落葉松亭日記

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田母神氏・新党結成へ

2014年06月06日 | 政治・外交
「維新の会」は分裂、石原氏と橋下氏は袂を分かつことになった。
その石原氏新党に田母神氏が参加とのニュースがあったが、田母神氏は「日本真正保守党」を立ち上げたいとの意向を示している。ここに田母神氏の意気を感じる。タモちゃん頑張れ。
田母神氏 石原氏と別の新党結成意向 連携視野に2014.6.2 21:57
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140602/stt14060221570007-n1.htm

 元航空幕僚長の田母神俊雄氏は2日、東京都内で講演し、次期国政選挙に向けて「日本真正保守党」を立ち上げる考えを明らかにした。「自民党の右側に一本、柱を立てるような政党が必要だ」と述べた。田母神氏は講演後、産経新聞の取材に対し、日本維新の会の分党を決めた石原慎太郎共同代表が立ち上げる新党との関係について「将来的に政策協議や合流といったことはあるかもしれないが、当面は別々でやっていきたい」と語った。次期衆院選などで日本真正保守党として候補者を擁立し、自身の立候補も検討する。

 田母神氏は「石原新党」に参加する意向を示し、石原氏も歓迎していた。ただ田母神氏の主張に賛同しない石原氏系の維新議員もいるため、自ら距離を置いたとみられる。

田母神元空幕長がスクランブルで見せた実力 「真の近現代史観」懸賞論文、今回の最優秀賞はあの国会議員 2014.2.15 07:00 ([国会]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140215/plc14021507000004-n1.htm

(写真)まさかの主役不在という事態に「緊急発進」し熱弁をふるった田母神俊雄・元航空幕僚長 =平成25年12月6日、東京・元赤坂の明治記念館

 その表彰式はまたまた波乱含みの展開だった。昨年12月6日に開かれた第6回「真の近現代史観」懸賞論文の表彰式には、最優秀賞受賞者である民主党の松原仁衆院議員がまさかの欠席。続いて開かれた受賞作品集の出版記念パーティーが始まっても松原氏が姿をみせない緊急事態に、第1回の最優秀賞受賞者である田母神俊雄元航空幕僚長が急遽(きゅうきょ)、代理でマイクを握ることになったのだった。(溝上健良)

今回も波乱の表彰式

 「真の近現代史観」懸賞論文の表彰式を取材するのはこれで3年連続になるが毎年、波乱があって話題には事欠かない。第4回の最優秀賞受賞者は高田純・札幌医科大教授で、菅直人元首相の暴走を真っ向から批判する形となった「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった」と題する異例の理系論文で話題を集めた。本MSN産経ニュースでも紹介したところ、その記事を漫画家の小林よしのり氏が「SAPIO」誌上で詳細に論評され、これまた注目されたことも忘れがたい。
 第5回の最優秀賞受賞者は元海上保安官の一色正春氏で、表彰式の会場には衆院選期間中にもかかわらず石原慎太郎元都知事が駆けつけ、一色氏を祝福した。マイクを握った石原氏は田中真紀子氏に「暴走老人」と名付けられたのを逆手に取って「日本が第2のチベットになってはいけないので、私は命がけで暴走します」と宣言していた。このときは出版記念パーティーの最中に地震があり、主催者側あいさつが一時中断となるハプニングもあった。

 そして今回。表彰式当日は参院本会議でいよいよ特定秘密保護法案の採決が行われるという日で、民主党の国会対策委員長でもある松原仁氏はなかなか国会を離れることができず、受賞記念スピーチの時間にとうとう間に合わないという不測の事態が発生する。

 振り返ればそもそも第1回、田母神俊雄航空幕僚長(当時)の最優秀賞受賞が決まった際には政府を巻き込んでの大騒ぎとなり、ついには田母神氏が事実上、更迭されることになったことを覚えている人も多いことだろう。その後の田母神氏の活発な言論・出版活動は読者の皆さまご存じの通りである。あまり騒がれなかったが、第2回の最優秀賞受賞者は慶応大講師の竹田恒泰氏で、その後の竹田氏の活躍には目を見張るものがある。第3回の最優秀賞受賞者で戦後問題ジャーナリストの佐波優子氏は昨年、『女子と愛国』(祥伝社)を出版。慰安婦問題などでも積極的に発言しており活動が注目される若手の論客だ。なお高田純氏には『東京に核兵器テロ!』(講談社)など多数の著作があり、一色正春氏も執筆活動に力を入れている。これらの方々の言論活動には、今後とも注目していきたい。

