落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

友愛の海でシナ掘削開始

2010年01月07日 | 政治・外交
中国、合意破り掘削 東シナ海のガス田「樫」 2009.1.4 01:30 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090104/plc0901040130000-n1.htm
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 東シナ海のガス田問題で、日中両政府が平成20年6月に共同開発で合意した直後、中国が継続協議の対象となり現状を維持すべき「樫(かし)(中国名・天外天)」で新たに掘削を行っていたことが3日、分かった。明確な合意違反で日本側は抗議したが、中国側は樫での掘削を終え、生産段階に入った可能性が高い。主権と権益確保に向け、日本政府が対処方針の見直しを迫られるのは必至だ。
 樫ではこれまでにも構築物(プラットホーム)から炎が出ているのが確認されていたが、日中合意後、共同開発の協議対象である4カ所のガス田で、中国側の不当な単独開発が明らかになったのは初めて。
 日中両政府は20年6月、ガス田問題で合意。「翌檜(あすなろ)(同・龍井)」付近での共同開発と「白樺(しらかば)(同・春暁)」で日本の出資が決まった。樫と翌檜の本体、「楠(くすのき)(同・断橋)」は共同開発の合意に至らず、継続協議の扱いになり、両国には現状維持が求められる。
 この合意直後の7月上旬ごろ、樫のプラットホーム周辺の海域が茶色く濁っているのを、海上自衛隊のP3C哨戒機が確認した。その後、変色した海域が拡大したり、海面が激しく泡立ったりしたのも把握。防衛省はこれらの情報を外務省や資源エネルギー庁に連絡した。
 同庁によると、海域の変色は海底掘削で汚泥が出たためとみられる。海面が泡立った原因は、プラットホーム上の発電機の冷却水が高温だったか、掘削用の機材などの熱源が海水に触れたことが挙げられる。
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 6月ごろ、樫のプラットホームに多数の長いパイプが置かれていたことも判明。10月にはパイプは撤去され、ボートに積み込まれたのも確認された。パイプは掘削用ドリルを通すために使われたとみられる。
 時系列でみると、中国は7月ごろパイプやドリルを使い、樫で掘削を開始。掘削は最短で1カ月程度で終わるとされ、パイプが撤去されたことで、掘削を終え、石油と天然ガスの採掘に入ったとの見方が強い。
 樫は白樺、平湖(中国名)とともに、石油などを中国本土に送るパイプラインでつながっている。樫では17年以降、プラットホームの煙突から炎が出ているのも確認されている。
 ただ、パイプが撤去された前後から、樫の煙突から出る炎は大きくなり、色も薄い黄からオレンジに変わった。日本側はこの変化について、以前は平湖などからパイプラインで輸送され、濾過(ろか)された石油などを燃焼させていたが、樫で直接吸い上げたものを燃焼させ始めた兆候と分析している。
 日本政府内には「中国側は継続協議の対象になった樫などの単独開発に固執しており、一方的に開発を進めていくとの懸念が現実化した」との指摘がある。
 日本政府は、樫での掘削が日中合意に反するとして中国側に抗議したが、中国側はP3Cの警戒監視飛行を「妨害行為」などと逆抗議してきている。
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【用語解説】ガス田問題
 東シナ海の天然ガス田開発をめぐる日中間の対立。中国は平湖で約10年前から生産を開始。白樺では平成17年8月から掘削に着手したが、中断した。樫でも同年9月に炎が確認された。日本政府は探査の結果、白樺、楠、翌檜のガス田の地下構造が日本の主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」の日本側までつながっており、樫もつながっている「可能性がある」と結論づけた。日本政府は同年8月、帝国石油に中間線の日本側海域での試掘権を付与したが、試掘は行われていない。
【用語解説】日中合意
 平成16年6月、中国による日中中間線付近でのガス田開発が発覚し、問題化。日本側の抗議を受け、同年10月から局長級協議が始まった。主権に絡むEEZの境界線について、日本側は両国の海岸線から等距離の中間線、中国側は沖縄諸島の西側まで広がる大陸棚の東端「沖縄トラフ」を主張して対立したが、境界画定を棚上げした形で20年6月に合意。了解事項として、樫、楠、翌檜は「共同開発をできるだけ早く実現するため、継続して協議を行う」と明記されたが、合意後、協議は一度も開かれていない。


