落葉松亭日記

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漢字制限

2008年01月13日 | 日常・身辺
 漢字は一目でイメージが浮かび、それを「かな」でつないで文章にするという日本の記述方法は素晴らしい。
 パソコンの漢字変換技術の向上で、難しい字が実際には書けないが文書に記述できるようになった。古来からある漢字、国字を全て使えるようにすべきではないか。それでまた、変換技術がさらに向上する余地が出来、表現が豊かになる。
 かく言う無学な自分も読めない漢字が多い、書けない漢字もパソコンを活用にするようになって益々増えている。しかし、調べる楽しみもある(それもパソコンで簡単に調べられる)。記述者はルビを振ってでも使いたい場合もあるだろう。以下の「主張」は大いに賛成するところだ。お役人は下々を愚民にしておきたいのではなかろうな。
【主張】常用漢字 新基準は制限色を薄めよ 2008.1.13 02:16 産経
 常用漢字表(1945字)の改定作業を進めていた文化審議会国語分科会漢字小委員会は、「岡」「熊」「茨」など都道府県名に用いられている漢字を常用漢字とする案を、上部組織の国語分科会に報告することを決めた。こんな字も常用漢字でなかったのかと思った向きもあったに違いない。
 常用漢字表は昭和56年に、それまでの当用漢字表に代わって制定されたもので、これまで四半世紀以上にわたって改定されることがなかった。この間に、パソコンなど情報機器が普及し、文章作成環境が大きく変化した。
 変換ソフトの利用で、手書きでは書けなくとも、読めて意味の分かる字種が増え、文字生活が常用漢字の基準と合わなくなる状況が出てきた。必要な字種が表内にないことによって、「破たん」「けん制」のような交ぜ書きが広く行われ、国語表記を著しく曖昧(あいまい)で読みにくいものにした。
 わが国の国語表記は漢字仮名交じり文が基本である。ここを押さえれば、見直しで文字生活の実情に少しでも近づけようとしていることには一定の評価を与えることができる。名称はなお検討課題のようだが、常用漢字表のほかに準常用漢字表を立てて、字種を拡大しようとしている方向性もよい。
 ただし、簡単に漢字が打ち出せるので漢字多用化傾向が強まるから、むしろ常用漢字表の意義が高まるという基本的な考え方には疑問がある。
 漢字は難しい、中でも字画の込んだ字は難しいというのは、これまでの国語政策の考え方の中心にあった固定観念ではないのか。漢字の中で最も多い形声文字は、字形が意符と音符の部品で組み立てられている。その字形と、字音、意味がセットになった記号だから、音声を表すだけの仮名よりもずっと分かりやすく、理解しやすいという研究もある。
 文字は同時代だけでなく、歴史を貫いて継承されるべき高度な公共財だ。出現頻度の調査資料についても戦後国語政策を反映していない戦前の文献にも同等の重きを置くなどの配慮が望ましかった。さらに、論議を深め、文化の継承の意義を重く見て、新漢字表の提示に当たっては、ルビの活用を明示するなど制限色を極力排したものとなることを強く望みたい。

 昭和56年7月、長男が誕生し届けに行ったところ、人名漢字表にないということで断られ、無念な思いで他の同じ読みの漢字にした。ところがわずか2,3ヶ月後の10月に制定された常用漢字表には当初に届けに行った漢字が載っていたので悔しい思いをしたことがある。