川越スカラ座で、鋤田正義のドキュメンタリーを観る。国内外の名だたるアーティストを撮った説明不要の写真家であるが。
被写体の魂を愛することで、撮り終えた人物を丸っと虜にする人となりがよく理解できた。
出世作は若き日のデヴィッド・ボウイのポートレイト。少年時代、母親に二眼レフを与えられて、
初めて撮ったのは、祭り装束の母親の横顔。
80歳の現在、撮影した写真の中で1枚だけ選べと言われれば「母親の横顔かも」と本人は語る。
ドキュメンタリーの中で、同郷のリリー・フランキーがいみじくも「お母さんの写真の中に、その後の労作のエッセンスが見て取れる」と語っている。
人たらしというと下品になるが、惹かれずにはいられない魅力ある人間を余すところなく描いた作品。
映画館のそばに、こんなスタバが出現。