日本は漂流しはじめているのではないか・・・・
日本の存在感、信用の失墜
【主張】補給支援打ち切り 国益を失う愚かしい選択 2010.1.15 02:49 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100115/plc1001150249000-n1.htm
平成13年12月から、一時中断期間をはさみ、約8年間にわたって続けられてきたインド洋での海上自衛隊による補給支援活動が、15日で打ち切られる。
テロとの戦いからの日本の離脱である。日本にとって重要な海上交通路の安全確保からも手を引く。国際社会の対テロ活動の責務を担えないことが、国益をいかに損なうか。愚劣な選択と言わざるを得ない。
愚かさを象徴するのは、政府が昨年11月にまとめたアフガニスタンへの新支援策だ。警察官の給与負担や元タリバン兵士の職業訓練、農業分野など民生支援分野に5年間で50億ドル(約4500億円)を提供する。
年間900億円を無償資金として供与するが、汚職が断ち切れないカルザイ政権へのばらまきにならないか。支援の詳細もまだ公表されていない。そもそも治安が悪化している状況下での民生支援は可能なのか。
一方で、海自の補給支援に要した費用は、平成20年度の1年間でも約70億円でしかない。
新支援策は自衛隊による人的貢献策を最初から除外しており、テロとの戦いで国際社会と共にコストとリスクを分かち合おうという考え方に立っていない。テロとの戦いとして高い評価を受けるのは難しく、小切手外交との批判を招きかねない。
鳩山由紀夫首相は補給支援に匹敵する代替案をいまだに見いだせていない。民主党は小沢一郎幹事長が代表時代に補給支援を「憲法違反」と断じる一方、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)参加を提起したが、党内では具体的な議論としてほとんど検討されなかった。同党が国会に出したアフガン支援法案も、停戦合意か治安の安定を前提とする内容で現実性に欠けていた。
補給支援からの離脱で、活動を通じて得られていたインド洋海域の情報は入りにくくなり、安全確保を困難にする。日米同盟の信頼性も棄損した。失うものの大きさを首相はあらためて受け止め、まだ着手していない自衛隊の海外派遣に関する恒久法の検討などに取り組んでもらいたい。
一方で、灼熱(しゃくねつ)の洋上で、熟練した技術を要する補給支援を着実に重ねてきた海自隊員らは、国際社会から高い評価と信頼を勝ち得てきた。その労苦には心から敬意と感謝の念を表明したい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100115/plc1001150249000-n1.htm
平成13年12月から、一時中断期間をはさみ、約8年間にわたって続けられてきたインド洋での海上自衛隊による補給支援活動が、15日で打ち切られる。
テロとの戦いからの日本の離脱である。日本にとって重要な海上交通路の安全確保からも手を引く。国際社会の対テロ活動の責務を担えないことが、国益をいかに損なうか。愚劣な選択と言わざるを得ない。
愚かさを象徴するのは、政府が昨年11月にまとめたアフガニスタンへの新支援策だ。警察官の給与負担や元タリバン兵士の職業訓練、農業分野など民生支援分野に5年間で50億ドル(約4500億円)を提供する。
年間900億円を無償資金として供与するが、汚職が断ち切れないカルザイ政権へのばらまきにならないか。支援の詳細もまだ公表されていない。そもそも治安が悪化している状況下での民生支援は可能なのか。
一方で、海自の補給支援に要した費用は、平成20年度の1年間でも約70億円でしかない。
新支援策は自衛隊による人的貢献策を最初から除外しており、テロとの戦いで国際社会と共にコストとリスクを分かち合おうという考え方に立っていない。テロとの戦いとして高い評価を受けるのは難しく、小切手外交との批判を招きかねない。