日本は情報戦にいまなお敗北中

 ところで今回の表彰式について報告する前に、松原仁氏の論文を見てみたい。
受賞作は「我らが日本!『三つの敗戦』から脱却して力強い国家を」と題する論文で、日本の3つの敗戦-
(1)対米戦争での敗戦
(2)国内で「自虐史観」が生まれ、根付いてしまったこと
(3)他国との情報戦での敗北-について触れている。
 論文の中では特に第3の点について「情報戦における敗北により、国際社会において日本が極めて悪い国であるという印象を世界に与え、そして日本国内においては日本国民は常に自虐的に振る舞わなければいけないという精神構造を押し付けるものとなった」と強調されている。

そしてこの第3の敗戦は先の大戦中から周到に仕組まれたもので、現在も進行中であるとして、南京事件(いわゆる南京大虐殺)、日本海の呼称問題、慰安婦問題を例として挙げている。
いわく「南京事件については、30万人の虐殺など…あり得ない形の残虐行為が捏造(ねつぞう)された写真等を用いて喧伝(けんでん)されている」「慰安婦問題については、存在しない朝鮮人女性に対する軍の強制連行などが韓国により宣伝されている」。そして「私は、心ある読者とともに、この三つの敗戦からの脱却という大きな戦いに向けて全力を賭けて取り組むことを、今ここに誓いたい」と締めくくられている。

 松原仁氏は民主党の国会議員ではあるが、拉致問題に熱心に取り組んできたことで知られ、いわゆる南京大虐殺についても国会の場で論じてきたのは有名な話である。例えば、平成19年5月、衆議院外務委員会でこんな発言をしている。

 「1937(昭和12)年11月に、国共合作下の(中国)国民党は中央宣伝部に国際宣伝処を設置した。
…南京戦を挟む1937年の12月1日から翌年の10月24日(までに)300回、毎日のように記者会見をやった。参加した外国人記者、外国公館職員は平均35名。何を言ったかというと、日本軍はけしからぬと。 …にもかかわらず、そこで一回も南京で虐殺があったと言っていない。極めて不思議であります。簡単に言えば、なかったから言わなかったのであります…」

 これは実に説得力のある話だ。仮にも30万人規模の「南京大虐殺」があったのであれば、戦時中に中華民国はじめ外国で問題にならなかったはずはないのである。
とかく歴史問題では中国寄りの発言が目立つ民主党(内左派)の国会議員にも、よく味わってもらいたいものだ。松原氏の受賞論文は、アパグループのウェブサイトで読むことができる。

要注目の受賞作の数々

 今回、第6回の懸賞論文では他の入賞作品にも見るべきものが多かった。優秀賞は社会人部門が塩沢修平・慶応大経済学部教授、学生部門が慶応大1年の山本みずき氏と、慶応大の教授・学生でダブル受賞したのが注目される(ちなみに最優秀賞の松原氏は早稲田大卒)。なお山本氏の論文は、もともと月刊『正論』平成25年5月号に掲載されたものだ。

 月刊『正論』には歴史問題をめぐる論文も多く掲載されているが、最近で驚かされたのは平成24年1月号に掲載された福井義高・青山学院大大学院教授の論文「さらば、『正義の連合国』史観-欧州の最新研究が明かす米英ソの大罪」だった。先の大戦で本当にドイツだけが悪玉だったのか、を検証した論文で、なるほど歴史とは勝者が都合のいいように書くものなのだと納得させられる。昨年末にまったく別件で福井教授に取材する機会があったが、歴史関係の論文について「あれは趣味です」と言い切っておられた。趣味であれほどの論文が書けるとはすごい。一読をお勧めしたい論文である。

金曜討論「ブルートレイン廃止」福井義高氏VS石破茂氏

 今回の入賞作で個人的に強く印象に残ったのは、佳作となった元海上自衛隊特別警備隊先任小隊長・伊藤祐靖氏の「日本の掟」だった。伊藤氏は麻生幾著『奪還』(講談社文庫)のモデルとされるが、その父君の戦後が論文に書かれている。今年1月に亡くなった小野田寛郎氏の生涯も壮絶だったが、それに匹敵するすさまじい逸話が盛り込まれており、驚異というほかない。日本人の底力を感じさせられる佳作である。目ざとい編集者なら放っておけない内容だけに、そのうちにどこかの媒体で大々的に発表されることがあるかもしれない。

