2ヶ月以上もブログの更新が停止していたが、実を言うと僕も御多分にもれず、ツイッターやFaceBookといった、新たなSNSにはまってしまっていた。もちろん、それらでは伝えきれない、マラソンにまつわる由なし事のネタはいくつもあったが、帰宅しパソコンに向き合うことも億劫になっていて、いくつかのネタを「賞味期限切れ」で腐らせてしまっていた。
2ヶ月ぶりに僕を、パソコンの画面に向かわせたものは、ボストンからの衝撃的なニュースだった。
第一報を知ったのもツイッターだった。朝、起きればまず目覚まし時計の時刻を確認するよりも先に、ケータイ(いまだにスマホを持っていない)で、ツイッターかFaceBookをチェックする癖がついていた。4月17日の朝のツイッター、僕がフォローしている人たちは、僕が眠っている間にスタートしていたボストンのレース展開をツイートしていた。
そして、ニューヨーク在住のスポーツライター、及川彩子さんからのツイート、
「ボストンマラソンのゴール付近のスタバ(?)で2回爆発が起きて、ランナーと多数のけが人が出た模様。ひどいし、信じられない・・・」(原文ママ)
なんだって?ガス爆発か?
パソコンを開け、ボストンマラソンの公式サイトを見る。何かただごとではない事故が起こったようだ。記録はきちんと掲載されていてチェックする。日本から出場した谷川智浩(コニカミノルタ)が、初マラソンで13位でゴールしている(ボストンは15位までが入賞者として表彰され、賞金が支給される。)が、高揚感は無かった。
朝、6時のNHKのニュースで、爆発の瞬間の映像が映し出された。ゴール地点のすぐ傍で爆発が起こり、ランナーがなぎ倒され、白煙が上がる。ガス爆発ではない。
事故の様相が少しずつ明らかになっていった。これは明らかにテロ行為だ。しかし、誰が何のために?
被害の実態も明らかになった。最初は2名だった死者が3名に。そのうちの一人は8歳の少年で、家族で父親のゴールを見に来ていたのだという。身元不明の残りの死者のうち、一人が判明。中国からボストン大学に留学に来ている女子学生だったという。(外国人ゆえに、身元判明に時間がかかったのだろう。)負傷者の中でも、手足切断の重傷者が10人。その中には死んだ少年の妹もいるという。
爆発の瞬間、ゴール地点の時計が示していたのは4時間9分44秒。これは最も多くのランナーがゴールする時間帯なのである。フィクションの世界では、スポーツ大会をテロリストが攻撃する際、優勝者の命を狙うと予告する、というのが定番だが、ここで狙われたのは、多くの一般のランナー、そう、僕であり、あなたなのである。
ホプキントンからスタートし、長い下り坂を下って、ハートブレイクヒルを越えて、ゴールを目指していたランナーたちを、襲った爆発。悪夢だ。悪夢でしかない。
現時点で、犯人に関する情報は明らかではない。アラブ系に不審者がいたともいうし、テロ組織の仕業ではなく、愉快犯の犯行という可能性も示唆されている。
同じ日にバグダッドでは50人以上の死者が出る爆弾テロ事件が起きている。ボストンの死者は3人であるが、死者の数が問題ではない。ランナーが命を狙われた。その事実が衝撃的だった。望むと望まざるにかかわらず、自分はテロリストから命を狙われる側にいるという事実を思い知らされたのだ。
ボストンマラソンを主催する、ボストン陸上競技協会は、来年以降も大会を継続すると表明している。そうでないといけない。
「GAMES MUST GO ON」
1972年のミュンヘン五輪において、選手村がパレスチナ系のテロリスト集団(当時は「アラブ・ゲリラ」と呼ばれていた。)に襲撃され、イスラエル選手団が多数死亡するという惨事が起こった際、当時のIOCのブランデージ会長はこう発言し、残りの競技日程を全て実施した。ゲームは続けられるべきである。ゲームを中止することは、敗北にあたるからだ。
とは言え、今はまだ、誰が何の目的でこのような事を実行したのか、全く分からない。たとえ、どんな理由があるにせよ、これは絶対に許してはいけない凶行である。
2ヶ月ぶりに僕を、パソコンの画面に向かわせたものは、ボストンからの衝撃的なニュースだった。
第一報を知ったのもツイッターだった。朝、起きればまず目覚まし時計の時刻を確認するよりも先に、ケータイ(いまだにスマホを持っていない)で、ツイッターかFaceBookをチェックする癖がついていた。4月17日の朝のツイッター、僕がフォローしている人たちは、僕が眠っている間にスタートしていたボストンのレース展開をツイートしていた。
そして、ニューヨーク在住のスポーツライター、及川彩子さんからのツイート、
「ボストンマラソンのゴール付近のスタバ(?)で2回爆発が起きて、ランナーと多数のけが人が出た模様。ひどいし、信じられない・・・」(原文ママ)
なんだって?ガス爆発か?