鳩山由紀夫首相は補給支援に匹敵する代替案をいまだに見いだせていない。民主党は小沢一郎幹事長が代表時代に補給支援を「憲法違反」と断じる一方、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)参加を提起したが、党内では具体的な議論としてほとんど検討されなかった。同党が国会に出したアフガン支援法案も、停戦合意か治安の安定を前提とする内容で現実性に欠けていた。
補給支援からの離脱で、活動を通じて得られていたインド洋海域の情報は入りにくくなり、安全確保を困難にする。日米同盟の信頼性も棄損した。失うものの大きさを首相はあらためて受け止め、まだ着手していない自衛隊の海外派遣に関する恒久法の検討などに取り組んでもらいたい。
一方で、灼熱(しゃくねつ)の洋上で、熟練した技術を要する補給支援を着実に重ねてきた海自隊員らは、国際社会から高い評価と信頼を勝ち得てきた。その労苦には心から敬意と感謝の念を表明したい。
日本の存在感、信用の失墜
No.479 日本のプレゼンス 平成22年 1月15日(金) 西 村 眞 悟
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?mode=Printview&page=479
現在、小沢民主党幹事長の資金関係について連日検察の捜査と小沢氏の対応が報道されている。
検察には、「証を得て、人を得る」つまり、証拠を集めて、その上で身柄を獲る、という伝統的でオーソドックスな捜査方針がある。
検察は、この方針通り、捜査を進めていると思われる。従って、現在の捜査の目指すところは、身柄を獲ることにあるのは明らかだ。
それ故、連日報道が過熱になり、それと反比例して政治家は口を閉ざしている。民主党の議員は、唇が寒いのかものが言えなくなっている。
しかし、小沢氏を、検察の捜査で連日報道されるだけの存在に留めておいていいのであろうか。
いま、我が国を取り巻く内外の政治状況は、まことに厳しい。そのなかで、検察の捜査だけに国民の関心が集中し、政治家もそれに併せて口をつぐんでいてはならないのではないか。
小沢氏は、政治家なのであるから、今世界情勢のなかで生起している事態に関して、彼の政治的責任を点検するという視点が失われてはならない。
彼は国内では、マスクに顔を隠して裏に隠れるようにもそもそ動いているが、今でも与党の幹事長であり、北京やソウルでは、総理大臣を凌ぐ国家代表の如き待遇を受けているのである。
従って、現在の我が国の状況に関しては少なからず政治責任がある。しかも、この分野の責任の方が、検察が担当する刑事責任より遙かに重い。
昨日、メールを見ていると、日本に謎の鳥がいると書いてあった。この鳥は、中国からみれば「カモ」、アメリカからみれば「チキン」、欧州からは「アホウドリ」、
そして国内の有権者からみれば「サギ」、
ところが鳥自身は自分のことを「ハト」と呼んでいるが、
結局は「ガン」ではないか。このように書いてあった。
実に適切だ。では、この鳥の生息場所は何処か。
それは小さな沢、もしくは、汚い沢だ。つまり小沢か汚沢だ。マスコミは、捜査のことばかりではなく、こういう政治責任の角度からの報道を続けて欲しい。
さて、小さな沢を生息場所とするこの鳥が、つがいで飛びながら、我が国の国際的プレゼンスを急速に低下せしめている。
本日1月15日を以て、インド洋における多国籍海軍艦艇に対する我が国の給油支援活動が打ち切られる。
この洋上補給活動を「憲法違反」と言ってきたのが小沢幹事長である。そして、その考え通り、本日補給活動が打ち切られる。従って、この打ち切りに関して小沢氏は重大な政治的責任を負わねばならない。
これは、国際的な我が国のプレゼンスにかかわることだからである。