これまでの経過
(東シナ海ガス田開発 中国「領土問題」認知狙う スキ与えた日本 2006/03/17産経などから)

1969年
 国連アジア極東経済委員会が報告書で尖閣諸島周辺に石油埋蔵の可能性指摘・帝国石油が東シナ海での試掘を申請

1970年 中国が尖閣諸島の領有権を主張
1972年 沖縄返還で日本に尖閣諸島の施政権が戻る
1978年4月 武装した中国船100隻以上が尖閣諸島周辺に集結し、領海侵犯
1978年10月 日中平和友好条約調印。トウ小平副首相が尖閣諸島の領有権問題先送りを提案

1980~1990年代 シナ中間線にほぼ沿った中国側海域の約20カ所でボーリングを開始。
1996年6月
 国連海洋法条約を批准し、7月20日に発効したが、その際、日本政府はわが国の周辺海域に排他的経済水域を設定し、東シナ海に中間線を引いてしまった。
 日中中間線は、両国がそれぞれ200カイリの線引きをすると重なるから、政治交渉をして真ん中で等分する考え方である。日中中間線は、食い違う海域の境界線を解決する政治交渉の落としどころであるのに、日本政府は政治交渉をする前に自分から引いてしまったのだ。
 日本政府がことの重要性を初めて知ったのは、それからさらに10年近くたった一昨年6月に、中国が中間線に近い春暁ガス田の開発に取り組んだときである。

2003年8月 中国が日中中間線に近接する中国側で白樺石油ガス田開発に着手
2004年6月 日中外相会談で日本は中国に中国側の鉱区設定のデータ提供を要請。中国側は共同開発を提案
2004年10月 ガス田開発に関する初の日中局長級協議
2005年5月
 第2回局長級協議で日本側が中国側に開発の中止と地下構造データの開示を要求も中国側は同意せず
2005年7月 経産省が帝国石油に試掘権を与える
2005年9月
 中国の最新鋭駆逐艦など5隻の軍艦が白樺ガス田周辺を航行・中川昭一経産相が樫石油ガス田の生産開始を発表・第3回局長級協議。日本側が白樺・樫など4カ所のガス田で共同開発提案

2006年2月 二階俊博経産相が中国の温家宝首相と会談
2006年3月
 第4回局長級協議。中国が日本の共同開発案を拒否し、尖閣諸島付近と日韓大陸棚共同開発区域での共同開発を提案・ 親中派二階経産相、麻生外相を批判 対抗措置発言を牽制

2006年9月
 天然ガス田「白樺」(中国名・春暁)について、中国系香港紙「大公報」は31日、同ガス田から浙江省に向け、供給が昨年9月から開始されていたと伝えた。

2007年1月 中川政調会長、日中ガス田協議への政府対応を批判
2007年2月 EEZ内にシナ調査船
2007年11月
 東シナ海ガス田開発をめぐる日中共同開発案について、日本政府は、中国側が「白樺」(中国名・春暁)ガス田を含めた日中中間線にまたがる海域での共同開発に応じるのであれば、中間線の日本側の一部での共同開発を認めることを打診していたことが16日、分かった。14日の局長級協議で中国側に明言した。協議ではまた、日本側が協議の停滞を理由に試掘を示唆した際、中国側が「そうなれば(中国海軍は)軍艦を出す」と発言していたことも新たに判明した。

2008年1月
 シナが東シナ海ガス田の共同開発を打診してきたものの、その後協議は停滞、日本側がガス田試掘開始を示唆すると「そうなったら戦争だ。軍艦を出す」と複数回にわたり脅された。

2008年8月
 福田政権はシナの五輪を配慮し、「(北京五輪で)大変だろうし、その話は無理せずにやっていただいていいから」と述べ、自ら詰めの協議の五輪閉会後への先送りを提案していた。

2009年10月 鳩山氏・温家宝氏会談で東シナ海を「友愛の海」にしたいと述べるも進展なし。

ここ数年、日本の政権はころころと代わるが、シナは胡錦涛・温家宝と一貫している。
600人小沢訪中団は胡錦涛と記念写真ツアー、友愛の海、沖縄基地問題日米安保に亀裂・・・ぼやぼやしている間、シナは実にいいタイミングで実利を獲っているように見える。