定年 再就職とシネマの日々(旧かんちゃんSr.のオヤジな日々)

あと3年で70の大台です。再雇用の職場も定年、パート仕事をしています。映画と写真を愛しているオヤジです。

揺らがないのは母のみで

2021年06月21日 19時16分00秒 | 日記
セレブを絵に描いたような夫婦だが、妻(スーザン・サランドン)の病は重く、日常の立ち居も不自由だ。
医師である夫の診断と承認を得、安楽死を決意する。もちろん違法行為であるがXデイ前日、2人の娘とその家族が参集する。姉妹は仲が悪い。

家族ばかりでなく、本人の学生時代からの親友1名。次女の同性パートナーも家族同然に振る舞っている。
最後の晩餐、全員は母の意思を尊重し平静を装うが、食後に葉っぱを回し呑みし、それぞれが一発芸を披露するあたりから、徐々に様子が。
葉っぱのせいではなかろうが。

そこから、各自のカミングアウトが始まり、母旅立ちの前夜とは思えぬ破廉恥な方向に話題が進行して。
(中略)
仲が悪い姉妹が結束し、母の死を阻止することを決めるのだが...
(結末は略)

周囲はオロつくばかりだが、母の意思は変わらず、尚且つどんな雑音・不協和音にも動じない。

いみじくも、僕は母親の最期を想起した。母は2度の入院を経て他界した。途中僕の家で4週間寝ていた時「もう死ぬのかね?」と達観した如く僕に問うたのだ。
介護タクシーを頼んで、2度目の入院の時は、既に首が座らないので、背負おうとした僕を決然と拒絶したのだ。
その後は、意識を失わないまま、淡々と過ごした最期だった。
小心者の僕は、母のような毅然とした終わりを迎えられるでしょうか。

『ブラックバード〜家族が家族であるうちに』(2019年 米英合作)