もう一作、静岡県下田市議会議員の高橋富代氏による「NHKを叩き潰せ~この反日史観放送局」も強烈だった。
気が付かなかったが、人気を博したドラマ「あまちゃん」では居酒屋の場面で韓国の焼酎「鏡月」が映され、ヒロインの父親が運転するタクシーはヒュンダイ製、さらには作中に出てくる古いブラウン管テレビはサムスン製なのだという(ほぼ同様の指摘は、別冊『正論』20号「亡国の巨大メディアを撃つ! NHKよ、そんなに日本が憎いのか」で、評論家の潮匡人氏も言及されている)。そもそもヒュンダイ製のタクシーを用意するのも結構、大変な気がするが…。そういう点に注目してNHKのドラマを見ると、また違ったものが見えてきそうだ。

 他にも、日本国憲法の問題点を指摘する論文も複数、佳作となっており、今回の受賞作はいずれも見どころがあって興味深いものがあった。これらの論文は作品集『誇れる国、日本〔VI〕』として刊行されている。

秘密保護法は何のために

 さて受賞作品集の出版記念パーティーでは主役の松原仁氏が不在の中、田母神俊雄氏が代打ちでスクランブル(緊急発進)、特別講演を行うことになった。

 冒頭、「危険人物の田母神でございます」とお約束のあいさつで会場をなごませると、「航空自衛隊では有事即応を常に重視しております」と突然の指名にも余裕をみせつつ話を進めた田母神氏。「国際政治の本質は、富と資源の分捕り合戦であると思います。第二次大戦までは軍事力の強い国が戦争をして資源を分捕りに行きました。さすがに今はそれができにくくなり、代わりに情報戦、ウソとかデマとか捏造の情報を流し、また自分の国に有利な条約を結び、自国に有利な国際組織をつくり、一応相手の国にも同意させ、納得ずくで合法的に富や資源を分捕るということが日常的に行われています」として、現代は情報戦の時代だと訴えた。さらに「国際政治は非常に腹黒いもの。一国の大統領や首相が言うことも、そのまま信じてはいけない。『信じる者はだまされる』のが国際社会です」と解説した。

そして松原氏の論文に触れ「日本は情報戦に負け続けているということを松原先生が書かれているように、現在は情報戦が非常に重要な時代。今、特定秘密法が成立しようとしていますが、これは画期的な法律なんです。新聞、テレビの報道では、この法律を何のためにつくっているのかよくわからない。では何のためかといえば、日本でスパイ活動を行わせないため、というのが一つ。もう一つは情報戦の時代で現在、世界中で“スパイ大作戦”が行われており、日本国内には各国のスパイがかなりいるわけです。日本がこれからスパイ網をつくるときに『この人間は国家を裏切ることはないのか』と当然、親兄弟、親族、友人関係、あるいは借金はないのかなどを調べないといけないが、今の日本ではこれを調べられません。スパイ網をつくるためには、そうしたことができるようにしなければいけません。特定秘密法が成立すれば、こうしたことができるようになると思います」として、特定秘密保護法は国際的な情報戦に負けないための第一歩であり画期的な法律であると、制定の意義を説明していった。

 田母神氏はさらに、11月に成立した国家安全保障会議(日本版NSC)創設関連法についても「これは国家の緊急事態に対応する法律で、決して国民をいじめるためとか、戦争を始めるための法律ではなく、国民を守るための法律なんです」と熱弁を振るった。さらに日本は世界で唯一、憲法に国家緊急事態の規定がない国であることも紹介し、スパイ天国状況も含めて「こうした事態に終止符を打たなければなりません」と訴えかけた。そして「本当はあと1時間くらい話したいことはあるけれども、あまり長く話すと評判が悪くなるので、このへんで」と締めくくり、会場から盛大な拍手を浴びていた。

 現在は懸賞論文の審査員を務める田母神氏。松原氏論文の論点を押さえた上での、突然の指名とは思えない流れるような演説だった。今回も見るべき点の多かった「真の近現代史観」懸賞論文、次回もどんな論客が現れるか、今から楽しみだ。

 ところで、年が明けて行われた東京都知事選挙でも、田母神元空幕長が緊急発進。「原発即ゼロ」を掲げた元首相らを相手に一歩も退かない空中戦を繰り広げたのだけれど、それはまた別のお話。

その松原仁氏の論文。
「我らが日本!「三つの敗戦」から脱却して力強い日本を」
http://www.apa.co.jp/book_ronbun/vol6/japan.html
何かの間違いか、松原仁氏は民主党所属。もっとも自民党にもおかしな連中が多いが。