落葉松亭日記

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聖徳太子、竜馬、信玄etc が教科書から消える?

2017年12月11日 | 歴史
当方は中高生時代、歴史が大の苦手であった。
けれども、明治の偉人や戦国大名の名前ぐらいは聞き覚えがある。
小学校の指導要領や中高生の歴史教科書からこれらの人名が消えつつあるという。
時代の流れか何か知らないが、その教育界の背後が薄気味悪い。
「坂本龍馬」が消えたナゾ 「高校歴史用語案」を読み解く 「厩戸王(聖徳太子)」も議論必至 2017.12.11 08:00
http://www.sankei.com/premium/print/171211/prm1712110003-c.html

写真:坂本龍馬の肖像写真(高知県立坂本龍馬記念館提供)

 国民的人気の高い「坂本龍馬」が消え、論争が続く「従軍慰安婦」が残る-。高校や大学の教員がまとめた高大連携歴史教育研究会(高大研、会長・油井大三郎東大名誉教授)の高校歴史用語精選案が波紋を広げている。高大研は精選案の内容についてアンケートを実施し、年度内に最終案をまとめる方針だが、個別の用語の選定基準は明らかにしていない。論争のある従軍慰安婦や南京大虐殺以外に、人名でも精選基準には疑問のある部分が多い。(社会部 花房壮、寺田理恵)

聖徳太子は「厩戸王」?…小中学校の学習指導要領改訂で論争

 精選案では、日本史と世界史でそれぞれ現行の半分以下となる約1600語を「教科書本文に載せ、入試でも知識として問われる基本用語」として選定。叙述や考察に必要な概念用語を多く盛り込む一方、人名や文化史用語を大幅に削減したのが特徴となっている。

 人名の選定で物議を醸したのは「坂本龍馬」「吉田松陰」「高杉晋作」「楠木正成」「上杉謙信」「武田信玄」「高野長英」など歴史小説や時代劇のヒーローとしてなじみの深い人名が数多くカットされたことだ。高大研側は精選案から外れた用語を教科書に載せることは否定していないが、個別の用語の選定基準については「アンケート調査に予断を与えかねない」として明らかにしていない。

 一方、論争を呼びそうな人名が多く選ばれていることも議論を呼びそうだ。

 例えば「厩戸王(うまやどのおう、聖徳太子)」は、文部科学省が今春告示した中学の新学習指導要領の記載をめぐり、「聖徳太子の抹殺だ」「約20年前に唱えられた聖徳太子虚構説の押し付け」などと批判を浴びた表記だ。

 その一方で、戦前に聖徳太子の功績について批判的研究を行った歴史学者の津田左右吉も選ばれている。

 小中学校教科書では、新規参入の中学教科書1点を除いて「聖徳太子」を主たる表記とした。ところが文科省は現行の「聖徳太子」を「没後の呼称であり、中学では史実を学ぶ」などとして、2月に公表した指導要領改定案で「厩戸王(聖徳太子)」に変更。

 これに対し、国会などで批判が相次ぎ、専門家からも「古代の主要資料には見られず、実名のように扱うのは不適切だ」などとの指摘があったことから、3月の告示で「聖徳太子」を復活させた経緯がある。

 精選案に入った「厩戸王(聖徳太子)」は再び議論を呼びそうだ。

2度出てくる「幣原喜重郎」…憲法9条発案者との説も

 精選案で学習項目「国際協調の時代」「初期の占領政策」の2カ所に採用されているのが外交官・政治家の幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう、1872〜1951年)だ。

 幣原は、両大戦間の大正末期から昭和初期にかけ協調外交を推進した“幣原外交”で知られる。また、先の大戦後の昭和20年10月に首相に就任し、憲法改正にかかわった。現行の高校教科書では「幣原喜重郎内閣はGHQから憲法改正を指示され」などと記述されている。

 日本国憲法の成立過程をめぐっては議論がある。現行の日本国憲法は連合国軍総司令部(GHQ)によって草案が作成されたことから、「米国からの押し付け憲法」として改正を目指す理由の一つともなっている。だが、押し付けを否定する人や、戦争放棄などを規定した9条の発案者を日本人の幣原とする説を唱える人もいる。

 生徒が自ら考え議論する活動を重視した次期学習指導要領では、多面的・多角的な見方を養う授業を目指しており、議論のある用語を選ぶこと自体は必ずしも否定されるものではないが、特定の見方を押しつけられることのないよう留意すべきだ。

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