我が国では「テロとの戦い」と呼ばれている。この呼び方は、「覚醒剤との戦い」や「密輸との戦い」などと同じように、一部局の戦いのような意味合いに感じられる。
しかし、この日本語は
「Global war on terorrism(GWOT)」を訳したものであり、原義に忠実に訳せば、
「テロとの世界戦争」もしくは「世界テロ戦争」とならねばならない。第三次の「世界大戦」と捉える方が原義に近い。これほどの「世界的取り組み」なのだ。
従って、この度のインド洋活動の打ち切りは、我が国がこの「世界戦争」がら脱落したことを意味する。
つまり、我が国は大きな恩恵を受けながら、自らは世界テロ戦争における国際社会の責務を放棄して、国家としてのプレゼンスを棄てるのだ。
このように、我が国の国際的評価を棄損するこの度の打ち切りの責任は、我が国にいる謎の鳥と、今襟巻きとマスク姿で闇夜に動いている人物が負うべきである。
以前、ASEANセンターの中島愼三郎さんとインドネシアに行って、中島さんの通訳でインドネシア海軍の参謀総長と話し合ったことがある。彼は、こう言った。
「はやく、日本海軍に来て欲しい。日本海軍が来れば、シナの船などいちころだ。我々は限られた予算で海賊を退治して日本へ向かう船が通る海峡の安全を守っている。
しかし、この頃は、海賊の方が資金が豊富で良い船をもっていてなかなか取り締まれない。」
彼に言わせれば、帝国海軍以来の軍艦旗を掲げた日本の海上自衛隊の艦艇がマラッカ海峡を行き来することは、実にその海域の治安維持に効果があるという。
このASEANからインド洋に抜ける海域に面した諸国は、植民地からの独立を欧米への日本の戦いとともに果たしている。従って、日本に対する期待は今も非常に大きいものがある。
また、フィリピンのミンダナオから人口2億を超える東西5000キロの群島国家インドネシアにかけては、世界最大の人口を抱えるムスリム地帯である。そして、インド洋に面するパキスタンもムスリムだ。
従って、この地域のムスリム達は、日本の自衛艦がインド洋で同じムスリムのパキスタンをサポートしてくれていると思って見守っていたはずだ。
パキスタンとしても如何に「世界テロ戦争」とはいえ、キリスト教国の軍艦から油の支援を受けるより、非キリスト教国の日本からの給油支援をありがたく受け入れている。ムスリムへの支援、これが、欧米の活動よりも勝る日本の活動の特色である。
以上が、この地域における日本のプレゼンスというものだ。
政治家なら、本を読むより、肌で感じなければならない。中国詣でをしている者は分からない。
私は、この十年間ばかり欧米諸国よりも、インドネシア、ミャンマーという地域を歩き、この地域の日本への熱い期待を知るとともに、独自外交ができない日本のプレゼンスの低下を年々感じてきた。
この度の、国内の無能で無責任な政治による、インド洋における「世界テロ戦争」における日本の任務放棄、脱落は、さらに一段と我が国の評価を低めた。
とは言え、灼熱のインド洋において我が国の海上自衛隊は、
長年にわたり、各国艦船に世界最優秀の技量を示して洋上補給活動を遂行し、国際社会と各国海軍から高い評価と信頼を得てきた。その活動が我が国と日本人の国際的評価を高からしめた功績は計り知れない。ここに心より、感謝し敬意を表する。
本日帰路につく最後の輸送船は数年前に舞鶴港で船内を見学した新鋭の「ましゅう」である。
愛着を感じ、ご苦労さんと申し上げる。
さて、プレゼンスには関係するが、話題が全く違う経済のことに触れておきたい。
近頃、国際経済における我が国のプレゼンスが低下しているとする評論が横行し、悲観的な情報が耳目を覆い、あたかも日本国民に自信をもたせないようにしているかの如きである。
そして、中国の統計によると、2010年に、中国のGDPは日本を追い抜くという。中国内では、日本が焦り驚いた、と報じたようだ。
