観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

鳥が少なくなった言い訳?

2015-01-17 17:26:21 | 秋の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間  9時23分 潮位106cm

今日の満潮時間 15時03分 潮位195cm

 毎日、来館者に言い訳するのも辛いので、今年の冬のハマシギやダイゼンが少ない理由を考えてみました。

 庄内川河口部は泥の干潟でした。2000年9月の東海豪雨、2011年9月の台風15号で大きく干潟の形状が変わりました。そして干潟の上にかなりの厚さで砂が被さって来ています。5年前なら干潟に降りると泥にハマって抜け出すのが大変でしたが、ここ数年は水辺以外では普通に歩くことが出来る状態に変わってきています。

 干潟のカニも場所によっては泥地を好むヤマトオサガニが減り、砂地に多いチゴガニの生息域が増えてきました。貝類も、シジミが少なくなって、干潟の上には以前余り見かけなかった巻き貝のヘナタリが干潟の上に増えてきました。
ネットでググったら「西太平洋地域の干潟に生息する巻貝類とそれに寄生するセルかリア類の現状と保全」と言うヘナタリの生息環境に関する研究がありました。
その時の研究の記事にはヘナタリが生息していない藤前干潟と生息している地域の差が書かれています。その時の藤前干潟は、生息している干潟に比べ、砂の粒度が細かい(勝手に要約)と書かれています。

豪雨や台風の後、ここ数年は庄内川上流部で河道掘削も行われていて、上流部からの砂の流入が多くなったことも大きな原因と考えられます。

もちろん昔から砂も上流から運ばれていたと思いますが、以前なら底生生物のゴカイ等が、干潟をかき回し泥の干潟に戻っていたはずです。そしてもう一つ流域の下水道の完備等により河川に栄養分が流れ込むことが少なくなったことも泥の生き物が少なくなった理由と考えています。

その証拠に宝神下水処理場がある庄内側左岸は他の場所に比べて、カモ類やシギ・チドリ類、カニを捕るズグロカモメが多く観察されています。

あくまで私の考えです・・・信用しないでくださいm(_)m、長文に、お付き合いありがとうございました。

今日観察出来た主な野鳥 ハジロカイツブリ5、カンムリカイツブリ5、カワウ2606+、アオサギ22、マガモ27、カルガモ24、コガモ125、オカヨシガモ2、ヒドリガモ18、オナガガモ913、ホシハジロ2、キンクロハジロ205、スズガモ138、ホオジロガモ1、ミサゴ4、オオタカ1、チュウヒ1、ハヤブサ1、シロチドリ48、ハマシギ140、ダイシャクシギ4、ユリカモメ66、セグロカモメ59、カモメ140、ズグロカモメ11

明日の干潮時間 10時21分 潮位 96cm

明日の満潮時間 15時58分 潮位209cm

コメント
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