パソコンを開け、ボストンマラソンの公式サイトを見る。何かただごとではない事故が起こったようだ。記録はきちんと掲載されていてチェックする。日本から出場した谷川智浩(コニカミノルタ)が、初マラソンで13位でゴールしている(ボストンは15位までが入賞者として表彰され、賞金が支給される。)が、高揚感は無かった。
朝、6時のNHKのニュースで、爆発の瞬間の映像が映し出された。ゴール地点のすぐ傍で爆発が起こり、ランナーがなぎ倒され、白煙が上がる。ガス爆発ではない。
事故の様相が少しずつ明らかになっていった。これは明らかにテロ行為だ。しかし、誰が何のために?
被害の実態も明らかになった。最初は2名だった死者が3名に。そのうちの一人は8歳の少年で、家族で父親のゴールを見に来ていたのだという。身元不明の残りの死者のうち、一人が判明。中国からボストン大学に留学に来ている女子学生だったという。(外国人ゆえに、身元判明に時間がかかったのだろう。)負傷者の中でも、手足切断の重傷者が10人。その中には死んだ少年の妹もいるという。
爆発の瞬間、ゴール地点の時計が示していたのは4時間9分44秒。これは最も多くのランナーがゴールする時間帯なのである。フィクションの世界では、スポーツ大会をテロリストが攻撃する際、優勝者の命を狙うと予告する、というのが定番だが、ここで狙われたのは、多くの一般のランナー、そう、僕であり、あなたなのである。
ホプキントンからスタートし、長い下り坂を下って、ハートブレイクヒルを越えて、ゴールを目指していたランナーたちを、襲った爆発。悪夢だ。悪夢でしかない。
現時点で、犯人に関する情報は明らかではない。アラブ系に不審者がいたともいうし、テロ組織の仕業ではなく、愉快犯の犯行という可能性も示唆されている。
同じ日にバグダッドでは50人以上の死者が出る爆弾テロ事件が起きている。ボストンの死者は3人であるが、死者の数が問題ではない。ランナーが命を狙われた。その事実が衝撃的だった。望むと望まざるにかかわらず、自分はテロリストから命を狙われる側にいるという事実を思い知らされたのだ。
ボストンマラソンを主催する、ボストン陸上競技協会は、来年以降も大会を継続すると表明している。そうでないといけない。
「GAMES MUST GO ON」
1972年のミュンヘン五輪において、選手村がパレスチナ系のテロリスト集団(当時は「アラブ・ゲリラ」と呼ばれていた。)に襲撃され、イスラエル選手団が多数死亡するという惨事が起こった際、当時のIOCのブランデージ会長はこう発言し、残りの競技日程を全て実施した。ゲームは続けられるべきである。ゲームを中止することは、敗北にあたるからだ。
とは言え、今はまだ、誰が何の目的でこのような事を実行したのか、全く分からない。たとえ、どんな理由があるにせよ、これは絶対に許してはいけない凶行である。