同時に、日本国内においても、ここ数年、中国経済の急成長に迎合し褒め称える論評が目立つ。
果たしてそうか。
中国経済は
世界に「失業」を輸出して金を稼いでいる。
つまり、低賃金が中国最大の強みである。これは即ち、中国経済は、国内の貧富の格差を「資源」として動いているということである。
従って、国内の貧富の格差が拡大すればするほど中国経済は潤う。この結果、中国14億の人口のうち、13億は、未だ最貧層であり沿岸部の6,000万人ほどが潤ってきている。
つまり、同じ国内に圧倒的多数の「暗黒大陸」と少数の「ヨーロッパリゾート村」をもっているのが中国である。その結果、年間、8万から10万回の暴動が各地で起こっている。そして政府は、チベットやウイグルと同様に、必死になって弾圧している。
このような国が、世界に何の貢献をしているのか。
このような国に、未来はあるのか。
冷静な投資家なら、何かの切っ掛けで一挙に資金を引き揚げるだろう。その時、中国経済はすぐなくなる。中国は、極めてもろい。
では、日本は、どうか。日本は、世界に「雇用」を輸出している国である。
一九七一年のニクソンショックにより一ドル360円の時代が終わり、あれよあれよという間に、円が急上昇して一九九五年に一ドル79円を記録した。
この間日本は、世界各地に工場を進出させた。そして、今やアメリカや欧州の雇用の10%は日本の工場によって生み出されている。
一九七一年以来、これだけ円が上がれば、今まで通りの輸出で稼げるはずがない。今でも日本は「輸出依存」だから円高で打撃を受けているというが、これは嘘だ。これだけの急激な円高の中で、仮に「輸出依存」を続けておれば、日本経済はとっくになくなっている。
日本は今、巨大な「内需依存」の国になっている。
それでも、日本が今でも毎年10兆円の貿易黒字を記録するのは、日本は、優秀な製品を作ることができる日本でしか作れない「資本財」を輸出しているからだ。
中国も韓国も、何か製品を作って輸出しているが、それを作るためには、日本が造る工作機械がいる。従って、彼らが輸出によって稼げば稼ぐほど、日本に対して工作機械の代金を払わなければならない。これが、日本強さである。
さらに、世界にある日本の工場で生み出される富は、世界各国のGDPを引き上げ、そこで働く各国の労働者の賃金を引き上げる。現在の日本経済の構造は、世界の勤労者の生活向上に大きな役割を果たしている。
現在、このような大きな力を持っている国は、日本だけである。
「この20年の中国経済の成長は、日本の高度経済成長時代を上回っている。従って、これからは中国の時代だ」、という専門家もいる。
しかし、日本の成長と中国の成長は、同じだろうか。 記憶をたどっていただきたい。
日本の成長は、貧富の格差を無くす方向に作用して「一億総中産階級社会」を作り出した。
中国の成長は、既にみたように、国内の格差を資源として生み出された。自らは一切新製品開発の手間を引き受けようとしない。ただ、低賃金で低価格の品を作るだけ。
従って、暗黒大陸に固定された貧民層とヨーロッパリゾート村に住む少数の富裕層を生み出している。しかも、このリゾート村に住む連中は、実業ではなく、共産党幹部であったり国営企業幹部であったりマネーゲームの専門家、裏社会の蛇頭などだ。
以上の通り、経済においても、我が国の大きなプレゼンスを看ることができずに悲観論を広げているのは、我が国の政治家と評論家だと思われる。
つまり、昨年末に、日比谷公園に「派遣村」を演出して、我が国の経済構造の「悲惨さ」、「歪さ」を煽った連中である。
ここにおいても、インド洋と同様、評価を低下させている政治の無能を怒るとともに、家族から離れ、世界各地の工場で優秀な製品を生み出すため、現地労働者に溶け込み指導に当たっている我が日本人労働者のご苦労に敬意を表し感謝する。
(了)
(参 考) *いよいよ明後日です!
