれの同級生である。

前に出るアレム、しっかりとついて行く千葉。坂を登りきったところでスパートをかける作戦なのだろうか?昨年、アレムがトップに立った、「魔の39km地点」には小出監督が待機している。その小出監督が一言、
「後ろから来たよ、後ろから来ている。」

3位のジェノベーゼが、20秒差にまで迫っているのだ。そして、アレムがスパート、千葉が離された!しかし、解説の増田明美が指摘。
「アレムさんの走りは去年とは違う。足が動いていない。」

ジェノベーゼが10秒差に迫った。「魔の39km地点」を過ぎて、予想外のドラマが始まろうとしていた。

(つづく)


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