アニメ作品は観ない映画ファンです。『この世界の片隅に』は例外として。
ポリゴンの画像技術を用いた3D作品。北の政治犯収容所の実態を伝える事実に基づく作品。

ドキュメンタリーは撮れる筈はなく、実写では生々しく、また2次元アニメでは漫画調になるはず。3Dアニメがこれほど胸に刺さるとは。

在日の家族が、1960年代の帰還事業で北朝鮮に移住し、ある種の特権階級として暮らしていた。
家長である父が思想犯として逮捕されると同時に、家族は生き地獄である収容所送りとなる。
そこは地獄の1丁目であり、常に死が目の前にあった。劣悪な環境では、病気ばかりでなく殺戮もあった。
迫害と疎外は戦勝国の内部にも存在する。
戦争は必ず悲劇という帰結しか生まない。