西村真悟を応援する近畿の会 新年互例会
日 時 : 平成22年1月17日(日)12:00~15:00 (11:00~受付開始)
12:00~14:00 講演会、14:00~15:00 懇親会
場 所 : ホテル大阪ベイタワー4F ベイタワーホール
大阪市港区弁天1-2-1 JR環状線・地下鉄中央線 弁天町駅徒歩2分
講 師 : 田母神俊雄(元航空幕僚長)、西村真悟(前衆議院議員)
会 費 : 10,000円
定 員 : 300名(定員になり次第締切)
申 込 : 西村真悟を応援する近畿の会事務局 TEL:06-6576-4567
*まだ若干の席がございますので、ご希望の方は奮ってご応募ください。
以 上
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?mode=Printview&page=479
現在、小沢民主党幹事長の資金関係について連日検察の捜査と小沢氏の対応が報道されている。
検察には、「証を得て、人を得る」つまり、証拠を集めて、その上で身柄を獲る、という伝統的でオーソドックスな捜査方針がある。
検察は、この方針通り、捜査を進めていると思われる。従って、現在の捜査の目指すところは、身柄を獲ることにあるのは明らかだ。
それ故、連日報道が過熱になり、それと反比例して政治家は口を閉ざしている。民主党の議員は、唇が寒いのかものが言えなくなっている。
しかし、小沢氏を、検察の捜査で連日報道されるだけの存在に留めておいていいのであろうか。
いま、我が国を取り巻く内外の政治状況は、まことに厳しい。そのなかで、検察の捜査だけに国民の関心が集中し、政治家もそれに併せて口をつぐんでいてはならないのではないか。
小沢氏は、政治家なのであるから、今世界情勢のなかで生起している事態に関して、彼の政治的責任を点検するという視点が失われてはならない。
彼は国内では、マスクに顔を隠して裏に隠れるようにもそもそ動いているが、今でも与党の幹事長であり、北京やソウルでは、総理大臣を凌ぐ国家代表の如き待遇を受けているのである。
従って、現在の我が国の状況に関しては少なからず政治責任がある。しかも、この分野の責任の方が、検察が担当する刑事責任より遙かに重い。
昨日、メールを見ていると、日本に謎の鳥がいると書いてあった。この鳥は、中国からみれば「カモ」、アメリカからみれば「チキン」、欧州からは「アホウドリ」、
そして国内の有権者からみれば「サギ」、
ところが鳥自身は自分のことを「ハト」と呼んでいるが、
結局は「ガン」ではないか。このように書いてあった。
実に適切だ。では、この鳥の生息場所は何処か。
それは小さな沢、もしくは、汚い沢だ。つまり小沢か汚沢だ。マスコミは、捜査のことばかりではなく、こういう政治責任の角度からの報道を続けて欲しい。
さて、小さな沢を生息場所とするこの鳥が、つがいで飛びながら、我が国の国際的プレゼンスを急速に低下せしめている。
本日1月15日を以て、インド洋における多国籍海軍艦艇に対する我が国の給油支援活動が打ち切られる。
この洋上補給活動を「憲法違反」と言ってきたのが小沢幹事長である。そして、その考え通り、本日補給活動が打ち切られる。従って、この打ち切りに関して小沢氏は重大な政治的責任を負わねばならない。
これは、国際的な我が国のプレゼンスにかかわることだからである。
我が国では「テロとの戦い」と呼ばれている。この呼び方は、「覚醒剤との戦い」や「密輸との戦い」などと同じように、一部局の戦いのような意味合いに感じられる。
しかし、この日本語は
「Global war on terorrism(GWOT)」を訳したものであり、原義に忠実に訳せば、
「テロとの世界戦争」もしくは「世界テロ戦争」とならねばならない。第三次の「世界大戦」と捉える方が原義に近い。これほどの「世界的取り組み」なのだ。
従って、この度のインド洋活動の打ち切りは、我が国がこの「世界戦争」がら脱落したことを意味する。
つまり、我が国は大きな恩恵を受けながら、自らは世界テロ戦争における国際社会の責務を放棄して、国家としてのプレゼンスを棄てるのだ。
このように、我が国の国際的評価を棄損するこの度の打ち切りの責任は、我が国にいる謎の鳥と、今襟巻きとマスク姿で闇夜に動いている人物が負うべきである。
以前、ASEANセンターの中島愼三郎さんとインドネシアに行って、中島さんの通訳でインドネシア海軍の参謀総長と話し合ったことがある。彼は、こう言った。
「はやく、日本海軍に来て欲しい。日本海軍が来れば、シナの船などいちころだ。我々は限られた予算で海賊を退治して日本へ向かう船が通る海峡の安全を守っている。
しかし、この頃は、海賊の方が資金が豊富で良い船をもっていてなかなか取り締まれない。」
彼に言わせれば、帝国海軍以来の軍艦旗を掲げた日本の海上自衛隊の艦艇がマラッカ海峡を行き来することは、実にその海域の治安維持に効果があるという。
このASEANからインド洋に抜ける海域に面した諸国は、植民地からの独立を欧米への日本の戦いとともに果たしている。従って、日本に対する期待は今も非常に大きいものがある。
また、フィリピンのミンダナオから人口2億を超える東西5000キロの群島国家インドネシアにかけては、世界最大の人口を抱えるムスリム地帯である。そして、インド洋に面するパキスタンもムスリムだ。
従って、この地域のムスリム達は、日本の自衛艦がインド洋で同じムスリムのパキスタンをサポートしてくれていると思って見守っていたはずだ。
パキスタンとしても如何に「世界テロ戦争」とはいえ、キリスト教国の軍艦から油の支援を受けるより、非キリスト教国の日本からの給油支援をありがたく受け入れている。ムスリムへの支援、これが、欧米の活動よりも勝る日本の活動の特色である。
以上が、この地域における日本のプレゼンスというものだ。
政治家なら、本を読むより、肌で感じなければならない。中国詣でをしている者は分からない。
私は、この十年間ばかり欧米諸国よりも、インドネシア、ミャンマーという地域を歩き、この地域の日本への熱い期待を知るとともに、独自外交ができない日本のプレゼンスの低下を年々感じてきた。
この度の、国内の無能で無責任な政治による、インド洋における「世界テロ戦争」における日本の任務放棄、脱落は、さらに一段と我が国の評価を低めた。
とは言え、灼熱のインド洋において我が国の海上自衛隊は、
長年にわたり、各国艦船に世界最優秀の技量を示して洋上補給活動を遂行し、国際社会と各国海軍から高い評価と信頼を得てきた。その活動が我が国と日本人の国際的評価を高からしめた功績は計り知れない。ここに心より、感謝し敬意を表する。
本日帰路につく最後の輸送船は数年前に舞鶴港で船内を見学した新鋭の「ましゅう」である。
愛着を感じ、ご苦労さんと申し上げる。
さて、プレゼンスには関係するが、話題が全く違う経済のことに触れておきたい。
近頃、国際経済における我が国のプレゼンスが低下しているとする評論が横行し、悲観的な情報が耳目を覆い、あたかも日本国民に自信をもたせないようにしているかの如きである。
そして、中国の統計によると、2010年に、中国のGDPは日本を追い抜くという。中国内では、日本が焦り驚いた、と報じたようだ。
同時に、日本国内においても、ここ数年、中国経済の急成長に迎合し褒め称える論評が目立つ。
果たしてそうか。
中国経済は
世界に「失業」を輸出して金を稼いでいる。
つまり、低賃金が中国最大の強みである。これは即ち、中国経済は、国内の貧富の格差を「資源」として動いているということである。
従って、国内の貧富の格差が拡大すればするほど中国経済は潤う。この結果、中国14億の人口のうち、13億は、未だ最貧層であり沿岸部の6,000万人ほどが潤ってきている。
つまり、同じ国内に圧倒的多数の「暗黒大陸」と少数の「ヨーロッパリゾート村」をもっているのが中国である。その結果、年間、8万から10万回の暴動が各地で起こっている。そして政府は、チベットやウイグルと同様に、必死になって弾圧している。
このような国が、世界に何の貢献をしているのか。
このような国に、未来はあるのか。
冷静な投資家なら、何かの切っ掛けで一挙に資金を引き揚げるだろう。その時、中国経済はすぐなくなる。中国は、極めてもろい。
では、日本は、どうか。日本は、世界に「雇用」を輸出している国である。
一九七一年のニクソンショックにより一ドル360円の時代が終わり、あれよあれよという間に、円が急上昇して一九九五年に一ドル79円を記録した。
この間日本は、世界各地に工場を進出させた。そして、今やアメリカや欧州の雇用の10%は日本の工場によって生み出されている。
一九七一年以来、これだけ円が上がれば、今まで通りの輸出で稼げるはずがない。今でも日本は「輸出依存」だから円高で打撃を受けているというが、これは嘘だ。これだけの急激な円高の中で、仮に「輸出依存」を続けておれば、日本経済はとっくになくなっている。
日本は今、巨大な「内需依存」の国になっている。
それでも、日本が今でも毎年10兆円の貿易黒字を記録するのは、日本は、優秀な製品を作ることができる日本でしか作れない「資本財」を輸出しているからだ。
中国も韓国も、何か製品を作って輸出しているが、それを作るためには、日本が造る工作機械がいる。従って、彼らが輸出によって稼げば稼ぐほど、日本に対して工作機械の代金を払わなければならない。これが、日本強さである。
さらに、世界にある日本の工場で生み出される富は、世界各国のGDPを引き上げ、そこで働く各国の労働者の賃金を引き上げる。現在の日本経済の構造は、世界の勤労者の生活向上に大きな役割を果たしている。
現在、このような大きな力を持っている国は、日本だけである。
「この20年の中国経済の成長は、日本の高度経済成長時代を上回っている。従って、これからは中国の時代だ」、という専門家もいる。
しかし、日本の成長と中国の成長は、同じだろうか。 記憶をたどっていただきたい。
日本の成長は、貧富の格差を無くす方向に作用して「一億総中産階級社会」を作り出した。
中国の成長は、既にみたように、国内の格差を資源として生み出された。自らは一切新製品開発の手間を引き受けようとしない。ただ、低賃金で低価格の品を作るだけ。
従って、暗黒大陸に固定された貧民層とヨーロッパリゾート村に住む少数の富裕層を生み出している。しかも、このリゾート村に住む連中は、実業ではなく、共産党幹部であったり国営企業幹部であったりマネーゲームの専門家、裏社会の蛇頭などだ。
以上の通り、経済においても、我が国の大きなプレゼンスを看ることができずに悲観論を広げているのは、我が国の政治家と評論家だと思われる。
つまり、昨年末に、日比谷公園に「派遣村」を演出して、我が国の経済構造の「悲惨さ」、「歪さ」を煽った連中である。
ここにおいても、インド洋と同様、評価を低下させている政治の無能を怒るとともに、家族から離れ、世界各地の工場で優秀な製品を生み出すため、現地労働者に溶け込み指導に当たっている我が日本人労働者のご苦労に敬意を表し感謝する。
(了)
(参 考) *いよいよ明後日です!
西村真悟を応援する近畿の会 新年互例会
日 時 : 平成22年1月17日(日)12:00~15:00 (11:00~受付開始)
12:00~14:00 講演会、14:00~15:00 懇親会
場 所 : ホテル大阪ベイタワー4F ベイタワーホール
大阪市港区弁天1-2-1 JR環状線・地下鉄中央線 弁天町駅徒歩2分
講 師 : 田母神俊雄(元航空幕僚長)、西村真悟(前衆議院議員)
会 費 : 10,000円
定 員 : 300名(定員になり次第締切)
申 込 : 西村真悟を応援する近畿の会事務局 TEL:06-6576-4567
*まだ若干の席がございますので、ご希望の方は奮ってご応募ください。
以 上